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8/3/2025, 4:21:23 PM

ぬるい炭酸と無口な君


昨晩の君は異様に艶めかしく、いつの間にか溶けるように一夜を共にした。

朝と昼の間、薄いカーテンから漏れる光で目が覚めた。

黒髪をたゆたわせながら、君は背を向けて眠っている。

僕たちは、付き合ってはいない。

僕は、君を好きなのだろうか?

ひとつ確かなことは、きっと今夜も、君のことを好きになるだろう。

気の抜けた炭酸水をひと口飲んだ。

気泡の抜けた炭酸水は、時間の経過とともに起こりうることを僕に教えていた。

7/13/2025, 4:19:38 PM

隠された真実

私は、君を傷つけた。心無い言葉で、傷つけた。

君の八の字に曲がった眉と涙を溜めた瞳、震える唇が脳裏に焼き付いて離れない。

私が一生背負っていく十字架だ。

君は「あなたはそんな人ではないでしょ」と弱々しく言ってくれたが、違う。私は最初からそんな人間だった。

他者と何気ない会話をする君はきれいだった。ずっと眺めていたいと思うほどに。

初めて話をした日の、君の透き通るような肌や笑った時の頬の紅潮が忘れられない。

私は仲良くなればなるほど、私の真実が君を飲み込み、君が恐怖することが怖かった。

そして、君に嫌われるのが怖かった。

だから私は、君を、傷つけた。

君を、守るために。

いや、自分を、守るために。

4/12/2025, 2:01:42 PM

風景

森と呼ぶに相応しい、杉林の赤土を踏む。

木々の合間、ひだまりの中で苔生す香りが漂う。

鳥や雪解け水が、季節の移り変わりを教えてくれる。


木々の背丈が低くなり、標高の高いなだらかな尾根を歩く。

まだ早い朝の空は、薄く青く遠い。

山頂までの道が、近いようで遠くに続いていた。


私はいつも、あなたの背中を見ている。

4/8/2025, 2:17:49 PM

遠い約束


ふっと降りてくる「死にたさ」

目の前を掠める「いつかの記憶」

足元にある「無力感」につまづきそうになる。



大きなおにぎりを頬張る。

涙は、止まった。


いつかまた、君と。

3/28/2025, 11:53:59 PM

小さな幸せ


君は隣にいない。

君の連絡先も、知らない。

君は今も、あの仕事を続けているかも知る由もない。


君と一緒にいる筈だった未来はもう無い。

君の未来に、私はいない。


晴れた朝。

駅に向かう時に、ふと青空を見上げた。

なぜか。君もそうしている気がした。

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