たそがれ時の恋を。
あの時の光景が浮かぶ。
僕が、大学に進学した時の事だ。
独りの少女が夏の空を見上げていた。
僕は、その人のことを知っている気がした。
否、確かに知っていた。
あの子は、あの時の無口で愛想がない子だった。
僕は、驚き声をあげる。
『君は、転校したんじゃ、』
そう言うと、彼女は軽く笑みを浮かべ。
『戻ってきたんだ』
自然と、僕は涙が出てくる。
僕は、彼女に言いたかったことを言うのだった。
『突然でごめん、僕、君のことを好きなんだ。だから』
そう言うと、彼女はまた軽く笑みを見せ。
『私も』
そう言うのだった。
たそがれ時に僕らは結ばれた。
10/1/2022, 11:49:19 AM