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5/7/2024, 11:54:27 AM

初恋の日?

調べたところ、10月30日が初恋の日らしい。
今日は5月7日なので、初恋の日までまだ遠い。

自分自身の初恋もまだ遠く、今生で体験出来るかどうか…。

まぁどんな人生であれ、自分らしくあれれば良い。
失敗も成功もまた等しく人生なのだから。

5/6/2024, 12:02:27 PM

明日世界が終わるなら…。

今日は物語ではない方が良いか。

さて。

人の寿命は普段わからない。

けれど、明日世界が終わると決まっているなら
この世界中に存在する人皆、等しく明日までの命となる。
それに伴う感情は言うまでもなく人それぞれだ。
喜ぶ人もいれば嫌がる人もいるだろうし、静かに迎える人もいれば最後だからとはっちゃける人もいるだろう。

沢山の選択肢の中で、自分はどんな選択をするだろうか。

多分仕事には行かず、普段の休日と変わらない事をする気がする。

家で好きな音楽を聞いて、好きな本を読んで、好きなお茶を飲む。

出来れば、世界が終わる日は晴れていて欲しい。
青空が好きだから、綺麗な空の色をこの目に焼き付けておきたい。

世界が終わる日の時間まで決まっているなら、最後にかける音楽は決まっている。

自分の葬式の時に流して欲しいと思っている曲をかけて、最後の瞬間を迎えたい。

最後の時は、苦しみなく一瞬でこの世界から消えてしまえたら尚良い。

ふふふ。
こうして考えると、あれこれと注文がやかましい。

注文=願望とするなら、願望の正体は欲だ。

もし、本当に明日世界が終わると決まったなら、人の根底にある欲が溢れかえるのだろう。
歯止めのきかない欲の狂乱こそ、本当の世界の終わりなのかもしれない。

5/5/2024, 1:05:09 PM

長くなってしまった…(´・ω・`)
でも、書きたい部分が書けて満足(*´ω`*)
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人事異動の内示で、研究所に入社三年目の女性が入ってくることは知っていた。

今まで男性社員が入ってくることはあっても女性というのは初めてだ。
僕は、小さく華奢な女性を前に緊張していた。

彼女も緊張しているのか、或いは、研究所の割にお粗末とでも思っているのか──大きな目はキョロキョロと落ち着きなく研究室内を彷徨っている。
過去配属されてきた人たちにも散々言われたので、目の動きだけでなんとなくこのどちらかだろうと想像がつく。
余計な能力がついてしまったものだ。
内心で自己分析という名の逃避行をしても、心臓はまだバクバクと音を立て落ち着かない。

二人しどもどしながら、なんとかセオリー通りの挨拶を済ませる。
名前を名乗るだけなのに、どうしてこうも緊張するのだろうか。
でも、今回は噛まなかったし、これでご挨拶の儀式は完了だ。
ほっと息をついていると、それまで静かにしていた彼女が意を決したように言葉を発した。

「あの、…博士、ですよね」

博士?僕は所長と言ったはずだけど…。
首を傾げて疑問符を浮かべていると、彼女は慌て付け足した。

「あっ、あの。昔、ホームページで、夏休み企画で」

夏休み企画?夏休み…。

頭を捻り、昔の記憶を漁っていると企画書が映像になって現れた。

ああ!思い出した!
随分昔に受けた広報からの依頼だ。

確か、「夏休み企画!自由研究のお手伝い」とかいうタイトルが付いていたはずだ。
各研究所から一人選ばれて、文章を寄稿するというものだった。
しかし、蓋を開けてみると子供向けとは言えないような研究の話だったり、開発中の秘話であったりと本来の企画意図より自由に発展していた。
「色水を作ろう」なんて子供向けを執筆したのは、自分一人だけだった。
しかも、広報の悪戯なのか遊び心なのかそれぞれの名前の後ろに「博士」と付いていたのも思い出した。
周りがしっかりした文章の中かなり浮いていているだけでも大ダメージなのに、「博士とは!?」と羞恥に身悶えた記憶も蘇ってくる。

