おねえさま!見て下さい!かわいい猫さんが遊びに来ましたよ!
お姉さま…!もしよかったら、一緒にチェスでもしませんか?
お姉様。一緒に旅でもしませんか?
私のお姉様は私を小さい頃から可愛がってくださっていたのです。私はお姉様が大好きでそしてとても尊敬しているのです。
そんなお姉様と共に旅をしたいのです。
行き先は1日中日が登らない国から始まり、1日中日が登っている国、雨が振り続ける国、晴れ続ける国を巡りたいと思います。
お姉様へ
お姉様、お庭のコンサバトリーの中の太陽の下で待っていてください!
鳩さん、これをお姉様に届けてくださるかしら?
鳩さんも一緒に旅へいきませんか?
旅仲間が増えるといいですねえ
@太陽の下で
いつもと変わらない帰り道。ただちょっと暗いだけの帰り道。
だけど、なんだかおはけがでてきそう。
横の脇道から親猫と子猫が出てきた。
うしろには誰もいないはずなのに聞こえる足音。
服を引っ張られるような感覚。
足から這いずりよってくるような悪寒。
知らない人からかかってきた電話。
知らない人から送られてきた私の部屋の写真。
なんだか、私のほうが周りに合っていないみたいじゃない。
私の前を歩く黒いもやがかかった人。
後ろに歩いている、隈がある目を見開いてこちらをじっと見ている人。
親猫ちゃんと子猫ちゃん、一緒に帰ろうか。
私と同じ、人間じゃない者同士ね。
@子猫
あなたは今でも持ち続けるのですか。
もう飛べない翼を持ち続けるのですか。
あなたは今でも待ち続けるのですか。
今か今かと飛べる日を待ち続けているのですか。
小さい頃、夢見た仕事をやはり追いかけているのですね。
応援しますよ。私の旦那様。
お互いに『 』になろうね!と言っていたあの頃が懐かしいです。
幼馴染同士で結婚し、夢見た仕事を共に目指すなんて。
なんて美しい話なのでしょう。
登場人物の一人として、頑張らないとですね。
@飛べない翼
美しい方がいるのです。
私の目の前に、私の手が、触れそうなところに。
私とは違う、私よりも何倍も美しいのです。
長年、あなたを夢見て生きてまいりました。どんなときもいかなるときもあなただけを愛していました。
そこまで夢に見てきた方がここにいるのです。
ですが、醜い私なりに、少しでもあなたのようになれるように顔にきらめきをかけてきました。
こんなに醜い奴が化粧なんて馬鹿らしいと私を罵るでしょうか。
それとも醜いなりに努力していて美しいとおっしゃるでしょうか。
なんと言われたって構いませんわ。
「鏡の中の私より、美しいかたなんて居ませんもの!」
鏡の中の私もきっと私を美しいと思っているはずですの
@鏡の中の私
ある学者がいた。
専門分野などはなく、気まぐれで好きなものを研究するだけ。
だが、その学者は人々から愛されていた。だが、貴族からは好かれていなかった。
右から声援が聞こえればそちらに行き、左から愛の言葉を囁かれれば、またそちらに行く。
まさにみんなのアイドルだった。
その学者には妹がいた。
またその妹も学者であったが、兄のように専門分野がない訳ではなかった。鉱石の研究をしていたが、それも気まぐれでやっていた。
この学者は人々には愛されていなかったが、貴族には愛されていた。
右から貴族に話しかけられれば、そちらに相談をしに、
左から話しかけられれば、そちらに行っていた。
その兄妹は性格が似ていたわけでは無いが、よく同じ台詞を言っていた。
「永遠に。など無くとも、私が作ってやろう!」と。
この台詞を馬鹿にされても学者兄妹は動じなかった。
学者兄妹は何年生きているのだろうか。
@永遠に