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12/25/2023, 12:48:26 PM

毎年のことだが、クリスマスになるとここ『喰魔カフェ』にはカップルのお客さんが大勢来る。
理由はここのクリスマス限定のオリジナルケーキを食べるためだ。
ふわふわのドーム状のスポンジに優しい口溶けの生クリーム、そしてハートの形に切ったイチゴや沢山のフルーツを中と外に飾り付けをしクリームで可愛く絞っり、てっぺんには砂糖で作られた小さなお星さまを乗せて完成。
一昨年辺りに出したのが今ではこんなにも有名になるとは思わなかった。
今では探偵の助手であるリリカやギルモン(今は俺と同じヒューマンプログラムで人間と同じ姿になってる)が手伝ってくれており、去年よりは楽になった。

そして閉店時間。
「お疲れ様でした」
「おう、おつかれ」
「つかれたぁ〜…」
へとへとになりながらカウンターにへたり込むギルモンと、同じく疲れてへとへとなリリカがいる。
「これ、今日の駄賃な。来てくれて助かったぜ、ありがとよ」
「いえ!お役に立てて良かったです!」

グゥ~……

大きなお腹の虫の音が聞こえた。
音の方を見るとギルモンがお腹に手を添えて「お腹すいた」と小さな声で呟いた。

「今日は、いっぱい動いたもんね」
「うぅ‥お腹と背中がくっつきそう‥」
「それじゃあそろそろ店を閉めて帰るか」
それを聞き二人は元気な返事をした。

店を閉めて、探偵事務所でもありリリカとギルモン達の家へと歩く3人。
少し歩いた時、空からふわりと何かが降ってきた。
「あ、雪だ」
シンシンとゆりだした雪はとても優しく3人に降り注いだ。
「ホワイト・クリスマスだな」
そしてまた3人は歩みを進めた。

家にたどり着くと安藤さんが台所から顔を出した。
「お前らおかえり。丁度チキンが焼き上がったぜ」
「はい!ただいま帰りました!」
「ただいま〜!」
「ほら作ってきたぜ喰魔カフェオリジナルケーキ特大版」
「わざわざありがとよ。ほら飯食べる前に手洗ってこい」
「「はーい!」」
洗面所に行くリリカとギルモン。
「…なんか、去年まではこんなに賑やかになるなんて思いもしなかったな…」
「なんだよ、湿っぽいな安藤。どうせこのあと博士やアズマ達が来るんだろ。リビングにケーキ置いとくぜ」
「おう、頼んだ。その後手洗えよ」
「わかってるよ」

雪が降りしきるホワイト・クリスマス。
皆が来て、楽しいクリスマスパーティが始まって、プレゼント交換をして。
今年のクリスマスは騒がしくてたのしいな。


仲間と過ごすクリスマスはいいもんだ。

12/24/2023, 10:07:32 AM

「リリスモン、君にコレを」
そう行って彼、ワイズモンが渡してきたのリボンがラッピングされた小さなプレゼント箱だった。
「え、コレ‥」
「今日は、クリスマスイブだろう、少し早いがプレゼントにと思ってね」
「ワイズモン…あなた‥」

彼等はリリスモンがウィッチモン、ワイズモンがウィザーモンのときからの幼馴染であり、故郷である『ウィッチェルニー』にある魔法学園で一位二位を争うライバルどうしだった。
‥まぁリリスモン(当時はウィッチモンだったが)が勝手に思っていただけだったようだが。

「…開けてもいいかしら」
「ああ、‥こういうのは初めてでわからず、リリカたちに助けてもらったんだ」
「これ‥!」

箱の中には愛らしい小さな花が散りばめられた髪飾りが入っていた
「君に似合うんじゃないかとおもって‥‥、リリスモン?」
リリスモンはプレゼントの中をみてずっと固まっていた。
「‥‥やはり私からのは気に入らなかったかい。まいったな、慣れないことはやはりするものじゃないな。すまない気に入らなければ捨てるなり何なり‥」
「な!そんな事するわけ無いじゃない!!!」
「!?」
おおきなこえで否定した。
「貴方がこういう贈り物することに驚いただけで、別に気に入らなかったわけじゃないわよ!嬉しいに決まってるじゃない!!」
「そ、そうか」
「そうよ!!もう、言わせないでよ!!」
顔を真赤にしながら言うリリスモン。怒って赤いのか、恥ずかしいことを行ったような気がして赤いのかわからなくなってしまった。
「‥ねぇ、着けてみてもいい?」
「あ、ああ、もちろん」
そう言うとのリリスモンはその花の髪飾りを頭につけた。
「ど、どうかしら」
「うん、よく似合ってる」
「ふ、ふん!当たり前でしょう!私は色欲の魔王、似合わないものなんて無いんだから!」
「ん?ではなぜ私に聞いたんだい?」
「〜〜っ!もう!ちょっとは自分で考えなさいよ!」
「??」
「‥ねぇワイズモン」
「なんだい?」
「プレゼント、ありがとう」
「‥‥ああ」
「ねぇ、このあとヒマかしら?プレゼントのお礼がしたいの」
「そんなの別に」
するとリリスモンはワイズモンの腕を無理やり取った。
「うるさい!この私がしたいっていってるのよ!ありがたく思い付き合いなさい!」
ワイズモンの腕に逃さないというふうにしがみつき睨みつけるリリスモン。
それに負けたというふうに「仕方ないな」と言うワイズモン。
「それで、君はどこに行きたいんだい?」
「取り敢えずリアルワールドいきましょう。クリスマスのイルミネーション見てみたいわ」

