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8/22/2024, 1:45:21 PM

リバース リバース リバース

白は黒へ 黒は白へ

置き方一つで 世界は変わる

リバース リバース リバース

緑の盤上で 白と黒

貴方と楽しい知恵比べ

リバース リバース リバース

多勢に無勢も裏返る 盤上で

リバース Reverse Rebirth

世界が生まれ変わっていく

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Reverse─裏返し

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盤上における心の読み合いは 
時として互いに異なる景色を見てしまう

自分にとって大したことない一差しが
相手にとってとんでもない一差しであったり

くるり くるりと変わる白黒の世界で

相手の心を読みあい

一差し、二差し、

心が満ちるにつれ
手の内は、空っぽになる

キレのある一差しも 
相手を出し抜く事も
悪戯も思い浮かばない

ただ、満ちた思いと言葉だけが降り積もる

悪意なき一手が投了へと繋がるならば

盤上での思いは胸に秘め

笑顔で握手してお別れを

記憶の片隅に名前だけが残れば
それで良いのだから

8/21/2024, 11:55:38 AM

鳥のように空を飛べたなら──と想像してみる。

公共交通機関にありがちな渋滞や、待ち時間が無いのは魅力的だ。
自力故に、移動費がかからないという点も良い。
人混みもなく行けるのは、さぞや爽快だろう。

ストレスなし・金銭不要・爽快感あり。
良い事尽くめではないか。

何だか、鳥が羨ましく思えてきた。

現実的な実利以外でも、
鳥というのは羨ましい面がある。

例えば、

空へ向かって鳥が羽ばたいていく──。

この一文だけでも、絵になるではないか。
文字の世界に於いてまで、意味深なカッコ良さがあるのだからますますニクイ。


人間ではなく、鳥になるべきだったのだろうか。


そこまで思ってはたと気付く。



──あ。

──自分、高所恐怖症だった。



高い所に行くと、どうしてだか目眩がする。
それだけでなく、謎過ぎるほど足がガクガクして、体にまで力が入らなくなる。

そんな状態のものが、飛ぼうとしたらどうなるか。
答えは一つしかない。
飛ぶ前から、墜落だ。
命の危機ではないか。

無理。高い所、マジで無理。

…。

どうやら、自分は鳥にはなれない。
人間という形が最適解であると再認識した。

鳥のように飛ぶことは、百年早い──
いや、死んでも無理かもしれない。

8/20/2024, 1:48:02 PM

さよならを言う前に、メールを一通送る。

一見、何の変哲もなく、飾り気もない言葉。

その言葉の裏に隠した本当の心を

貴方は見つけてくれるかしら?

8/19/2024, 2:59:18 PM

時津風が、波止場の小舟を揺らした。

真艫を受けた小舟は、風に誘われるがまま大河の入口へと向かう。

大河の入口までもう間近という時、小舟が止まった。

小舟の先に繋げられた舫綱がミシミシと鈍い音を立て、岸から離すまいとしている。

その光景にどうしようかと迷いながらも、劣化でささくれ立つそれを取り敢えず握ってみる。
舟と風の重さがのった綱が、ギリギリと手に食い込んでいく。

痛みに顔を顰めていると

「もうその網は使い物にならんぜ」

いつの間にか現れた金の妖が、側で笑っている。

妖の長い金の鬣が風に煽られ、周囲に金色を撒き散らす。

「良い風じゃねえか。今なら舟に間に合う。この風にのりゃあ遠くへ行けるだろうよ」

金の妖はそう言うと、緩慢な動作で空を仰いだ。

妖に釣られて空を仰ぎ見ると、どこまでも澄んだ青空が広がっている。

天気上々、吹き抜ける風、良好。

金の妖の言う通り、今が乗り時なのだろう。

そんな事を思いつつ空を見上げ、風に身を任せていると、体の内側が澄んでいくような感覚がする。

「乗りてぇ風ってのはコレじゃねえのか?」

金の妖が笑いながら問いかけてくる。

ああ、どこまでも見透かす妖め。

「…乗りてえ風に、遅れたヤツは」

ポツリと呟くと、

「間抜けってんだ」

金の妖が言葉を引き継ぎ、ニヤリと笑った。

妖が笑むのと同時に、手の中の綱を杭から引き千切る。チクチクと痛む綱を握りしめ、綱の先にある小舟へと向かった。

踝が浸かるほどの浅瀬を小走りで駆ける。
パシャパシャと軽やかな音は次第に消え、重たい水の塊が太ももを叩き、終には腰の高さまで迫る水が行く手を阻む。
前へ進もうとする体を押し留めようとせんばかりに、波のような水が体を襲ってくる。
手から綱が離れ、絶対絶命と思った瞬間。
伸ばした手が小舟の縁を捉えた。
水を含んで重い体を持ち上げ、舟に雪崩込む。

息を整える暇もなく、舟の端へと向かう。
舟の先には、岸を恋しむかのように綱が風に揺れて、川面を叩いている。
濡れ鼠となっていることも忘れて、無我夢中で小舟からソレを取り外した。
もう役に立たないソレは、所々が解れて見窄らしい。河へ向かって思いっきりソレを投げ捨てると、ポチャンと軽い音がした。

劣化した綱は、暫く川面をくるくると漂っていたが、河の渦に巻き込まれ、姿を消していった。

その光景にほっと息をつき前を向くと、

「じゃあな、行ってきやがれ」

金の妖の声が、背後から響いた。

一人を乗せた小舟が、大河へ向かって進んでいく。

天気上々、気分快晴。
前途不明なれど、迷いなし。

吹き抜ける風に、小舟は大河の流れに乗ったのだった。
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空模様

8/18/2024, 2:21:09 PM

鏡を見ると

鏡の向こうに、世界が広がっているのではないかと想像してしまう。

虚像の自分が住まう、無数の平行世界──パラレルワールドが広がっているのではないかと。

パラレルワールドの世界では、様々なルートが存在している。
これから起こり得る未来だって、もしかしたらそこには存在しているのかもしれない。

だから、鏡の向こう側へ

「こちらのルートは、玉石混交なれど笑顔あり。小さな幸せに満ちているよ」

そう、微笑みながら報告する。

私の笑みにつられた鏡の向こうの私(虚像)が、笑みを返してくる。
パラレルを行く私の元にも、きっと笑顔が届いたのだろう。

パラレルの世界は、時空さえも軽やかに超える。

今が幸せであるならば、それは過去や未来、どこかしらで答えとして現れてくる。

ほら、

現に今だって──

ココでこうして貴方に出会えている。

この奇跡こそが、答えだ。

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