彼とわたしと

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6/30/2024, 11:30:21 AM

今日は、日記のような思い出作りではなく、全く新しい物語を綴ろうと思う。拙い部分があると思うけれども、しがない女子高生のお話しだと思って、最後まで一緒に物語を終えていただけると嬉しいです。

“赤い糸”
可愛いとは、なんだろう?大切とは、幸せとは、愛おしいとは、一体なんなのだろう?その言葉の意味ではなく、人はどういうときにそう思えるのだろう?

愛玩動物を見ている時もまた可愛いと思うが、愛おしいとまでは思わない。家族と時間を共にしている時もまた、これが幸せで大切な時間なのだろうと実感するが、この時が愛おしいとは、まだ思えない。私はどこか欠けていて、全てにおいて未熟なのだろう。そして私は一体、なんなのだろう?アイデンティティが声高に叫ばれるこの社会の中、どうやって自分を確立していけば良いのだろう。鬱状態に陥った今、なにも心躍ることが思いつかない。気付けば薬の袋が散らばっている。誰か私の未来を照らしてはくれないものか。わたしの赤い糸を導き、未来を与えてくれないものか。

気付けば日は暮れて、夕日と数日前に用意した縄が私を招く。治らない自傷行為の跡から滲む血、これはいつ治るのだろう。けれど、このおかげで何日間か生き延びられたのだから、これこそ私の良い未来だったのかもしれない。

その未来というのは、血に塗れた腕で力一杯に縄を結び、それを首にかけること。力を込めたせいで傷口が割れてしまい、綺麗だったはずの縄にまで血が着いてしまった。私の赤い糸の相手は、天使だったのかもしれない。汚い人間達よりもよっぽど眩しい、純白の天使。薬を過剰摂取できたおかげで、暖かい縄の中でふっと力が抜ける。この人生の中で1番の過ちを挙げるとすれば、天使が恵んでくれた赤い糸を、紅い糸に汚してしまったことだろう。

6/29/2024, 11:53:56 AM

“入道雲”

この文字を物語に入れるということは、きっとその後に嫌なことが起こるんだろうな。少なくとも、「筆者の中ではの話」だけれど。

わたしの中で入道雲が現れる時は、きっとその後に彼や君に嫌われるとか、非常識だと思われるとか、そういうことが待っているのだろう。けれど、わたしのその不幸を、彼や君の好きな人が見たとしたら。あぁ、やっとあの邪魔者が消える。と思えるのかもしれない。別にそれはいいけれど、私がここで言いたいのは、人の不幸は、人の入道雲は、たまに人を幸せにできるのかもしれないということ。そうやって世界は今日も回ってくれているのかもしれない。理由はどうであれ、そのおかげで今日も誰かの幸せが築かれているのだとしたら、わたしの不幸くらい、別に何度あってもいいか!と思えてくる。きっとこの先わたしに訪れる入道雲も、誰かが幸せだと思うのかもしれない。もしくは、わたしの中で悲観してしまっているだけで、他の人からしたらなんともない出来事なのかもしれない。そう思ったら、この暗闇に埋もれた鬱状態も、いつかの躁状態を励ましてくれるのだろう。

所詮、わたしの物語は、「私の中での話でしか」ないのだ。幸せだと思うのも、不幸だと思うのも、判断するのはわたしなのだ。その物語を全て終えた時、ただ晴れた1日を終えたような、そんな暖かい気分でいたい。

6/28/2024, 12:17:12 PM

“夏”

「もうすぐ夏なのかな?既にめっちゃ暑いっすよね
これから梅雨だと思うと、うーん、気分が沈むなぁ」

湿気が元気な最近の気候が、くるくる髪の彼にはどうやらキツイらしい。続けてこう言う

「その点、君らはいいよね こんな涼しい教室で勉強できる環境が整えられててね〜、職員室なんてね…」

最近わかったが、彼はよく独り言を言う。どこかの何かで見たが、文章を作るのが上手い人は沢山の独り言を口に出すことで、自分の気持ち、考えを整理するらしい。きっと、彼の頭の中の引き出しは綺麗に整えられていて、背表紙の高さも、並ぶ題名の五十音順も、それぞれの系統さえも綺麗に整頓されているのだろう。そのくらい、彼は素敵な言葉を巧みに操る。そんな彼の素敵な言葉達を、あとどのくらい聴けるのだろう。けれど、ハッとした。まだ、夏にも移り変わっていないじゃないか。春夏秋冬ある内の、今はまだ春の終わり。まだ3つの季節を共に過ごせるじゃないか。珍しくポジティブになれたわたしを褒めてあげてほしい。そして、髪がちりちりなるほど撫でてほしい。それも、彼の手で。いや…待てよ…ちりちりは嫌か…と思ったけれど、彼と同じくるくる髪なら何の問題もない。ほぼ初めてと言っていいほどの、お揃いが生まれるのだから。そんなにわたしをわくわくさせてくれる夏は生まれて初めてだ。わたしに、どんな夏が待ち受けているのだろう。まだまだ先の夢を思い描いて、誰にも伝えられない期待を馳せてみる

6/27/2024, 11:23:46 AM

“ここではないどこか”

ここではないどこかで出会ったとしても、きっと好きになっていたのだ。この出会い方でなくても、きっとどこかで出会ってた。この人生で、この生命でなくても、きっと世界のどこかできっと彼を好きでいた。だって、はじめからそういう運命だったのだから。ずっと前から、決められてた運命なのだから。

きっと地獄で彼に会うと、彼ははたまた輝いてわたしの道を照らすのだろう。地獄ではどんな生活が待ってるかは分からないが、彼のことが愛しいのだと、どんなに辛い環境下であっても確信しているのだ。そしてそれが、わたしの生きる糧と化すのだ。

きっと天国で彼に会うと、彼はあたりの光とは違う、彼にしか持ち合わせない輝きでわたしを照らしてくれるのだろう。天国ではどう足掻いても幸せなのに、彼がいることでもっと幸せになってしまうのだろう。そしてそんな彼を、わたしは痛いほど愛すのだろう。

彼には、彼にしかない褒めどころが山ほどある。そんな彼の素晴らしさがわかる人間がこの世のどこかにいるとすれば、それこそわたしの幸せなのかもしれない。そしてそれがわたしの本来の運命だとすれば、彼の幸せを、この世ではないどこかで見守るとしよう。

6/26/2024, 11:42:17 AM

“君と最後に会った日”

それは今日、だけれど、、明日からまた4日間も会えなくなる。その間、彼は何をして過ごすのだろう。やっぱり、仕事か。それとも、他の誰かと休日を過ごすのだろうか。悔しさや憎しみよりも、ただ、羨ましい。

それはだって、きっと、私の知らない誰かと、私の知らない彼の幸せを作るのだろう。そして私がまだ知らない、愛おしい面持ちで眠るのだろう。ここでふと思ったけれど、私は彼の何も知らないのだった。年齢と職業くらい、この関係である以上深いことは知らない方が良いのだろうし、私の「彼との夢」を維持するためにも、知らない方が良いことだって多いのだろう。現実に起きることの無い、夢に満ちた幸せだって、その幸せを抱けてる間は抱いておきたいのだ。今は彼に夢を、見させてほしいのだ。知らない方が良い現実と、しかし彼の全てを知りたいというわたしの我儘は尽きることが無いだろう。

4日間も会えなくなる、と前述したが撤回しておこう。先程綴った「我儘」が先走り、きっと私は偶然を装い、彼が来るであろう道を歩く。そして、どきどきしながら朝の挨拶をする。少しでも彼の視界の中の私を更新できるように

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