欧米人の死生観では、soul(魂)は永遠に不滅で、それがbody(肉体)の中に宿っている。
魂と肉体は別々のものと考えられている。
よって、
He has been dead for two years.
「bodyの【寿命が切れた(dead)】状態が、【2年間ずっと継続(has been ~ for two years)】している」
という発想になるとの事。
※引用 THE GOLD ON LINEより
いつか、魂は肉体という枷から解放される。
仕事柄、人の死に関わる事が多いが、人の死は多種多様、千差万別あったとしても、
ハッピーエンドだと思っている。
題: ハッピーエンド
「バカみたい」
素晴らしいタイトル。
私は、過去1好き。
だって、そうでしょ?
どんな言葉の語尾に付けても、
格好が良いと、思うよ。
バカみたい。
初めて訪問したその日、鏡に映る自分に向かって、
「ちーちゃん?そこで何してるの?遊ぼ?」
彼女は話しかけていた。
幼児退行も見られ、自分の名前も言う事が出来ず、介助者の指示も入らない重度の認知症だった。
じっと座って食事を摂る事が出来ず、常に居室を徘徊し動き回るため、既にかなり痩せていた。
ワンピース姿に、常にぬいぐるみを抱いている。
放尿の症状も始まっており、廊下に座り込み排尿する彼女を、夫は強く掴み怒鳴った。
彼女は酷く怯え、金切り声に近い泣き声を上げ、別室へ逃げて行った。
認知症がここまで進んでいるのに、夫は病院に連れて行こうとはしていなかった。
異様な光景に立ちすくむ。
夫はそこから、自分のこだわりを語り出した。
まるで、妻は自分の「物」かのように、これまで全てにおいて「制限」していたようだった。
彼女の腕や足に、痣が出来ている事は、訪問してすぐに気付いていた。
然るべき手段を取らなければ…
そう頭の中で考えている一方、
きっと彼女は、長年の夫からの支配により、
夢の世界に入る事を選んだのだろうと、想像する。
今の彼女は、彼女にとっては幸せな世界。
夢が醒めない方が幸せな人もいる。
※題「夢が醒める前に」
妻が自宅で待っている。早く帰りたい。
「お若い頃は、何されてたんですか?」
「ずっと会社勤めのサラリーマンだよ。今もそうだ」
「そうですか。お食事はご自身で作られていますか?」
「妻がいるんだから、妻だよ。それはそうと、いつ帰れるんだ?」
「そうですね。身体の事もあるので、ご家族さんと相談してみないと…ですね」
ガラッと、真っ白な部屋のドアが横に開いた。
妻の顔だ。迎えに来てくれて良かった。
妻の名前を呼ぶ。
「何を言ってるのお父さん…お母さんは10年も前に亡くなってるでしょ。お父さんもうすぐ85になるのよ」
目の前の人間は誰だ…
…妻が自宅で待っている。早く帰りたい。
※題「ずっと隣で」
とても、個人的な感情。
作話にもならない。
「想像力」
全てがそれで解決されるように思う。
横柄な人からの仕事依頼。
結局それは依頼主の、それしか知らない「可哀想な人」
理不尽な言葉。
結局それは余裕の無い人の苛立ちの「捌け口」
傷つく言い方。
結局それは、語彙力の無い人の「説明と言葉足らず」
誰もが、もう一歩、踏み込んで想像してみる事が出来たら…
世界はもう少し、平和かもしれない。
※題 「愛と平和」