Amane

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4/5/2024, 2:39:17 PM

星空の下で

星って羨ましい。
僕らより遥かに遠い場所にいるのに、僕らより遥かに強い運命を感じさせる。星座という、人間が勝手に繋げただけの関係に負けるなんて僕たちは弱いね。こんなにも近いのに、同じ星空を君も見ているのに、なぜこんなにも遠いのだろう。

僕と君のどちらかがこの星空の下から消えたとき、僕たちを結ぶ線は消えて、僕たちの物語も消えるのだろう。

ビルの隙間、都会の喧騒。
立ち止まって星を数える。
そんなとき、ふと君を想う。

4/4/2024, 3:16:19 PM

それでいい

それでいい、と思った。
あのアホみたいな連中から抜け出したら、幸せが待っているって。
きっと君もそう思っていたはずだ。
どこからが間違いだったんだろう。

屋上から見る空はきれいだった。
「また、パパに殴られた……。」
君は袖をまくって痛々しい痣を見せてくれた。
「そっか……。僕も昨日、ママが部屋に来た。」
思い出すだけで、ゾッとする。両脚に顔をうずめるようにする僕を君は優しくなでてくれた。
「怖かったでしょ。」
「うん。」
「私も。」
僕と君は似てる。親がいわゆる『毒親』で、そのせいで学校でもいじめられてる。この時間だけが幸せ。だから、だから二人で逃げ出せばずっと幸せだと思った。これ以上に悪い環境なんてないと思った。

去年の春、君は首をつって死んだ。
腐敗臭のする部屋には君の死体とぐしゃぐしゃの紙があって、
『ごめんなさい。もう限界です。私たちは逃げることなんて許されなかったみたいだね。』
と綴られていた。走り書きでもなく、いつものような丁寧な字だった。僕は、涙すら出なくて、もはや悲しいのかすらわからなくて、洗面台に立って血まみれになりながらヒゲを剃った。
「あのとき、死んでればよかったんだ。」
気づいたら口から溢れていた。

4/3/2024, 1:11:02 PM

1つだけ

君が死んで、思い出したことがある。
小さい頃、約束したよね。

「ようちゃん、人っていつかいなくなっちゃうんだよ。」
「そうなの?」
「そう。死んじゃうんだって。」
「ママもパパも?」
「うん。……ゆいとようちゃんも。」
君の瞳が潤んでいた。
「ゆいちゃん?どうしたの?いたいの?」
「ちがうの!ようちゃんがいなくなっちゃうなんてやなの!」
「じゃあ、ぼく、いなくならないよ!」
「ほんと?ゆいがいなくなっても?」
「うん!」
「じゃあ、約束ね!」
小さな小指を不器用に絡めた後、二人で泣きながら抱き合った。

それ以来、喧嘩ばっかりで約束なんてしなかったなぁ。たった1つの約束、永遠には無理だけど、まあできるだけ生きてみるよ。小指を太陽に向けて誓ってみたりした。

4/2/2024, 11:02:04 AM

大切なもの

「いっちばん、大切だと思うものって何?」
無邪気に問いかける子供の頭を撫でる。
「そおだなあぁ。強いて言うなら、このカラダ、かなあ?」
「んふふっ。お兄さんって、なんだかお話の仕方が面白いね!」


一番大切なのは、私という至上の存在。そしてそれを維持するための至上の『入れ物』。
やっと見つけた器だ。そう安安と手放すわけにはいかない。

若い血肉を欲していたところだが、気に入ったからやめた。

4/1/2024, 10:41:35 AM

エイプリルフール

エイプリルフール、一年で唯一嘘をついても良い日。僕にとっては特別でも何でもない日。

今までついてきた嘘、
あの娘が好きだってこと。
今までついてきた嘘、
僕が普通の男だってこと。

今まで隠してきたこと、
あなたが好きだってこと。
今まで隠してきたこと、
僕は女の子になりたい。

4月1日、今日だからこそ本当のこと言うよ。
僕は男の子だけど、かわいい服を着たい。
男の子だけど、あなたが好きだ!

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