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6/1/2024, 1:39:45 PM

梅雨

この季節に雨が降らないと、作物は育たない。

植物にとっては恵みの季節だが、人にとってはジメジメ・鬱々・不快感を感じやすい季節だ。
恵みの季節と喜ぶ人は、少ないのではないだろうか。

作物を育てている人は、恵みの雨と喜ぶのだろうなと想像していたら、雨降りの先生が脳裏に浮かんできた。

雨降りの先生とは、「つむじ風食堂の夜」(著:吉田篤弘)の主人公だ。

友人の営む小さな編集プロダクションからの雑文を請け負って生計を立てている。
人工降雨を研究テーマに風俗史的な視点から文献にまとめたいと本人は思っているが、生計優先のため、研究は二の次となってしまっている。

住まいは、月舟アパートの屋根裏(人が絶句するような場所)。
「雨を降らせる研究をしているので、空に近いところがいいのです」と冗談を飛ばした結果、それが町内に広まり、「雨降りの先生」と呼ばれるようになった。
十字路にある食堂の面々からは、「先生」と呼ばれ親しまれている。

そんな雨降りの先生のエピソードで、特に印象に残っているのは、雨降り先生が若かりし頃のガールフレンドに用意したとっておきのセリフとそれに対するガールフレンドの返しだ。
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「ほら」
私は彼女を屋上のへりまで連れて行き、そこから、金網越しに雨に濡れた街を眺めおろした。
「すべて平等に雨が降っている」


「そうね」
こちらの意に反し、彼女はやはりどこか遠くの世界の方へと視線をさまよわせ、それから、
「でも、雨って、そのうちやむからいいんじゃないの?」
さも当たり前であるようにそう言った。


そのときの彼女の言葉が、いまでも頭の中に繰り返され、そのたび私は思わず「え?」と声が出てしまう。
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雨は、やむからこそ喜べる。

いくら水が必要な作物であっても、やまない雨を前にしたら根腐れして枯れてしまう。
逆に快晴ばかりもまた、干ばつの危機に瀕し、枯れへと繋がる。
どんなに必要なものであっても、過剰は身を滅ぼす原因となってしまうものだ。

雨が降ったら、やむ。
やんで、曇りや晴れの日があるからこそ、恵みの雨と喜べる。
何事も終わりがあるからこそ、良いのだろう。

ガールフレンドの主張に頷きたくなる一方で、雨降りの先生の「すべて平等に雨が降っている」という言葉の主張もわからなくはない。

雨が降っている範囲(屋内を除く)は、等しく濡れる運命だ。
雨の前では、偉い人だとか、子供だとか、男だとか、女だとか、何かである理由で差別されることはない。

きっと、先生にとって雨とは理想的な平等を体現しているものなのだろう。だからこそ、現実的な彼女の言葉に対して「え?」という反応に繋がったのかもしれない。

どちらの考えも一つ一つを見れば間違いではないけれど、肝心な部分で絶妙にすれ違う。
案外、そんなすれ違いばかりがこの世界では起きているのかもしれない。

理想と現実を纏った雨の季節─梅雨は、もう間近だ。

5/31/2024, 12:38:05 PM

無垢=ユリ、オーニソガラム、アジアンタム
純真無垢=アネモネ全般
無垢の愛=カスミソウ

上記は、白い花が多いイメージだ。
「白色」からの連想で「無垢」の花言葉が付くのはわからなくもない。
一方、アジアンタムは緑の葉で、花も咲かないシダ植物である。それなのに「無垢」という花言葉がついているのだから驚きだ。

花言葉を調べるついでに由来を調べてみると、なかなか面白いことがわかった。

アジアンタムは、小さく繊細な葉が花のようにみえることから、花言葉がついているらしい。
アジアンタムの英名は「Maidenhair fern」
英訳は、「乙女の髪のようなシダ」

