Amane

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1つだけ

君が死んで、思い出したことがある。
小さい頃、約束したよね。

「ようちゃん、人っていつかいなくなっちゃうんだよ。」
「そうなの?」
「そう。死んじゃうんだって。」
「ママもパパも?」
「うん。……ゆいとようちゃんも。」
君の瞳が潤んでいた。
「ゆいちゃん?どうしたの?いたいの?」
「ちがうの!ようちゃんがいなくなっちゃうなんてやなの!」
「じゃあ、ぼく、いなくならないよ!」
「ほんと?ゆいがいなくなっても?」
「うん!」
「じゃあ、約束ね!」
小さな小指を不器用に絡めた後、二人で泣きながら抱き合った。

それ以来、喧嘩ばっかりで約束なんてしなかったなぁ。たった1つの約束、永遠には無理だけど、まあできるだけ生きてみるよ。小指を太陽に向けて誓ってみたりした。

4/3/2024, 1:11:02 PM