彼とわたしと

Open App

“優越感、劣等感”

「この単元、できるようになってきましたか?」
    「ぁ、ぇっと、私はまだまだ、です。」

(できない子って、思われる…、嫌われたくない、
認められたいのに…けど謙遜したいし、けどまだ、)

「そうですか 自分が未熟だと思えると言うことは、
成長する余地があると言う事ですからね
           良いことだと思いますよ」

彼はさっと、私の劣等感を奪うように言ってみせた。それがどんなに私の心を救ったか、言葉にするまでもないだろう。昔からずっと根付いていた劣等感と、落ちこぼれだという気持ちが、剥がれ落ちていった。そして、進捗を聞かれたのは私だけだという優越感に飲み込まれる。

幾度か私の文章に目を通して下さっている方からすると、何度聞いたか分からないほどの惚気だけれど、彼の言葉は本当に、端から端まで、美しい。そして綺麗なのだ。彼から発せられる言葉達が全て輝いている。きっと私はこれからも、彼のふとした言葉達に励まされて、それらを愛して生きてゆくのだろう。もしもそれらが無駄な愛情だったとしても、生涯愛した彼のことを残さなければ、私は死んでも死にきれないだろう。

7/13/2024, 11:22:32 AM