星が溢れる夜、一緒に祈ったの、覚えてるかな?
星がケーキのアラザンみたい、なんて言う人がいるけれど、それじゃ言い切れないくらい、星に満ちていた。
「知ってる?こうやって落ちてきた星に夢を願うの」
手のひらを重ね合わせて先輩はそう言った。
「そんなの、意味あるんですか?」
「それがあるんだな〜」
教室の椅子に腰掛け、机に足を乗せながら話す姿は卒業してしまった先輩に似ている。あの先輩も、こんな1日中、星空しかないこの部屋で勉強していたと思うと、驚く以外の言葉がない。
「先輩、どこに行ったと思う?」
「そりゃ、都心の方の、昼と夜の分け目がある学校でしょう」
「この時期、願いが増えるのにしたがって星も増えるんだよ。だから、都心の方に行っても星空なのは変わらないらしいね。」
この次の日、先輩は教室にいなかった。星を拾い、願いを叶える委員会に入っていたらしく、教室に来るのはめっきりと減ってしまった。
先輩が気付くかわからないけれど、私も星に願いをかけておく。
『先輩が、私を見ていてくれますように』
みんなが星を好きなように、星が好きになれなくてごめんなさい。だからこそ、星じゃなくて私を見てくれたあなたといつでも一緒にいたかった。一滴の独占欲を星に隠して願います。
@星が溢れる夜
夢の中で、あなたと会えるなんて。
何十、何百回と夢見たことが、今、起きるなんて!!!
あなたと会えて、とっても、とっても、嬉しい…!
だけど、私の夢がもうなくなっちゃったね。
大切なものが一つなくなったように寂しくなるけど、あなたに毎日会えると思うと、そんな気持も気にならないね。
私、はやくあなたに会えるように、今日から早くねるようにするね!安みん用のまくらも買って、アろまも焚いて、、、あと、なにかあるかな…?
ずっと、夢をみていたいな…
そうだ!ずっとあなたのことをかんがえたらたくさんあえるかも!!!
でも、ねむくなってきちゃった…たくさんゆめではなそうね…またゆめのなかであおうね…ぜったいだよ!
こんやははなんのことはなそうかな?おはなのはなし?
それともきょうのはなし?あなたのはなし?わたしのはなし?
はやくあいたいなぁ…
盲目な恋だなんていわないでね
@夢をみていたい
私は昔からサンタさんを信じてなんかいなかった。
だって、誰かが作ったおとぎ話なんだって誰かが言ってたから。小さい頃はそれを真に受けてしまった。
もちろん、成長した今でもサンタさんは信じてなんかいない。だけど、私のルームメイトがこんなこと言ってた。
「イブの夜はね、サンタさんの準備期間なんだよ!」
そんなことを言った彼女は夜のうちにどこかへ行ってしまった。
そのまま2年が過ぎてしまった。もちろん、私だって彼女のよく行く場所や職場の近くや様々なところへ行った…!警察に捜索願を出そうとしたが、彼女の戸籍など元からないと言われてしまった。いつまで経っても見つからない。
今日は、彼女がいなくなった日だ。ちょうどクリスマスイブの夜、今日で3年目になるなんて。
「サンタさんの準備期間なんじゃなかったの?」
いつも私のサンタさんになってくれたのは彼女だった。
そんなことを呟いた私の枕元には、彼女がよく抱いて寝ていたぬいぐるみが置かれていた。
『そうだよ。今日まであなたのサンタさんは何度も悩んで悩んで、プレゼントを決めたの。がんばって準備したんだからね!』
『居なくなっちゃったりしてごめんね』
いなくなってしまった彼女は猫に似ていた。
@イブの夜
シェアハウスを始めてから3年が経った。
私の相方はお風呂担当だ。相方がお風呂の掃除をしているときに私はご飯の準備をしてしまおう。今日の晩御飯は卵スープを作ってスパゲッティでも作ろうか。
鼻歌を歌いながら作る晩御飯はなんだかうまく行きそうな気がした。そういえば今日は冬至だな...かぼちゃ煮も作ろうかな。
「お風呂の準備いいよ〜」
「わかった」
相方と食べるご飯の時間には、どこからかゆずの香りがした。
@ゆずの香り
勇者と呼ばれたあの青年は、世界ではなく自分の仲間を選んだ。
彼は迷うこと無くこういった。
「私は、世界なんてどうでもいい。私は、お前を選ぶほうが有意義に感じる。だから、頼む。
私の手を取ってくれ」
たとえ人から光と闇の狭間で闇を選んだ勇者と罵られたとしても、彼は仲間を選んだ自分を誇りに思っている。
勇者なりの正義だからだ。
@光と闇の狭間で