星乃威月

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3/24/2025, 12:02:21 PM

過去の失敗


気が付けば、目が掠れ

気が付けば、頭痛が止まらず

気が付けば、体が宙を舞ってるみたいで

気が付けば、身体に力が入らない

気が付けば、寝返り打てず

気が付けば、社会から孤立した


それまでは バイトしつつ 何度も通院し

何種類もの薬を試し

主治医が『分からないね』と言うまでは

病院を何度も変えてみて

それでもダメで 途方に暮れた


何度も踠いて苦しんで

それでも"生きたい" "死にたくない"と

何度も願い祈り念じても

叶う日は来なかった



何がダメなんだ 何がいけないんだ!

自分の何を直せばいいんだ!


それを見ていて 見放してた家族


何のために存在してんだ!

こんな家から出てってやる! と

何度も何度も 思い当たる方法を試した



SNS をした

詩を書いた

ショーとストーリを書いて

小説にもチャレンジした


小学生の頃から嫌いだった国語 作文 読書感想文

習字以外の読み書きだって

どうにかならないか?と 試行錯誤を繰り返した


変われるものなら 変わりたい──


何度試みても 書き直しても

納得のいくモノは生み出せなかった


もう 頭も限界か……



とある主治医の紹介で 人生初の入院

やっと合う薬が見つかって 眠ることもできてきた

社会復帰を夢見て 身体を酷使

来る日も来る日も 千羽鶴を折り続けた



800羽を越えた頃

退院迎え 家での生活

徐々に体力は削られてった


『何してる!

家にいるなら やることやれや!

なぜ逃げる!

鍵閉めたって 意味ないよ~』


来る日も来る日も 祖母の嫌がらせ

優しさなんて微塵もない


避けてきた寝たきり生活

引き込もったって 解決しない

分かっていても 他に術はなかった



あんな過去

もう二度と戻りたくない




ーもう二度とー

3/24/2025, 12:25:59 AM

あなたと喧嘩した日は、いつもそう

悩んで、苦悩して、もめて、妬んで──


側に居られない、話せない

"今、忙しいんだ" と、あしらわれて


あなた無しじゃ、生きてけないのに……

私の心は、今日も雲り




ー雲りー

3/23/2025, 5:22:52 AM

あの人は

遠くの地へ行ってしまった


会いたくても

連絡の取れない遠くの国へ



学校は違えど幼馴染みで

喧嘩もした

我が儘も言い合った


異性だとは微塵も感じさせなかったあの人


昔の日々に思い馳せても

今では戻らぬ虚しさ



もう半年

毎日のように見ていた録画や写真も

今では見なくなった


寂しさが募る、悲しみも増える

そんな日々の繰り返し……



また、どこかで会えるよね──


心のどこかでそう願って

暫しの間 bye bye...




ーbye bye...ー

3/21/2025, 11:57:29 AM

「綺麗だね~」


窓越しに、長い髪を掻き上げる背中


「さっき見たぁ?めっちゃ綺麗だったでしょ?」


振り返る満面の笑顔


3月の終わり

今年は暖冬だった影響で、桜の開花が早まっていた

時々吹き込む春一番の嵐に、桜の花弁が耳を掠める


「まさか、見れるなんてな」


制服姿に身を包んだ胸元

校章がキラッと光を放つ



今日は離任式

今年卒業を迎えた俺達も、母校を訪れるため、通い慣れた通学路を通っていた


「今日でこの通学路も最後か…… 先生は、誰が移動しちゃうんだろうね?」


悲しげな顔をし、遥か遠くを見つめる君


「そだな、最後だな 誰だろね?」


答えに迷う俺なんかを横目に、君は桜散る景色を眺めている


「この景色も、これで最後か……」"ビュールルルル"


突然、強烈な風が窓から吹き込んだ


「え~っ?何か言ったぁ~?聞こえな~い!」


君は、乱れた髪を押さえることで、必死みたい


「なんでもない!ただの独り言!」"ビュールルルル"


尚も強く吹く風


今日の日が終われば、君と過ごしてきた日々ともお別れか

別々の学校 別々の通学路

住む県だって変わるというのに


「うわぁ~、凄い! 見て、桜吹雪だよ?」


俺の思いとは裏腹に、はしゃいぎ楽しむ君


早咲きの桜なんかより、離任式の事なんかより……

楽しそうな君の姿が愛おしくて、たまらないんだ




ー君と見た景色ー

3/20/2025, 9:19:57 PM

人は、人生で何度、手を繋ぐのだろう


生まれた時は……

幼少期の頃は……

青年になった頃は……

大人になった頃は……

老後は……


多分、既に数えきれない


これほど多く手を繋いでいても、記憶に残るのは数える程度

『皆、必死で生きている』

その証拠なのかもしれない



人によって、手の繋ぎ方はそれぞれだ


同性 異性

温かな手 冷たい手

力強く握り返す手 フワッと乗せる手

ゴワゴワな手 軟らかな手……


まだまだ存在するのかもしれないが、今上げただけでも、かなりの数がある

それは、見た目によらない

もしかしたら、手を繋いだ人に対する、心の鏡なのかもしれない



手を繋いで、これからどこへ行こうか?

その先に、幸せがあることを、心より願う





ー手を繋いでー

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