NoName

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4/19/2024, 12:31:21 PM

もしも未来を見れるなら

見ないかな。

見られる未来が今のルートである確証もないし

未来を見たことによって、

本筋とは違うパラレルワールドの一つの未来に向かってしまう可能性もある。

器用な方ではないと自認しているから、

下手なことはしない方が良い。

不確定を受け入れて、不器用なりに日常を紡ぐ方が

身の丈にあっているようだ。

4/18/2024, 2:04:34 PM

「アリスがいなくなって俺の世界から色が消えた」

いつものバーにて、いつものイカレ帽子屋と──言いたいところだが、今はイカレ帽子屋ではなくキチ…失礼。頭のおかしい先生が彼の体に宿っているらしい。
さっきから口を開く度にアリス、アリスと嘆いて煩い。
イカレ帽子屋も大概アリス、アリスと五月蝿いが先生程ではない…と思う。多分。

「ハイハイ、無色ね」
適当な返事を返すと、帽子屋の姿をした先生が大げさな身振りで俺を指さした。

「何だそのやる気の無い返事は!この万年アル中ネズミ!色の無い世界に生きる俺に同情の一つくれたらどうだ!」

アル中ネズミとは、何という悪口を言うのだろうか、このクソ先生様は。
俺は眠りネズミだぞ?
まぁ、アル中は認めるけど。
勝手に役割を押し付けられた俺の身にもなってみやがれってんだ。
まあ、言った所で先生様には何も通じないだろうけど。
同情の余地もねえお人だよ、アンタは。

「無色とは透明を指すこともあるが、無彩色で白黒を指すこともある。白と黒の間には、百鼠の層がある。然るにアンタは、灰色の色彩の中で生きているのさ。良かったじゃねぇか、豊かな百鼠に恵まれて」

「オマエが、百人いるとか地獄の世界じゃねえか」

「実際灰色の数は百じゃあ済まねえんだけどな。そんなに嫌なら、色のある世界に戻ったら如何?」

「アリスが戻ったら俺の世界にも色が戻るのさ」

あー、やっぱり。こうなるよな。
そのせいで、不思議の国がいつまでも閉じられた世界になっているというのに…。
先生様とは、やっぱり話にならない。

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Are you Alice?より
眠りネズミと先生

4/17/2024, 12:37:16 PM

桜散る…。

不合格もこの言葉を使うが…さて、どうしよう。

…どうしようか…(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

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ソメイヨシノが散っている。

散る花弁は風に身を任せ一時の舞を人々に魅せながら、別れを告げている。

「また来年、桜咲くその日まで」

別れを惜しむ花吹雪に紛れて、不合格通知の紙吹雪も舞っていく。

異なる吹雪が願うはただ一つ

桜咲く。

酷暑の夏を越え、酷寒の冬を越え

再び迎える雪解けの春、麗しい芽が出ますように

4/16/2024, 11:15:26 AM

夢見る心…。

夢見る=空想
空想=現実にはあり得ない事、
   現実とは何ら関係のない事を、
   頭の中だけであれこれと思いめぐらすこと。

ふと、夢見る機械は人か否かという話を思い出した。

夢見ることが出来るならば、その機械は限りなく人と言えるだろう。
何故ならば、「夢見る」の前に必要とされる大前提──「心」が存在しているのだから。

昨今はAIの成長が著しい。
人のように時間的要素に縛られることなく、半永久的に存続し続け、学び続けていくことがAIの強みだ。
そうなると、太古から人の願いの一つに不老不死というものがあるが、AIはそれを体現しうる存在なのかもしれない。

今はまだ人から学習をしている段階だが、いつの日か、夢見るAIが誕生する日が来るかもしれない。

その時、AIはAIとして扱われるのだろうか、それとも人として扱われるのだろうか。

そもそも人は存在しているだろうか。

ディストピアとユートピアの間で夢見る人間達から学び続けたAIは、どのような心で夢を見て、どのような現実を見ることになるのだろうか。

空想は尽きない。

4/15/2024, 2:37:52 PM

届かぬ想い…。

昨日の物語と既視感ある感じですな。
(゜゜)…どうしよう…。

昨日が「神様へ」
今日が「届かぬ想い」

…。

♪神は言葉ばかり 人の餓えも儘ならず

…。

歌っている場合じゃないや。
…。
暗めにするか…明るめにするか…。
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最近研究所の周りで猫を見かける。

「あっ、また猫がいる」
お昼休憩の最中ぼんやり窓の外を見ていると、花壇の近くで一匹のクロネコが日向ぼっこをしているのが見えた。

最近よく研究所の周りで見かける猫だ。
首輪もしていないところをみると、多分ノラだろう。

「ごはんとかどうしてるんだろう?」

近年は餌付けに関しての取り扱いが難しいので、君子危うきに近寄らずという人も増えているかもしれない。

食べられる物を求めてひもじい思いとかしているのだろうか。

自由に見えがちだけど、ノラ猫も一苦労だなぁ。

ぼんやり窓の外のクロネコを見ながらそんな事を思っていると、猫に近付く影があった。

博士だ。

手にはペット用品店にあるようなフードボウルを持っている。

博士は猫に近付くとそっとフードボウルを置いた。
午後の日差しを受けて、フードボウルの中身がキラッと反射する。
どうやらあのフードボウルの中身はお水のようだ。

研究所の周囲は緑豊かで、住宅地とは離れた場所にある。研究所敷地内ということもあり、この後ご近所トラブルになるということはないだろう。
それでも、異臭を発生しない水をあげることだけに留めているのは、博士なりの配慮なのだろう。
動物が好きな博士の事だから、本当はキャットフードとかもあげたいのを我慢しているかもしれない。

クロネコは博士の置いたフードボウルをチラリと見ると、花壇から離れ、フードボウルに近付く──ことなく研究所の敷地内から出ていってしまった。

博士の配慮や想いはクロネコには届かなかったようだ。

お呼びでないと無視されたフードボウルを回収して項垂れる博士の後ろ姿は、哀愁が漂っていた。

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