今すぐにでも過去の記憶に身悶えたいが、そんな事をしたらヤバい人だ。状況を考えろ。我慢だ。我慢だ自分。

グッと恥ずかしさを堪えていると、彼女はキラキラとした目で僕を見てきた。

「あの時の博士の文章わかりやすくて、花に興味を持てたのは博士のお陰なんです!一回きりしか登場しなかったの、寂しかったんですよ!」

興奮しているのか、頬を上気させ身振り手振り熱弁している。
まだ彼女の言葉は続いているが、頭に入ってこない。

羞恥の思い出しかなかった僕の文章が、誰かに届いている上に覚えてもらっている。しかも、良い方向に作用している。
どうしよう。
胸がぐっときてしまって言葉にならない。
なんか、泣きそうだ。

じんわりとした胸の温かさに浸っていると、彼女が恐る恐るといった感じで尋ねてきた。

「あの、所長ではなく、博士と呼んでもいいでしょうか」

「えっ」

「あっ、すみません!変なこと口走りました!ごめんなさい。忘れてください」

彼女は顔を真赤にすると、どんどん声が小さくなっていく。気のせいだろうか、体も小さく縮こまって見える。
その姿に過去の自分の姿が重なって見えた。

「いいよ」

「えっ」

「君の好きに呼んで」

僕の言葉に彼女の目はキラキラと輝きを取り戻し、宝石の様に輝いた。

「ありがとうございます!博士!」

そう言って彼女は、弾けんばかりの笑みを浮かべた。
まるで太陽に向かって咲き誇る向日葵のような笑みだった。

ピピッピピッピピッ

時計が鳴っている。
布団から腕だけを出し時計の頭を叩く。
僅かな残響を残してアラームが止まった。

のそりと頭を動かし、霞む目で時計の数字を追う。
午前五時。起床の時間だ。

随分懐かしい夢を見ていた。

彼女が研究所に来たのは、二年前だ。
二年という時間経過の事実に実感がわかないのは、年のせいだろうか。

もし、君と出会っていなかったら…。

起き抜けの頭は、先程の夢から離れられないようだ。彼女の顔を思い浮かべながら、もしもを考えてしまう。

君と出逢っていなかったら、僕は博士と呼ばれることはなかっただろう。
三時の休憩が楽しいことも知らず、研究だけが生き甲斐で、身体のことなんか考えもせず徹夜も平気でして、体を壊していたかもしれない。

想像に難くない有り得た未来に苦笑が漏れる。
それと同時に眉をしかめた彼女の顔が浮かんだ。

ごめん、そんな顔しないで。

彼女は頬をぷっと膨らませ、子どものような拗ねた顔をすると、姿を消してしまった。

君と出逢って僕は、今の僕になったんだ。

君が博士と呼んでくれるから、僕は博士でいられる。

来る未来は、過去研究所に配属されてきた人達が選んだ道のいずれかへと繋がるだろう。

それまで僕は、君の博士でいられれば十分だ。

僕は勢いよく布団から起きると、朝の支度へ取り掛かった。

5/4/2024, 2:28:03 PM

耳を澄ますと…( ˘ω˘)
「最近文字数多すぎ。悪い癖が出ているわよ」
…初代の声だ。
確かに、最近文字数が多くなっている。忠告有り難く受け取っておこう。気をつけなくては。

「うーうー。僕は…、僕は…」

続いて聞こえてきたのは、一人混沌の海で苦しんでいる博士の声だ。
普段は穏やかで理知的な博士だが、助手からの過剰評価と自身の脇の甘さ、そしてよくわからない感情に、ほとほと困り果てているようだ。
博士は、つい、からかいたくなってしまうキャラクターをしている。けれど、混沌の海に溺れたままはいくらなんでも可哀想だ。