乙女は、無垢の花言葉へと繋がるらしい。

かつて乙女だった時分もあるが、実際の乙女は…言わぬが花だろう。

5/30/2024, 11:34:40 AM

終わりなき旅

終わらない旅、か…。

親から子へと連綿と続く人の歴史は、
人という存在がある限りという条件が必要となる。

人よりも長寿の木や石も風化して、何れは姿を消してしまう。
この世界にある限り、時間の縛りはある。

この世で消えず、旅をする存在なんてあるだろうか。

無い頭を必死に捻って唸っていると、目の前にカードが出てきた。
久しぶりのカードには「水」と書かれている。

なるほど。

人や動植物にとっても欠かせない水は、常にこの世界で循環し続ける。
その様は、終わりなき旅と言えるのではないだろうか。

もしかしたら人や動植物と違って、地球が終わる日まで、粛々と循環の旅をしているかもしれない。

たくさんの命を支える偉大な存在は、今この瞬間も世界中の彼方此方を静かに旅しているのだろう。

地球の異名「水の惑星」は、伊達ではないようだ。

5/29/2024, 12:18:24 PM

2023年5月29日のテーマは「ごめんね」だったらしい。先程過去の投稿を確認してきたが、内容から推察するに、ほぼこのテーマで合っているだろう。

今回もどうやら絶賛リバイバル中のようだ。

さて、昨日は以前投稿した文章から文章を作るということをしたが、今回はどうしよう。

「ごめんね、思い浮かばない」と言って逃げてしまおうか。それとも「イチイチ過去に投稿した文章を確認してごめんね」とメタネタで逃げようか…。

…どちらも逃げるが入っているな…。


正直、ラボ組・屋上組のどちらかで物語を書きたい気持ちもあるのだが、仕事で疲れて気力がない。

気力はないが、いつかの為にメモを残しておこう。

「ごめんね」と謝るのは、屋上組ならば「俺」で、ラボ組ならば「博士」な気がする。
二人とも「彼女」には弱い。
その為、言い争うより早々に謝って場を収めてしまうだろう。

屋上組の「彼女」はツンなので、多分謝るのは苦手だ。謝っても謝っているように見えないかもしれない。
ラボ組の「彼女」は、博士と似た穏やかな気質をしている。ならば、彼女は素直に謝るタイプかもしれない。

おやおや。

そうなると、屋上組は「俺」が「彼女」に謝ることが多くなり、ラボ組は「二人して」謝り合っていることになる。

どちらも賑やかそうだ。

色々妄想するのは楽しいけれど、物語にするのは、またいつか。
ごめんね。

5/28/2024, 12:22:50 PM

半袖…(゜゜)これまた随分前に書いた記憶が…。

ちょいと過去の投稿を調べてみたら、面白いことがわかった。

2023年5月25日「降り止まない雨」
2023年5月26日「月に願いを」
2023年5月27日「天国と地獄」
2023年5月28日「半袖」

生憎、アプリを入れたての頃なのでテーマを書いていないのだが、作った文章から推察するに上記のテーマではないかと思われる。

テーマのリバイバル期間なのだろうか?

さて、どうしよう。
リバイバル期間なら、過去の文章から文章を作ってみるのも面白いかもしれない。

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1年前、「半袖」というテーマで日焼けしたくないことを書いたが、1年たった今もそれは変わっていない。

暑くても半袖を着たら、薄手の長袖を羽織る。

熱中症の危険が年々上がってきているので、暑い日は半袖で過ごすべきだとは思う。

それは十分わかっている。

こまめに日焼け止めを塗って保護をすれば、半袖でも過ごせるのだろう。
しかし、ズボラな私は、朝に日焼け止めを塗ったらそれで満足してしまう。
日傘も使うから大丈夫等とたかをくくってしまう。

しかし、紫外線は甘くない。
日傘を使っていようと塗り忘れがあれば、見事に焼ける。
汗をかいてハンカチなどで拭けば日焼け止めは落ちてしまう。そうでなくても、時間が経てば日焼け止めの効力は薄くなってしまう。

そうして、こまめさを欠いた行動の代償として、日焼けと火傷のような痛みに襲われる──シミというとんだお土産もついてくるのだから、泣けてくる。

しかし、長袖一枚羽織るだけで火傷のような痛みとは縁がなくなる。その上、縁遠い「こまめ」とも、縁遠いままでいられる。
多少の暑さという不便を我慢するだけで、これだけ手に入ってしまうのだから、ズボラな私には朗報だ。故に暑くてもつい長袖を選んでしまう。

それなのに、近年は酷暑が当たり前となってきているのだからたまらない。

警報級の暑さが今年もやってくるのだろうか。

今年も、根比べの夏となりそうだ。

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