彼とわたしと

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“ここではないどこか”

ここではないどこかで出会ったとしても、きっと好きになっていたのだ。この出会い方でなくても、きっとどこかで出会ってた。この人生で、この生命でなくても、きっと世界のどこかできっと彼を好きでいた。だって、はじめからそういう運命だったのだから。ずっと前から、決められてた運命なのだから。

きっと地獄で彼に会うと、彼ははたまた輝いてわたしの道を照らすのだろう。地獄ではどんな生活が待ってるかは分からないが、彼のことが愛しいのだと、どんなに辛い環境下であっても確信しているのだ。そしてそれが、わたしの生きる糧と化すのだ。

きっと天国で彼に会うと、彼はあたりの光とは違う、彼にしか持ち合わせない輝きでわたしを照らしてくれるのだろう。天国ではどう足掻いても幸せなのに、彼がいることでもっと幸せになってしまうのだろう。そしてそんな彼を、わたしは痛いほど愛すのだろう。

彼には、彼にしかない褒めどころが山ほどある。そんな彼の素晴らしさがわかる人間がこの世のどこかにいるとすれば、それこそわたしの幸せなのかもしれない。そしてそれがわたしの本来の運命だとすれば、彼の幸せを、この世ではないどこかで見守るとしよう。

6/27/2024, 11:23:46 AM