“終点”まで乗ってしまったことがあった。
寝落ちてしまったわけではない。彼が、私以外の誰かと夕食に出向いたら…と思い始めたら、考えが止まらなくなり、彼のことで[頭がいっぱい]で、降りるのを忘れていた。
ふと、14歳も下の私と、恋をしてくれるのだろうかという不安が溢れる。“終点”まで「乗り過ごさなければ」こんな不安は浮かばなかったのに。そういえば、彼はバイクに乗ると言っていた。もしも2人でドライブデートをしていたら、幸せがいっぱいで、すぐに時間が過ぎてしまうのだろう。そんな彼に私は「駅まで送っていくよ。」と言われて、彼の愛しい背中に近づき、乗る電車の中では今日のだいすきな彼のことで[頭がいっぱい]になってしまうんだろうな…♡
そしたらきっと…、あぁ、私はまた過ちを繰り返し、“終点”まで乗ってしまうのだろう。
“上手くいかなくたっていい”なんて、一度も思ったことない。首尾一貫して上手くいかせなきゃいけない。失敗なんて、できない。しちゃいけない。
テスト期間の度そう思う。あと一点、あと一問あっていれば…クラス一位になれる、血涙を垂らしてでも一番になりたい。
ここまで読むと全てにおいて完璧主義な学生に見えるだろう。実のところ、私はただ国語教師に恋をしているだけの、「国語にだけ」熱心すぎる学生なのだ。なんと今回のテスト、クラス2位だった。しかも、間違えた問題はどれも惜しいものばかり。2番目。嬉しいけれども、1番にはなれなかった悔しさは一ヶ月経ったいまでも残っている。そして、私を越した1番の生徒を、すごく尊敬している。きっと私のように一問でも間違えたらいけない…と思い学門に励んでいるのだろう。そんな生徒には、こんな言葉をプレゼントしたい。
「一度くらい“上手くいかなくたって”いいんだよ…♪」
「躍るる“蝶よ花よ”今こそ妾に謳っておくれ」
埋もれていた厨二心をくすぐる、物凄く良い題。どんなに賢い人でも、夢を見ない人でも、一度くらい厨二らしい妄想をしたことはあるだろう。大嫌いなアイツを殺してみたり、大好きな彼と結婚してみたり、ヤクザを仲間にしてみたり。こうなりたいな…と願望を思うだけにしては、なかなか楽しい時間が過ごせる。
私は、正義のヒーローになったりするのも好きだけれど、綺麗なお姉さんと仲良くなることを想像する。ぜひみなさんも今、綺麗なお姉さんと脳内で会話してほしい。私の中の1人目のお姉さんはロングヘアで、さらさらで、仕事に疲れ切ってて、それを私がとことん癒す。2人目のお姉さんはほぼ異種の狐のお姉様で、尻尾がふわふわで、けれど声はふわふわではなくキリッとしてて、一人称が妾で…、、いや、こんなに語りすぎては、いけないね。
ここで何より言いたいのは、もちろん妄想するのはヒーローでも殺人犯でも構わないけれど、ここで一度、年上のお姉さんとお話しすることを考えてほしい。これはもう、とてつもなく癒される。そのまま、寝落ちれる。ここでいつものように感慨深いことを言う気にはなれない。なぜって、あんなに魅力的なお姉さんには、何にも敵わないのだから。
“最初から決まってた”
と、彼も言っていた。全ては”最初から決まっていた”運命なのだと。「だから俺も、君らも、なにか間違えたとしても、それにずっと悲しんで居なくて良いんだ」その言葉に何度救われたことか。そんな彼は年齢の割に落ち着いていて、大人の風格を纏っていて、どんな人よりも言葉が美しい。
これは、私が未熟であるが故に、彼にときめいてしまうのだろう。きっと外の世界にはもっと、素敵な大人たちがいる。それもわかってる。この気持ちは憧れだと。けれど、これは恋心だと最近確信した。知りたくなかった。憧れだと、思い続けたかった。
なぜって、憧れであれば教師と生徒としての信頼関係を築けるけれど、恋心に代わってしまえば、緊張と大きすぎる愛情で距離を置きたくなる。けれど、こんなに切ない想いをすることも”最初から決まっていた”ことなのだろう。もちろんこれから先のことも、きっともう決まっている。けれど、それでもわたしは、彼ともっと近づける未来を、願わずにはいられない。
“つまらないことでも”彼とすれば、全てが楽しいこと
昨日と同じように、皆さんにまた、彼のことを話したいと思ってしまう。今までの恋は、会わなければ会わないほど愛が薄れていったけれど、彼と会わないと、もっと会いたい、だいすきなのに、という想いが増えるばかり。「これはもしや、彼なりの「「魔法」」がかかっているのだろうか…。」
私のここに綴る者たちは実体験(ひとつだけ御伽噺)なのだけれど、ついこの間多くの人がお話を作っているのだと知って、感銘を受けた。皆さんは、想像力豊かな頭で言葉を編んでいるのだろう。一方でわたしは、彼や君における愛情表現しかしていない。端的に言えば、つまらない。こんな”つまらないことでも”、彼のことを想えば幸せな気持ちになってしまうのは、「これはもしや、わたしなりの「「恋」」なのだろうか…。」