ふと気付けば 涙が出てる時がある
悲しくはない 思い出してもない 何の感情も抱いてないのに……
"不思議だな" とは思っていた
だが 過去に友達との関わりで 同じ現象を見ていたから
"そんな事もあるか" と 気にも止めなかった
しかし 事態は一変した
寝ても覚めても 体調は悪くなる一方──
日に日に悪くなり 市販薬が効かなくなった
"これはおかしい" と 精神科を受診した
主治医は皆口を揃えて 『分からないね』と 答えた
精神疾患ではない となると 何なんだ……?
思い当たる症状を頼りに サイトを検索した
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過度のストレスにより 無意識に涙が出る事がある
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過度のストレス……?
確かに 過度のストレスは感じていた
が 耐えられない程ではない
皆と同じように 学業をして 課題をして 生活をして
けど 睡眠時間は少なくて……その何が『過度のストレス』なんだ?
当時の私には "過度のストレスの概念" が 分かってなかった
ー涙ー
綺麗なモノを キレイと感じ取る心
美しいモノを ステキと感じ取る心
一瞬の輝きを 儚さと感じ取る心──
それらを構成してる
光、音、触れた感触、味、匂いを感じ取る 五感
どこにでも行ける、何でも話せる 身体
それらにも感謝だが
やはり
"幸せを感じ取れる心" があるから
人は 幸せでいられるのだろう
姿は見えないが いつも側にある
当たり前すぎるのに
他の感情に支配され 忙しくなると
幸せを感じ取る心の余裕は なくなってゆく……
いつも側にある "小さな幸せ"
いつしか 人は
見失ってるのかもしれない
ー小さな幸せー
サ
ク
ラ
咲
く
晴
れ
の
日
に
追
い
風
先
ゆ
く
道
は
桜
色
に
包
ま
れ
|
春
爛
漫
|
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3月28日 0時37分 追記
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卒業式を迎え
住み慣れた学生生活も、もう終わり
この春から新社員になる
着なれない白いブラウスに、黒のスーツ
踵の高いヒールを履いて
とうとう新社会人を迎えた
仕事が順調に進む中
社会人の仲間となった今でも
学生の頃の呆気なさは、まだ抜けない
毎日毎日、懸命に働いて
かれこれ、もう5年目
順調に成果を出せるようになり
今では任される仕事も増えてきた
社内でいい人とも巡り会えた
人生、薔薇色~!
とまでは行かないが
仕事も恋も順調に進みすぎて
景色を眺める余裕もないくらい
忙しい日々を過ごしていた
そんな最中での春
まだ3月と寒空が続く中
桜が咲き出した
チラホラと見える桜の木々
早い場所では
桜が満開に咲いている所も見えた
「綺麗~ もう春なんだね~
忙しさで、見てる余裕もなかったよ」
久々に上を向いて歩く晴れた通勤路
鳥の囀ずりも、何だか懐かしい
「よ!また一緒に行こうか?」
待ち合わせていた彼氏
付き合い始めたとはいえ、まだまだ駆け出し
恥ずかしさのあまり、まだ手を繋いだこともない
「ここ、穴場なんだ 寄ってかないか?」
彼氏のいうがままに、ある通りにたどり着く
目の前に広がる光景
そこには、見渡す限りの桜並木が満開に咲いていた
「すごい!どうやって見つけたの?」
「ふふーん!秘密だよ~」
鼻では笑っていたが
彼は仕事終わりに一人で出掛けては
早咲きの桜並木を毎日のように探し回っていたのだ
そんなことはつい知らず
突然の突風が二人の背を押した
「「わっ!!」」
倒れそうになりながら堪えた先には
間近に迫る二人の顔
「ご、ごめんなさい!
倒れるかと思って、良かった……」
心配する私をよそに
彼は目を見開いて前を指差した
「それより、見て!桜が、スゴいことに……」
「え……っ」
彼の指差す先には、見渡す限りの桜吹雪が──
空も、街路樹も、道も、全てが
桜一色に染まっていく
それはそれは
とても幻想的な光景が繰り広げられていた
何年ぶりに見ただろう
桜の花びらが落ちて行く間
私は、我を失い欠けて
ボーッと蜃気楼を見ていた
「仕事に追われ、早5年
仕事を任されることは増えてきたけど
まだ幼さの残るあどけなさ
私、このままのでいいのだろうか──」
我に返った私は、桜の花言葉を思い出した
[純潔・優美な女性・精神の美・あなたに微笑む]
そのどれもが優雅な女性像──
今のままでは、彼氏には不釣り合い……
もう立派な大人
立派な大人には、それなりの見振りを!
「雅也……」
「な、何だよ 思い詰めたように
急に名前なんかで呼んで……」
「私、今日から優雅な女性を目指す!
ううん、今から優雅な女性になる!
だから……ね」
と、彼氏にそっと微笑んだ
「今日は、本当にありがとう
とても嬉しいよ
来年も、その先の来年も、ずっと……
またここで一緒に見ようね」
「七海……」
見つめ合い、そっと手に手を取り合う二人
会社へと続く通勤路を歩む先には
しばらく桜吹雪で出来たピンクの絨毯が広がっていた
いつまでも末長く続きますように……
別名
ドレミファソラシの音階
とも言うらしい
私たちが
日頃からお世話になってる音楽──
言葉にするのは簡単だが
作詞家、作曲家には
大変なお仕事だ
自身も昔
『この曲の続きを書け』と
課題を出された時がある
初めは
簡単そうに思ったが
いざ手をつけると
イメージが湧かない
続きの音は
どれにしよう……
たった7音
されど7音
オクターブを越えれば
可能性は無限大だった
とりあえず
この7音で
どうにかしてみよう……
カエルの合唱のような
チョウチョのような──
流れる音を意識して
作曲してみた
確か
校内入選に選ばれたような……
体験して分かったことだが
自分には
音楽の才能はないな
と感じた
作曲してる間
知恵熱が半端なく
2・3日
頭痛と熱が下がらなかった
そんな思い出
ー七色ー
記憶は 時として 長さを変える
幼い頃
1日の流れを 詳細に覚えてた
人の臭い 手の温もり
砂の痛さに 水の冷たさ
いつ どこで 誰が 何をして……と 説明しては
「なぜ? どうして? 」と せがんだ
小学生の頃
『1日って なぜ こんなに長いの?』
と 疑問に思った
朝の澄んだ空気に 顔を掠め行く風
夕暮れとともに
様々に色を変える空や山々が いたく好きで
"早く 夕焼けになれ" と 心弾ませ
時を待ちわびた
中学の頃
忙しさに追われ
記憶は 一気に短くなった
誰かと 過ごし 物事を頑張った
そこでの感情は 存在しない
高校・専門学校の頃
自分の事なんて そっちのけ
人の事よりも 感情よりも
来る日も 来る日も "勉強" "勉強" の毎日
成人の頃
今後の仕事 将来の夢──
現実からは 目を反らし
今 目の前の一瞬なんて 眼中にもない
そして 現在
我が身を犠牲にし
何も残せない日々を 送ってる
多分 この先は
感情を失い 感覚を失い
記憶も失って
何も残せなかった過去を 悔やむのだろう……
できる事なら 叶うのならば
まだ感情を宿してた 幼き日々に戻りたい
過ぎ去る一瞬を 体全体の五感で感じ取り
「めっちゃ 楽しーっ!!」と
大声で叫んでいた あの頃に……
時は 戻せない
歳を追う毎に
嫌な記憶ばかりが 蓄積されて行く──
記憶だけでいい
若かりしかった あの頃の記憶に 戻りたい
ー記憶ー