『部屋の片隅で、』
今日も部屋の片隅で小説を書いている。しかし、一向に筆が進まない。頭の中では、展開も結末も決まっているのに、それを表す言葉が見つからない。常々、自分の語彙の乏しさに苛立ちを覚える。僕は、学生時代に小説を書き始めた。その時は、毎日が楽しかったのか、いくらでも書くことができた。それが、今では、一日、1ページ未満しか書けなくなっていた。そんな時、窓を眺める。そこには、橙色の景色が広がっていた。全てを包み込みそうな優しい色が、視界を埋め尽くした。その瞬間、懐かしい記憶が浮かび上がった。帰り道にとんでもなく綺麗な夕焼けを見た記憶だった。今日の空は、その日の空の色によく似ていた。
もう少し頑張ってみようと、もう一度、筆を持った。
『夢と現実』
夢と現実の2つの世界で私は生きている。夢の中の私は、人気者だ。しかし、現実の私は、チヤホヤされない暗い人間だ。最近、夢と現実のギャップに悩んでいる。どこで、間違えたのだろうか。そんなことを思っても10代の私は、終わってしまう。あと数十分もすれば20代に入ってしまう。そんなこんなでも私は、流れるような人生を生き続けないと行けないのだろう。
まずは、課題を片付けなくちゃ。
『走』
私たちは、走っている。とある存在から逃げるために。
3日前、突然そいつは、現れた。そして、そいつは、私のクラスメイトを先生を襲っていった。好き放題に世界は、荒れていった。そいつは、ストレスを解消するかのように私たち人間を街を破壊していった。
2日前、学校内は、元の姿を取り戻すのは、不可能なくらい最悪な状態になった。血に塗れた部屋ばかりだ。武器もない、しかし、私は、生きるために逃げた。
3時間前、そいつは、また、現れた。
私たちは、走っている。とある存在からから逃げるために。一旦、撒けたようだ。空き教室があったため、入ることにした。そこには、同じクラスのAがいた。『〇〇生きてたんだ!?』彼は、驚いているようだ。制服もボロボロになっている。気のせいか、頬が痩けたり、クマができたりしている。束の間の休息として、寝たかったが、そのとき隣の教室から、音がした。音には、聞き覚えがあった。そいつが獲物を探して、ガラスや机を破壊している音だ。Aは言う。『窓から降りるぞ』と。私もあまり考えずに飛び込むことにした。着地には、成功したが、しばらく、動けない。しかし、私は、走った。
10分くらい、走り、私たちは、音楽準備室に入った。ここならしばらく過ごせそうだ。
2時間くらい話したり黙ったりしていたが、その時間は、まさに天国だった。
しかし、それも終わりのようだ。コンコンとノック音がする。私は、強烈な恐怖に怯えた。全身から生気がなくなっていった。Aが言う。『〇〇先に行け』と。私は、『嫌!』と言った。とうとう、そいつは、姿を現した。私は、動けなくなってしまった。襲われると覚悟を決めたとき、Aが私の前にいた。私を庇ったのだ。『A!』と涙声で言った。Aは、『走れ!、泣くな、また会おうな』と言って、そいつの方へ向かっていった。
そして、私は、また走った。
『終わらせないでについて』
夢は絶対叶うよと信じて十数年生きてきた。しかし、その言葉は、嘘なのではないかと思う瞬間に幾度となく出会った。その瞬間は、私にとって、成長を与える瞬間か、それとも、希望を断つ瞬間になるのだろうか。それでも私は、嫌になったと言いつつもなんとか歩を進めた......。成長を感じたときは、嬉しいと思ったりもした。しかし、その後には必ず新しい壁が待っている。人生は、そんな瞬間の積み重ねだと私は、考えている。
ある時、誰かが言う「終わらせないで」と......。
そう言っているのは、私以外の人間か、それとも過去の自分か。
そんな空想を考えながら今日も机に向かう。
『太陽の下で生きたかった吸血鬼の話』
僕は、太陽の下で生きることができない。なぜなら、僕は、吸血鬼だからだ。何度祈っても僕は、その光を浴びることができない。僕の世界は、夜だけだ。暗く、孤独な夜だけだ。僕は、お城に住んでいる。最近、太陽の下の世界を窓から見ることにハマっている。度々、考える。この世界に今、飛び込んだら、一瞬にして僕の身体は、灰になるのかなと。僕は、実は、今の日々に飽きて入る。そのため、正直、今、太陽の下に飛び込んでもいいと思っている。じゃあ、なぜ、生きているのか。理由は、恥ずかしいのだが......。とある、人間に恋をしてしまったのだ。最初は、気のせいだ、と思っていたのだが...。いつの間にか、その人の姿を目で追ってしまう。そして、恋に落ちてしまった。
実は、僕は、怖がっている。それは、その人とは、話したこともないし、視界に映ったこともない。それ以外にも怖がっている理由は、あるが、一番の理由は、吸血鬼と人間の恋は、叶わないということだ。前に父に言われたことがある。人間に恋をしてはいけないと。
{数日後}
ある日、僕は、覚悟を決めた。自分の生を終わらせようと。おそらく、彼女と話すことはできないし、過ごすこともできない、だったら、僕の生きる意味は、もうないと。僕は、外へ出た。初めての外の空気だった。そのとき、気づいた。世界は、僕が思っているより、広いということを...。もうすぐで、夜明けが始まり、僕の身体は、灰になる。太陽が登り始める。最初は、少しの火が出ただけだったが、どんどん、火は、僕の身体を大きく、燃やしていく。熱かったが、これしか方法がなかったのだ。僕は、強く思う。これでいい、これで、よかったんだと。