友達
僕は今、泣いている。
訳も分からず、でも、心のそこでは分かっているのだ。
僕は、友達の大切さを知るのを遅すぎた。
僕があるのは、友達みんなのおかげだ。
『本当に、ありがとう』
忘れたくても、忘れられない恋
俺は、人と距離をおくタイプで人と馴れ合うなんて絶対にあり得ないと思っていたし、周りもそう、思っていた。
でも、ある日の事だ。
そんな事は消えた。
俺と正反対のやつが、俺に、うるさく付きまとってきて言うのだった。
『私、あなたの事振り向かせるんで』
それからも、彼女はうるさく付きまとってきてくるのだ。
それがきっかけで、人に対して距離をおくことが少なくなった。
そんなある日の事だ。いつもは彼女がやって来るのに今日は来ない。
珍しいと思う俺。
いつも通り学校へ着くと、衝撃的な事を聞かされた。
彼女が亡くなったのだ。
小学生を助けようとして、車に激突したそうだ。
俺は、自然と涙がとまらない。胸が熱い。
これが、恋なのかな?
忘れたくても、忘れられない恋
あいつが、いないなんて信じられない。
たそがれ時の恋を。
あの時の光景が浮かぶ。
僕が、大学に進学した時の事だ。
独りの少女が夏の空を見上げていた。
僕は、その人のことを知っている気がした。
否、確かに知っていた。
あの子は、あの時の無口で愛想がない子だった。
僕は、驚き声をあげる。
『君は、転校したんじゃ、』
そう言うと、彼女は軽く笑みを浮かべ。
『戻ってきたんだ』
自然と、僕は涙が出てくる。
僕は、彼女に言いたかったことを言うのだった。
『突然でごめん、僕、君のことを好きなんだ。だから』
そう言うと、彼女はまた軽く笑みを見せ。
『私も』
そう言うのだった。
たそがれ時に僕らは結ばれた。
きっと明日も、君のことを思うだろう。
僕は、君のことを知りたかった。
最初の印象は、無口で愛想がない子だった。
でも、君を見ていく度に、君の心の中には
優しさがあるのだと気づいた。
でも、もう君はいない。
転校したのだ。
僕は、君に恋をしていたことに気づく。
僕は、自然と涙を流していた。
君がいた席を見て僕は、きっと明日も、君のことを思うだろう。
静寂に包まれた部屋で、愛をかわす。
俺は、もう一年近くあいつの笑顔を見たことがない。
それもそのはずだ。
あいつは、ショックで魂のない脱け殻みたいな状態になっているのだから。
そのショックとは、親の死である。
いつかは、誰しもあの世へ旅立つが、あいつ『ミカ』両親の死は早すぎた。
交通事故だった。
それから一年間ずっと、部屋にとじ込もってミカは現実を受け入れない日々を送っていた。
困り果てるミカの祖母。
幼なじみの俺はそれを見かねてミカの家を訪ねることが増えていった。
『ミカ、夜ご飯置いとくぞ』
そういうといつも帰ってくる言葉は。
『うっさいバカ、早く帰れ!』
そういう日々が、続いていた。そんなある日、いつものようにミカの祖母が作るご飯をミカのもとへ持っていこうとした時の事だった。
ミカの祖母が勢いよく倒れた。
『おい、大丈夫ですか?救急車呼ばなきゃ!』
ミカも何事かと珍しく部屋から出てくる。
自分の祖母が倒れている姿を見て、呆然とするミカ。
しばらくして、救急車がやってきた。
運ばれる祖母を見て、涙を流すミカ。
病院に行き着く前に、ミカの祖母は息を引き取ったとの知らせが入る。
すると、ミカは、自分の部屋に走り去った。
泣き声が、聴こえてくる。
たった一人の家族がいなくなったんだ。
悲しいに決まってる。
俺は、なんて声をかけるべきかわからなかった。そっとしとくべきか。迷った。でも、ミカの祖母から言われたことを俺なりに今からミカに伝える。
ミカの部屋の前に着いた。少しドアが半開きだった。
『ミカ入るよ』
そう言って、中に入る。
すると、泣き止んだ、ミカの姿があった。
ミカが、俺に抱き付いてきて言うのだ。
『独りぼっちになっちゃた。怖いよ!』
俺は、その言葉を聞いてミカに言うのだった。
『俺がいるよ。あのさ、俺、ミカのばあちゃんからミカのこと頼まれたんだ。何かあっても、守りきれってだから俺なりにお前を守る』
ミカは、顔を赤くさせ。
『それって、告白してんの?』
俺は。
『こんな俺、ダメかな?』
そう言うと、ミカは黙って、俺にキスをした。
『俺らは、この後静寂に包まれた部屋で、愛を交わした。』