『落ち葉』
風が私の肌に優しく触れます。この時間が私にとって一番好きな時間です。秋の始まりを感じるからです。少し肌寒さを感じますが、それが私にとって幸せです。私は、今日もあの木をスケッチします。独り身になってから、私は、毎日、あの木の絵を描いています。
あー、また、一つ、葉っぱが落ちてしまいました。
『どうしたらいいんだ!?』
ここは、どこだ?陽射しに起こされた気分だ。今、俺は、誰かに誘拐(?)されたのかもしれない。もしかしたら、友達の質の悪いイタズラかもしれない。いや、そう思わせて、欲しい。なぜなら、目の前にデカいテレビがあるからだ。俺は、これから、何が起きるんだ?そんなことを思い始めた。周囲を見渡してみる。窓、テレビ、白い壁、ロッカーがある。それ以外何もない。シンプルすぎるだろと思わず、ツッコミたくなった。あー、昨日の記憶があまりない......。確か、昨日は、一人で、居酒屋へ行ったっけ。でも、おかしいな、昨日は、ベロベロに呑んでいないのに。そういえば、昨日、知らない男に〇〇駅ってどこにありますか?って質問されたっけ。その後に案内をして、それから、俺は......。あれ、記憶がない!いきなり、怖くなってきた。そのとき、テレビに映像が浮かぶ。俺は、それをくいつくように見ていた。知らない男がいる。男は、食事をしているらしい。あれ、これ、盗撮じゃねぇか!その後に画面が暗転し、白い文字が映る。俺は、それを見て、目を疑った。
『画面に映ってる男を24時間以内に殺せば、100万円!ただし、24時間に殺せなかった場合、100万円は、獲得できません!尚且つ、画面の前のあなたは、その男に殺されます!
*途中で、逃げたり、警察へ行くことはダメです。万が一、これらのルール違反を起こした場合は、お仕置きが待ってます!
*殺害方法は、問いません!』
そして、画面にゲームスタート!という文字とタイマーが映る。タイマーは、1秒、1秒と時間が経っていく......。
ガチャと音がしたので、顔を向けるとどうやらロッカーが開錠された音らしい。俺は、ロッカーを開けた。そこには、一丁の銃が置いてあった。
俺は、これから、どうしたらいいんだ!?
『宝物』
私の宝物は、某有名バンドのCDだ。私が自分のお小遣いで、購入したCDだ。ウキウキしながら買いに行ったことを今でも覚えている。今でも、そのバンドのCDが出るたびに買いに行っている。そのバンドのCDを買うことが自分の使命になっているのではないかと、最近思っている。
改めて、歌の力は、すごいと思っている。
『キャンドルの灯』
真っ暗な部屋に一本のキャンドルを点ける。それだけで、私の心は、落ち着きを取り戻すことができる。キャンドルの灯には、なぜ、こんなにも安心感があるのか。そんなことを考えてしまうくらいに私は、キャンドルに惹かれてしまっている。触ってしまったら、火傷をしてしまいそう、まるで秘められた恋のようだなと思った。
『あの灯が消えてしまったら、私の命も消えてしまうのかなー』。そんなことを昔、学校で、キャンプファイアーをしていたときに私は、つぶやいた。そのことについて、Aくんは、こう返してくれた。『消えない。むしろ、救ってくれるよ』と。その日から、私は、灯に彼のその言葉に魅了されていった気がする。
今でも、あの日のキャンプファイアーをもう一度、私は、探しているのかもしれない。だから、私は、キャンドルの灯にその日の全てを求めているのかもしれない。
そう仮説を立てながら、ふっと、キャンドルの灯を消した。
『この街に伝えたいこと』
私は、今、引越しの準備をしている。なぜ、引越しの準備をしているかというと都会の方へ転勤が決まったからだ。新しい場所に行くことは、私にとって、不安を助長させるからだ。昔の私だったら、やったー、と心が弾むのだが...。今の私にとっては、心が弾む以前に、新しい場所で新しい人間関係を作るという行為が面倒になっているのだ。もうすぐ、離れるこの街は、最初は、あまり、好きではなかった。しかし、緑豊かな森、全てを洗い流してくれそうな海のおかげで、この街を好きになっていった。そのため、転勤が決まった時は、かなり落ち込んでしまった。もう、この景色を見る暮らしは、できないことにショックを受けてしまった。それぐらい、自分でも気づかないくらいこの街を愛していたのだ。
ふと、私は、思いついた。引越し業者が来るまでにまだ余裕があるので、今のうちに好きな景色に最後に会おうと思いついた。そして、会えたときには、たくさんの想い出をありがとうと伝えたい。