昔、お気に入りのサイトがあった
詩を書き綴るためだけに使ってたサイト
いつからか使わなくなり、久々にログインしたら、閲覧数が異常に伸びていた
自分は、そんな人じゃない
自分は、こんなに評価される人じゃない
ここに居ちゃイケない人なんだ
焦った自分は、これまで書き綴った投稿を全て消し、アカウントを消し去った
それから何年経っただろう……
あの頃の自分に会いたくて
あのサイトなら、あの頃に書き綴ってた素直な感覚に出会えそうな気がして……
ある日の夜、必死にサイト検索した
何度検索しても、サイト名で検索しても、あのサイトは跡形もなく消え去っていた
それもそのはず、時代の変化に追い付けなくなったモノは、時の流れと共に姿を消し去るしかなかったのだ
使いやすかったのに
あんなに書き心地が良かったのに……
あんなに書き綴れたサイトは、他にないんだよ
詩を書けるサイトは、他にもあった
何なら、投稿アプリも、幾つも普及していた
けど、どれを試しても、自分には合わなかった
どこもかしこも『交流・評価・コミュニケーション』
そんな能力、その頃には微塵もなかった
あったとしたって、心が傷つくだけ……
もう、痛み苦しむのは嫌なんだよ
書き綴ってるときだけは、素直で自由でいたい……
時代の変化に追い付けず、あの頃のサイトは、この世から無くなってた事は知っていた
でも、素直に書き綴れた感覚は、あのサイトでしか味わえなかった
あのサイトに出会いたい……
まだ、素直で自由に書き綴っていた、あの頃の自分に出会いたい……
そう思いながら、サイトやアプリを転々とし、あの頃の自分を探し続けた
良かったモノ
時代の変化には追い付けなくとも、大切なものは、確かに存在してたんだ
姿形はなくなろうとも、今でも心の中で生き続けてる
あの頃の自分は、どこに居ますか?
今でも心は、お元気ですか?
体は辛いけど、大丈夫
心は少し廃れたけど、今でも綴ることは、気が向いたときに続けてるよ
あの頃、自然を素直に感じてたあの頃に戻りたい
もう戻れないけど、自由に書き綴れてた感覚を取り戻したい
そう願って、今もあの頃のサイトを求めて彷徨い続けてる
ーどこ?ー
昔は書くことが大好きだった
長い文章は書けないから、詩で思い付いたことをそのまま書き綴っていた
あの頃の文章力が欲しい
今となっては発想力も乏しくなって、四季の移ろいも、時の流れも感じなくなってった
あの頃、何を感じ、何を考え、何を思っていたのか……
まだ希望を内に秘めていた頃の輝きが、痛く眩しいんだ
あの頃に戻りたい
辛い思いをするのは嫌だから、肉体はこのままで、心の内だけキラキラ輝いていたあの頃に戻りたい
そう考えると、辛く踠いてたあの頃
辛かったけど、とても大好きな思いを秘めていたんだなと、つくづく思う
あの頃に戻りたい
もし、またあの頃に戻れたなら、大好きな詩を心置きなく綴りたい
あの頃の自分は、大嫌いだったけど
今となっては、踠き苦しみながらも、未来に夢踊らせてた自分に、恋してたんだな
大好きだよ、あの頃の自分へ
ー大好きー