この声が枯れるまで
感謝の言葉を届けよう
いつも助けてくれてありがとう
一緒にいてくれてありがとう
出会ってくれてありがとう
良い言葉は巡り巡って
きっと
誰かを救う言葉となる
だから──
心に沸き起こる
温かい言葉が枯れないように
言葉を届け続けよう
そうすれば──
言葉は
途切れることなく続き
温かさは優しさへ
優しさは救いへと代わり
絶えず巡っていくのだから
────────────────────────
声が枯れるまで
予熱があれば
温かいものは長時間
温かいままでいられる
だから──
どうか──
温かい心や言葉を
無くさないで
少しでも良いから
持っていて
そして──
誰かと分かち合える時がきたら
惜しまず渡して
そうすればきっと
人も自分自身すらも救われる
温かい∞が出来るはずだから
始まりはいつも唐突で。
準備が出来てるとか出来てないとか
こちらの事情は関係なく。
暴走ブルトーザーの如く
常識すら打ち壊していく。
厄介な感情ですよ、恋というやつは。
さて、上記は1年前の文章だ。
今日は、この文に対してAnswerと行こう。
1年前の私よ、冗談かと思うがこの文章とほぼ近い事を体験することになるぞ。
但しそれは「恋」ではなく「愛」だが──。
これは自身にとって、とても大変なもので、正直何回泣くんだというくらい泣くことになる。
そう聞くと、嫌なことだらけで苦しんでいるのではないかと心配するだろうが、大丈夫だ。
初めての経験に多少バランスを崩すことはあるけれど──多くは悲しみで流す涙ではなく「こんなに幸せで良いのか」と思って流す温かい涙だ。
今までに経験したことがないくらい温かくて、生きていて良かったと心から思えるぞ。
それに、人生初というくらい大切な宝物も沢山増える。
正直これを打ちながら、今も泣いている。
「愛」を知ってからというもの、どうも涙もろくなって困る。けれど、それだけ成長したと思えばその涙すらも嬉しいものだ。
自身の中にあった不要なモノを壊しても、その後の新しい構築には正直まだ手間どっている。
けれど、変化を受け入れたのだ。
後は、前の形ではないものを組み立てていくだけ。
周りには先生が沢山いる。
だから、新しいものもちゃんと組み立てられると信じている。
1年前の私よ──私は今、幸せだぞ。
廊下を歩いていると、前から彼女が歩いてくるのが見えた。
移動教室だろうか、彼女の手にはノートや筆記用具がある。
彼女とは放課後の屋上で話す関係だが、廊下ですれ違っても話すことはしない。
彼女もそうするので、お互い暗黙の了解みたいになっている。
どうしても何か言いたいときは──
彼女が横をすり抜けていく瞬間、何食わぬ顔で折りたたんだルーズリーフを寄越してきた。
俺も慣れたもので、何食わぬ顔でそれを受け取りズボンのポケットへ突っ込む。
すれ違いざまに物の受け渡しなんて、まるでスパイ映画みたいだ。
けれど、違うクラスの女子とつるんでるなんて知られたら同級生達がうるさい。
平穏な学校生活の為には必要な事だ。
彼女は、規則正しい足音をさせて遠ざかっていった。
俺も何食わぬ顔で廊下の突き当りを曲がる。
廊下を曲がった先で周囲に誰もいない事を確認してから、受け取ったルーズリーフを開く。
罫線に沿って、几帳面な彼女の字が並んでいる。
彼女の字はいつ見てもキレイだが──
「件のチケットについて」
必要最低限な言葉しか書かれていない。
もう少しなんかこう、俺としては欲しいのだが…。
こう、女子らしい愛嬌のあるなんかそれな感じの…。
そこまで思い至って、ふと気が付く。
でもこれこそが彼女なのだと。
いつも冷静で、他の女子とは異なる感性を持った彼女だ。仕方がない。
彼女の言う、件のチケットとは、クリスマスの時に変な配達員から受け取ったテーマパークのチケットの事だ。
そろそろ遊びに行こうと話をしていたので、その続きをしようという事だろう。
「了解」
静かに呟き、ルーズリーフを折りたたもうと紙を裏返した瞬間──
「楽しみにしてるから🐱」
彼女のキレイな文字の隣に、可愛い猫のイラストが添えられている。
暫く無言でそれを眺めていたが、次の瞬間ボッと顔が熱くなった。
ドキドキと胸が高鳴る。
震える手で、胸ポケットにルーズリーフ仕舞う。
ルーズリーフは仕舞われたというのに、先程の「楽しみにしてる」という文字が脳内で踊っている。
やばい、普通に嬉しくて浮かれそうなんだが?
いやいや真面目に…と思っても口元が緩んでしまう。
今日の放課後、彼女と会うのがこれほど楽しみだなんて、初めてだ。
────────────────────────
すれ違い
すれ違いざまに物を渡すシチュエーションというのは惹かれるものがある。
気心の知れた人としか出来ない、或いはその道の人しか出来ないことだからだ。
今回は、珍しく「俺」が彼女からの手紙で動揺している。
本当は、「貴方と楽しみたい」とか「その件についていっぱい話しましょう」とか色々な言葉を考えたが、
シンプルに「楽しみにしている」という言葉に思いを託した。
浮かれて喜ぶ姿を想像していただければ幸いである。
最近は雨が多く、爽やかな秋晴れというのは少ない。
早くいつもの秋晴れを眺めたいと思う、今日このごろだ。
秋晴れの美しい青の色は、高校の修学旅行で行ったセントーサ島の空を思い出す。
旅行中はずっと快晴で、爽やかな青空が広がっていた。
観光であちこちを巡ったのだが──何故か一番の思い出は、友達と海で駄弁ったことだ。
二人で白い砂浜に文字を書いて、波が文字を洗っていくのを眺めたり──。
エメラルドブルーの透き通る波に小魚を見つけたり──。
そんな、一見取るに足らないような思い出ばかりが鮮やかに蘇ってくる。
不思議なものだ。
その友達とは普段から本の貸し借りやお喋りをする仲であったけれど、その海での何気ない事の一つ一つが、私の琴線に触れたのかもしれない。
美しい景色の中にいる友達の笑顔を思い出すだけで、幸せな気持ちになる。
かけがえのないものとは、きっとこういうものを言うのだろう。
今度、秋晴れになったら出かけてみようか──
大切な人を誘って
あの青い空が広がっていたなら、
何処でも幸せになれるから。
その為に、先ずは行動…というか、連絡しなくては何事も始まらない。
お誘いの文章はそうだなぁ
「一緒に旅行しませんか?」または「一緒に思い出を作りに行きませんか?」も捨てがたい…。
あぁ、これはどうだろう?
「かけがえのない思い出を一緒に作りに行きませんか?」
何度思い出しても色褪せない思い出…。
素敵だと思ってくれたら嬉しいな。
それから話をして、すり合わせして、色々な手順を踏んで行こう。
物事は空想だけでは叶わず、現実で実行して初めて叶っていくのだから──
────────────────────────
秋晴れ
忘れたくても忘れられない日々に
生涯忘れない人達
出会うことが運命ならば
喜んで受け入れよう
そして
自分に出来る事をしよう
この胸に宿る
光に感謝しながら
忘れたくても忘れられない
愛おしい日々を作ろう
────────────────────────
忘れたくても忘れられない