『キャンドルの灯』
真っ暗な部屋に一本のキャンドルを点ける。それだけで、私の心は、落ち着きを取り戻すことができる。キャンドルの灯には、なぜ、こんなにも安心感があるのか。そんなことを考えてしまうくらいに私は、キャンドルに惹かれてしまっている。触ってしまったら、火傷をしてしまいそう、まるで秘められた恋のようだなと思った。
『あの灯が消えてしまったら、私の命も消えてしまうのかなー』。そんなことを昔、学校で、キャンプファイアーをしていたときに私は、つぶやいた。そのことについて、Aくんは、こう返してくれた。『消えない。むしろ、救ってくれるよ』と。その日から、私は、灯に彼のその言葉に魅了されていった気がする。
今でも、あの日のキャンプファイアーをもう一度、私は、探しているのかもしれない。だから、私は、キャンドルの灯にその日の全てを求めているのかもしれない。
そう仮説を立てながら、ふっと、キャンドルの灯を消した。
11/19/2023, 11:10:47 AM