春の風とともに出窓から日の出が差し込む。その光は僕らを纏うように膝下から、お腹、ゆっくり胸へと上がってくる。
今日もやってきた一日。
太陽に眩しいと優しく声かけをし
一杯のコーヒーを入れる
コーヒー豆の研ぎ方でも今日の雰囲気が変わるそうだから、近々、ミルでも探しに出かけようと思った。
うちのテレビは最近ずっと熱帯魚やグッピーが写っている。
曲は好きなものを聞いていると
心穏やかで、喧騒とは無縁になる。
休みの日は、日が真上に登る頃までにシャワーをすまして、熱帯魚を見る。
梅雨に入ると、街は色鮮やかな傘が彩る
室内から聞く雨音は好きな方だ
薄暗い朝は、早くから間接照明にお世話になる。雲の上はいつも晴れてんのにな、なんてうわ言を言いながら、二杯目のコーヒーをカップに注ぐ。
もう、約半年を終える今年の前半期は何かと心ザワつく日々だったが、後半を迎えるにあたり、熱帯魚たちに癒され、
久々に、オシャレな気分になった。
人の幸せの、物差しは他人と比べる必要は無い。
コーヒーを熱いうちに飲み干し
片手に本を掴む。
使命の大きい人ほど苦難も大きいという。
どん底を味わえば、そこに広がっている宝石をたった一つでも手に取って
立ち上がってみる。
僕は、そうやって生きてきた。
日の出はそっと、影たちと遊び
カーテン越しに寄り添ってくる。
穏やかに、日差しを浴びながら
これから、暫く魚たちにお世話になろうと考えていたら
影たちが頷いた。
ありがとう、
ご近所の、洗濯物が踊っているように見え
掴んだ本に目をおとし
創造と語り合った。日の出は西日に変わり隠れるように眠った。
人は、暇と思い創造を避け、堕落していく道もあるが、少しの優しさ愛で生き方は本当に変わる。自分が幸せになることや、豊かになることを心の底で許してあげる。
現実を自分がつくりだしているのなら
他人ではなく、自分が変わらないと何も動かない。
肩の荷が、おりた瞬間だった
風と雲とが空で舞う
優雅に見られる時間に身を委ねながら
追われる鳥たちを目で追い重ねる
澄み切ったキャンパスに
同じ色をした鳥が家へと飛び立つ
風に乗っていく背中が空よりも青かった。
僕は感じる風の冷たさに
季節を忘れた・・・
あの鳥も、巣作りは北上しているはずだ。
動物の素直さが、この世界の厳しさを実感させる。
無情さに、心揺られながらも
決めた獣道を一歩一歩確信し歩んでいく
風がまた背中を駆け抜ける
5月になったというのに
風が冷たく、雲の涼しさを
気付かない獣は、人間さを忘れ
木の葉のようにしぼんでいく
闇は、鳥たちと背中合わせ
青い鳥を見つけた日。
ぐっと、空が遠くに感じた
冬の空は遠い、、
5月だというのに。
君の視線から僕が消える
僕はその寂しさから、また
グラスにウイスキーを注ぐ
波際は、細かな茶色の砂で覆われ
細かくなった地球に横たわりながら
その温度を体感する。
君と僕は、全く感じるところが違う。
僕が笑えば、君は沈黙し、
僕が黙ると、君の笑い声がする。
僕の静かな情熱は君には伝わらない
そっとグラスを置き
身体を寄せ合うと、静かに
吐息で抱きしめてくれる、
それは、一瞬にして幼女に戻り
微笑みがこぼれる瞬間。
実は、君に伝えていないことがある
これからも忙しいこと
夢があること
愉快なこと、
そして、まるで逆さの鏡のように
ここでは移り
それでも、絶えず心の安定を静かに受け止めていること
君に伝えなくちゃ、急いで文字を綴る僕は今夜もほろ酔いで、窓から外の夜景を眺めている
はじめまして。?
はじめまして。
お手を繋いでもいいですか?
なんだか懐かしくて。。
老後施設の一角で、僕はそう声を掛けられた、僕は初めてじゃないので
やっと、手を握ってくれるのかと感じた。
何十年待っただろう
僕は少し、ソファーに腰掛けながら中庭を眺める。握られた手は温かく
僕は、あの繋げなかった手なんだと心が震えた。もう、僕のことは忘れているはずなのに。時間だけが遡る。
幸せな日々、なのに
距離はどんどん開いていく
どちらも悪くない。
そうせざるしかなかった、ーーー・
眠りから醒めた僕は、顔を整えて
バスルームから部屋へと移動する。
はじめまして。
今日も、僕を忘れた君に話しかける。
手を繋いでもいいですか?
いいですよ。
そんな、まいにちが僕を待っている
路に咲く緑が綺麗で足が止まった。
時が刺すように、心によぎる。
ここはどこだろうと考えてる間に
おはよう、手を繋いでもいいかとまた聞かれ、返事もしないうちに、握られる。
ー しあわせだ ー
雨で涙を隠し、雨音のする窓から見える
夜景に、ため息が出る
ー 生きている ー
逆境にいると不思議とこの感覚が出るのは
人間も獣なのだろうか
感謝と悔しさが同等に胸に湧き上がる毎日
曇り空に慣れてきた僕は、たまに見る日差しを戸惑うようになった。
指輪をはめ変えてから、ぽってりしていた人差し指が好きになった。
服をズボンに変える度に、僕への執着が強くなっていくき、ボサノヴァに身を任せながらアイスコーヒーを飲み干す。
川沿いに、人は身を寄せ合い
大海原へ夢を人は託す
川沿いには、きれいな豆電球の都市ができ街は賑わう。
人は、涙を流すとき浄化されるというが、僕は最近、めったに涙することはない。
そんな青い鳥は、夜は漆黒の鳥と間違えられるのだろう。
僕の翼が、いつかみんなの笑いのエキスになればと願いを込めて。
ネックレスを、どうやってプレゼントしてもらうか、思考中
今日も、外は闇夜に曇っている・・・