そして二人はリアルワールドに向かった。
美しいクリスマスのイルミネーションを見に。

Merry Christmas


12/22/2023, 12:41:52 PM

凍えるほど空気がつめたくなった冬の冬至。
『リリカ、ばぁちゃんからいっぱい柚子送られてきたから少しやるよ!』
『リリカちゃん、親戚から柚子貰ったからおすそ分け!』
『『…え?』』

そんな事もあって、私の両手には沢山の柚子が入った袋がある。
あの後アズマとミコトちゃんは少し口喧嘩をしながら帰っていった。あの二人はよく喧嘩してるけど、幼馴染で中が良さそうだ(そんなこと言ったら否定されるのだが…)。

「ただいま帰りました〜」
そして探偵事務所兼自宅である家にたどり着き玄関を開けた。床暖房のため、家の中は温かい。
家の家主である安藤さんがいるであろう事務所部屋に向かった。
「安藤さん、さっきアズマとミコトちゃんから柚子を沢山もらって‥」
「あ」
「え?」
安藤さんの机の上を見ると袋いっぱいの柚子があった。

「どうしたんです、それ?」
「ああ、今日の依頼人からの報酬で貰ったんだ」
台所に移動した私達は机の上にたくさん転がる柚子を見ていた。ギルモンは転がる柚子を見ながら
「柚子いっぱいだね〜」
と楽しそうにいった。
「そうだね」
「しかしどうしたものか‥こんなにあると俺達だけで消費出来るか…」
そう二人で悩んでいると玄関のドアが開いた音が聞こえた。
「うぅぅ〜…寒い寒い、雪降ってきたぞまったく‥。おーいお前ら、今日常連のやつから柚子もらっ‥て‥」
「また増えたな」
「柚子いっぱーい!」

そしてまた(ゼブル加入)3人でどうするな悩んでいたらまた扉が開く音が聞こえ足早にこちらに来る音が聞こえた。
「やっほー、ただいま〜!!さっき隣の家の人から柚子貰ったからみんなで食べよー!!」
「「あ」」
「ん?ありゃ??」
「ハァー…」


取り敢えず皮を向いて食べるやつ、加工してジャムやお菓子に使うやつに分けた。

まぁほとんどギルモンとベルゼブモンが食べてしまったけど。

その後余った皮はお風呂に入れて柚子風呂にした。

今日は家中ゆずの香りに満たされた日だった。


12/21/2023, 2:01:26 PM

何処までも澄んでいる晴れ渡ったデジタルワールドの大空に、黒く大きな翼を広げ飛ぶ一体のデジモンがいた。
名前はベルゼブモン。安藤探偵事務所の仲間の一人である。
普段は愛車(?)のベヒーモスに乗り大地をツーリングしているのだが、今日はとある理由でブラスト•モードになっていた。
その理由は探偵の助手が「空を飛ぶのってどんな気分なの?」と聞いてきたからだ。
だからいまその助手を抱えて飛んでいた。
ちなみにその助手は目を輝かせながら必死に自分にしがみついていた。
楽しいのと怖いのが合わさっているのだろう「すごい!」「たのしい!」「風が気持ちいい!」「でも怖い!!」と叫んでいる。
正直耳元で叫んでいるため耳が痛くなったから下ろそうと思う。
流石にそれを言うのはアレなので「疲れたから降りるぞ」というと少し残念そうな顔をした。
また飛んでやるというと嬉しそうな顔をした。
ころころと表情が変わるものだと思った。

たまには思いっきり大空を飛ぶのも悪くないな。

12/20/2023, 2:22:55 PM

朝、カーテンの隙間から差し込む陽の光とともにけたたましい目覚まし時計のベルの音が響き渡る。
「ん‥‥うぅん」
寝ていた男は鳴り響く目覚まし時計を止め、ベットから起き上がった。
大きなあくびをしながら頭を掻きむしり時計を見た。
朝の6時半、男はベットから降りるとのそりのそりと洗面所まで行き、顔を洗い歯も磨き、寝間着から着替え自身の仕事場である喫茶店のエプロンを着用した。
一階に降り、自身の店である『喰魔カフェ』の食事の下準備と自分の朝ご飯を作り始める。
あと少ししたら探偵事務所の面々やお客様がやってくる。

デジモンであり、七大魔王である自分がこんなことをやっているなど、昔の自分からしたら思いもよらなかったのだろう。それでも今の自分は七大魔王『ベルゼブモン』であり、このカフェのマスター、そして探偵事務所の仲間である『喰魔 ゼブル』なのだ。
俺はこの生活が案外気に入ってるみたいだ。
首にかけていた恋人であった『ベルスターモン』の写真を入れたロケットを見ながらそう思った。

時刻は8時、もうすぐ探偵達がやってくる。
すると

チリン チリン

お店のドアにつけていた鈴の音が聞こえ、そちらに目をやるとまだ眠そうな探偵と元気な声で「おはよう!」と言ってくる赤い恐竜デジモン、そして探偵の助手。
「ああ、おはよう。何時ものでいいよな」

今日もまた、何時もの平和な時間がやってくる。
なんでもない、幸せな時間が。

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