さて、どうしようか。

思案しようとした瞬間、荒れた声が響いた。

「俺達の場所に入ってくんじゃねえ」
屋上組の彼が、珍しく怒りを露わにして息巻いている。
冷めた感覚の持ち主なのに、こうも怒るとは珍しい。

ふむ。

穏やかで理知的と設定した人が混沌の海で苦しみ、普段冷めた感覚と設定した人が激昂している。

本来私が意図したところとは別に、キャラクターが個性を持つようになってきたようだ。
ともすれば、こちらがいくら意図を持ったとしてもその通りに動いてくれないのは、仕方がないことなのかもしれない。

彼ら自身で表現したいことがあるのだろう。
ならば、私は耳を澄まし、彼らの声を拾い上げれば良い。

そんな創作も面白そうではないか。

5/3/2024, 2:45:28 PM

放課後。
いつものように屋上の扉を開くと、丸められた紙切れが足元に転がってきた。
以前も屋上の扉付近で彼女が紙切れを拾ったことを思い出す。
紙を丸めて投げる遊びでもしている輩がいるのだろうか。
足元にピタリと寄り添うゴミのようなソレを拾い上げ、ズボンのポケットにねじ込む。

周囲に人の気配が無いことを確認すると、俺は扉をくぐり音がしないように扉を締めた。

屋上に出ると、ゆるりと麗らかな風が髪を撫ぜていった。
風に乗って来たのか、放課後の野球部の走り込む声が聞こる。
来る試合に向け練習に熱が入っているのだろう。
いつもの練習より声が大きい。
体力づくりの為とはいえ、走りながら声を出すなんてよく出来るものだ。
ユニフォーム姿だからこそ出来ることで、これがもし、スーツなんかだったりしたら異常風景だろう。
額に汗を流し、同じユニフォームを着て仲間と目標に向かう。一人はみんなの為に、みんなは一人のために。これぞスポ魂!夢見よ若人!

なんて、自分に合わない青春だろうか。

きっと自分みたいなのは異常で、健気に走り込む彼らの方が正常なのだろう。

鬱々とした気分になりそうだ。
気分転換にさっき拾った紙でも見てみよう。
以前は確か「楽園」とかいう訳のわからない文字が書かれていたが、今回のコレにも文字があるのだろうか。

丸められた紙を広げてのばしてみる。
ソコには予想通りあの時のように文字が書かれていた。しかし、今回は楽園の二文字ではない。

「二人だけの秘密?」

随分意味深な文字だ。
楽園の時も変なメモ書きだと思ったが、もしかして、誰かとやり取りしている紙でも拾ってしまったのだろうか。

楽園と書かれていた紙切れは彼女によって遠くへ飛んで行ってしまった。

その楽園という文字が実は何かの暗号、或いは重要な言葉で、この紙を書いた人物は二人だけの秘密という言葉で再度「楽園」という言葉を得ようとしているのではないだろうか。

もしそうならば、自分たち以外にもこの屋上を使っている人物がいることになる。
放課後は基本俺達がいる。そうなると、放課後以外の時間に侵入しているのだろうか。
休み時間は、教室外にも生徒の目がある。
人目を避けながらここまで来るのは至難の技だ。よほど気配を殺し慎重に行動しないと出来ない。
人目を避けて、扉の鍵を解除して侵入。本当に放課後以外に出来る行動だろうか。
ん?ちょっと待てよ。扉の鍵?
そうだった。
この屋上の扉は彼女によって細工されている。
普通の開け方は出来ないようになっている。
それとも、自分のように偶然開けた人物がいるのだろうか。

ここは彼女と会って話せる大切な場所だ。

心にモヤモヤとした影が広がっていく。
とても不快な気分だ。
気持ちを切り替えたいが駄目だ。出来ない。

どこの誰かも知らない第三者なんかに踏み込まれたくない。
俺と彼女の二人だけの聖域だ。

頭の言葉と連動するように耳の奥で脈がドクドクと激しい音を立てている。
俺は自身の中で沸き起こる激しい衝動に駆られるまま、二人だけの秘密と書かれた紙を両手に持つと、勢いよく裂いた。
紙が断末魔の悲鳴をあげる。
その音に被さるように紙をビリビリに破く。
細かいゴミクズとなった二人だけの秘密を俺は、空へと放り投げた。

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