終わりにしたい。全部。
君との中途半端な関係も、彼との進展することのない関係も。そして何より、この先に続く人生を。
最近、無駄な時間を過ごしているなと、よく思う。そう感じるたびに、母に申し訳ないと思う。こんなに愛してもらっているのに、産んでもらったというのに、消えさせてくれと願う私がここにいることに。
全部、投げ出したい。私は、ただ、母と、君と彼がいて、少しだけ時間を共にする。それだけで、最高の幸せなのに。なのに、無駄なものが私を邪魔する。それらが「お前はここにいていい存在じゃない。自傷が付いたお前なんて」と圧迫してくる。それらはひとつに限る物ではないし、情報を発信する物でも、自ら機能する物でもない。けれど、たしかに私を貶める。どうしたらもっと、生きたいと思えるのだろう。いくら涙を流しても登り続ける朝日に、どう嘆いたら良いのだろう。
そうか、私は嘆いていたのか。ならば…私はずっと、この先の人生を歩みたいと、輝く明日を迎えたいと、どこか心の底で願っていたのかもしれない。まずは…そうだな、涙を流すことから、“終わりにしよう”。そして、笑顔を増やすことを“始める”としよう。
「もう一度だけ、私と“手を取り合って”くれないか」
ぽろっと出た、独り言だった。前までのように、肩を寄せ合って同じ傘に入って、時には土砂降りの中で手を繋いで、朝日が私たちを照らす中で、歩幅を合わせて歩いてくれた君を、もう一度、隣で感じさせてはくれないだろうか。たしかに私だけの親友だったし、君の親友も私だけだった。ところで…。
ねえ、君はいつから、私以外の隣で笑うようになったの?その可愛い可愛い笑顔をいとも簡単に、私以外にも見せてしまうようになったの?いつからか君は、会話も、相槌をも上手くなってしまったのね。それは全部、私との対話で培った力じゃなかったの?私以外と会話している君は、随分と楽しそうね。そのほかほかした笑顔、全部私だけのものだったらよかったのに。
友人だと言い訳して好きだと嘆いていたけれど、もう、後戻りできないほどに君を愛している。もう少し、君の言い訳も聞いた方が良かったのかも知れないね。「こんなこと、やめよう?好きで話してたわけじゃないし、私にとってはずっと貴方だけだよ、」
嘆く君はそう言ったけれど…、ここまで私を寂しくさせた君が悪いのよ。友情か愛情かなんて、ここではどうだっていいこと。ここには2人だけ、永遠を誓える。なのになんでそんなに悲しそうな顔をするの?。あんなに愛しい君も、なんだか冷たくなってきちゃった。もうほかほかには戻れないけど、これからずっと私だけの君に戻るのが、私は嬉しくてしょうがないんだ。夜明けの風を浴びながら、ひんやりとした君の手を取ってみる。
“優越感、劣等感”
「この単元、できるようになってきましたか?」
「ぁ、ぇっと、私はまだまだ、です。」
(できない子って、思われる…、嫌われたくない、
認められたいのに…けど謙遜したいし、けどまだ、)
「そうですか 自分が未熟だと思えると言うことは、
成長する余地があると言う事ですからね
良いことだと思いますよ」
彼はさっと、私の劣等感を奪うように言ってみせた。それがどんなに私の心を救ったか、言葉にするまでもないだろう。昔からずっと根付いていた劣等感と、落ちこぼれだという気持ちが、剥がれ落ちていった。そして、進捗を聞かれたのは私だけだという優越感に飲み込まれる。
幾度か私の文章に目を通して下さっている方からすると、何度聞いたか分からないほどの惚気だけれど、彼の言葉は本当に、端から端まで、美しい。そして綺麗なのだ。彼から発せられる言葉達が全て輝いている。きっと私はこれからも、彼のふとした言葉達に励まされて、それらを愛して生きてゆくのだろう。もしもそれらが無駄な愛情だったとしても、生涯愛した彼のことを残さなければ、私は死んでも死にきれないだろう。
“これまでずっと”
これまでずっと、死ぬ気で勉強していた。というか、勉強しかしてこなかった。しかしそれに生き甲斐を感じていた。みんなが褒めてくれた。私の成績が、功績が偉いよと、賢いよと。
ただ最近、どんなに点数が良くても「もっとできたはずなのに」と心に悔いが残るようになってきた。もちろん、私よりも点数が低い人なんて山ほどいる。けれど、その人達は自分の点数に満足していて、とても幸せそうだった。
その人達は最初から点数なんてどうでも良かったのかもしれない。それは、そのほかの観点において、自分の取り柄があるからだ。例えば、ギャルには可愛さと会話の能力があるし、場を盛り上げる力もある。不良には枠からはみ出せる勇気もあれば、仲間もいる。
けれど…、私はどうだろう?ここには何も誇れる事が無いじゃないか。これは、私が今まで褒められていたことに自惚れていたのだと、気が付いた。他の人達の方がよっぽど価値のある、素晴らしい人間じゃないかと。いつから私は、こんなに落ちぶれた人間になってしまったのだろう。いや…元々、最初から、この人生に何の期待も、希望も見つけられなかったのだろう。そうしてやっと見つけたのが勉強。けれど、この勉強にももう、希望も期待も抱けなくなってしまった。なぜって、他の人の方が幸せそうだったからだ。どうやって、幸せを、希望を拾い上げればいいのだろう、私に残された道はもう、。
そうだな…これでやっと導けた。
私はきっとこれまでずっと、死にたかったのだろう。
“1件のLINE”
っあ! ♡ 彼からの…!!
授業課題きた!♡
彼は課題採点に追われてて忙しいはずなのに、担当クラスの成績情報出してくれるところ、すき…、けど、いつもよりも文章が砕けてるし、、やっぱり疲れてるのかな、、先生仕事早くて流石だなー、絶対他の先生とかまだ採点終わってないだろうし、、しかも生徒の気になる点もまとめられてる、仕事できるってかっこいいな、、すき、
ふわふわした気分でいて、気が付いた。私には明日もテストがあるのだった。なんとも憂鬱な気分になる。
けどけど、けど、!明日テスト頑張って、先生のクラス覗いたらまだ居るかもしれないし…!♡今日の先生の言葉たちも授業課題で補給できたし、もうがんばるしかないな〜♡はやくあいたい!!♡
憂鬱なテスト期間だったはずなのに、彼を思い出した瞬間るんるんの気分になれる、彼は魔法そのものだ。もしも彼から連絡が来るなんて事があったら、それはもう幸せでいっぱいで、口角を下げる事が至難の業になってしまう、。いや、今、業務連絡が来たと言うだけでもにこにこしてしまっているのに、連絡なんて来たらもう…口裂け女か何かに化けてしまうだろう。