冬至。

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4/28/2026, 10:08:04 AM

もうこの世界なんて要らないと思った。
何をしてもそれは一連の動作でしかなかったし、心を動かす何かなんてあるはずもなかった。
ただただ毎日を消化する、それだけの日々。
偽りの笑みを浮かべ空っぽのこころを隠す。
この身などどうでもよかった。
そんな時、きみに出逢った。
何の見返りもなく寄り添ってくれるきみ。
いつの間にかおれの中にするりと入ってきて近くにいるのが当たり前になった。
きみが笑うとおれも嬉しい。
姿が見えないと無意識に探してしまう。
きみと触れ合うとすごく安心する。
過剰だと思うぐらいのスキンシップに嫌悪感を抱くどころかこころが安らいだ。
気付かないようにしているこころの奥底で、
おれはこの人の側に居たいという想いが色濃くなっている事に必死に目を伏せていた。

許せるなら、
ずっとずっときみの側にいたいよ。


                 (生きる意味)

4/26/2026, 9:37:48 AM

あの人のようになれたらよかったなぁ。

見上げる夜空に一際輝く星。
流れるように消えた。
取り残された光たちはひっそりと輝き続けているのに。
刹那な光の方が輝いて見えるのはどうして。



何故だろう。
鮮烈に、惹きつけられる。
追い掛けても行けないというのに。



               (流れ星に願いを)

4/23/2026, 10:10:54 AM

君といると楽しい。
君といると落ち着く。
君がいるから何でも挑戦出来る。
君がいてくれるから笑っていられる。
君がいないと寂しい。
君が誰かと楽しくしてると、ちょっと面白くない。
何もかもが君中心。
優しく触れてくるその手や近すぎるスキンシップ。
いつの間にか入られてたパーソナルスペース。
友だちなのかと言えばそうで、それ以上なのかと思う時もある。
心地よすぎる君の隣り。
たまに感じる熱い視線。
それが気恥ずかしくもあり嬉しくもある。
きっとそれは、おれの都合のいい勘違い。
そうであるはずはないんだ。
この想いがおれだけの錯覚だとしてもこの関係を大事にしたい。
一方的に思われても気持ち悪いだけだろう男同士なんて。
おれはただこのままずっと君の隣りにいたいだけなんだ。

この感情に、おれはあえて名前を付けずにいる。


         (たとえ間違いだったとしても)

4/22/2026, 10:41:45 AM

跳ね上がる飛沫。
一際大きく跳ねておれの元へ届いた。
とばっちりで洋服が濡れる。
「ねぇ…泳ぐにはまだ早いんじゃない?」
洋服を着たままプールに浸かっている彼に責めるように話し掛けた。
「うん?そこに水があるなら飛び込むしかないっしょ」
濡れた髪をかきあげながらキラキラする笑顔で振り返る。
眩し過ぎてクラクラする。
その濡れた髪からポタポタと雫が落ちる。
「きみは魚かよ」
「なんだそれ!」
楽しそうに笑ってまた水中に消えた。
目の前で盛大に水飛沫が上がったと思ったらさっきまで少し先にいた彼の顔がおれの前に現れた。
「ねぇ、お前は泳がないの?」
「誰が泳ぐかよ。大体誰のせいで…」
文句を言ってる途中で腕を力いっぱい引かれて水の中に落ちる。
おいお前ふざけんな。
勢いよく浮上してふざけた顔をした彼を睨みつける。
それも全く効果ないみたいで相も変わらずにこにこ笑ってこっちを見てくる。
「濡れちゃったねー」
そのにやけた顔やめろ。
「誰のせいで!!」
怒鳴りつけてやろうと思ったのにおれの顔に伸びてくる手に驚いて身構えるとそっと額の髪を整えられた。
「もう濡れちゃったし一緒に遊ぼうよ」
ねっ!なんて優しく微笑みながら髪をかき上げる。
その顔にはきれいな流線形を辿ってまた雫が落ちた。
何も答えずに見つめていると、そのまま手を引かれて奥の方へ向かう。
繋がれたその手のその先の背中を見つめた。

そもそもお前のとばっちりで校則違反の罰で2人でプール掃除することになったはずなんだけど?
なんでそんなに楽しそうに水遊びなんてしてんだよ。
なんて思っても結局付き合ってしまう自分に嫌気が差しながら、目の前の彼の手を思いっきり引っ張って水中に沈めてあげた。
たまには反省するといい。

突然の反撃にびっくりして勢いよく水中から浮上した彼は相も変わらず頭から水を滴らせてキラキラと眩しく笑うのだった。
浮かびくる感情に気付かないふりをする。
多分きっとこれはそう…。
こぼれ落ちる感情をそっと隠して今日も彼の側にいる。


(雫)

4/21/2026, 10:15:43 AM

「歳を取るとさー体力も無くなって物欲も無くなるんだって」
「へぇ」
「だからさー」
「うん?」
「そうなる前にお前をちょーだいよ」
にんまり目の前にいる男に笑いかけたら小気味よい音を響かせてあたまを叩かれた。
「痛い!!!なにすんのよ!!」
「人をモノみたいに言うからだ」
気持ちばかり上から見下ろすように冷ややかな目線を向けてくる。
「俺は本気だ!!!」
めげずにその手を取り握りしめると、思いっきり振り払われて鼻で笑われる。
「相変わらず冗談がお好きねー」
何その話し言葉…。
目が笑ってないし、怖い。
「…本気なのに」
本人に聞こえるか聞こえないぐらいの声で反論する。
目線を逸らしてしばらく何も言わないでいるとため息を吐く音がした。
「で、何か欲しいモノでもあるのか?」
「は…?」
思わず不意を突かれてその顔をまじまじと見返した。
「突然そんな事言い出すなんて何かあるんじゃないのか?」
彼の発言がしばらく理解出来なくてそのまま見つめる事となる。
そこまで真剣に捉えられるとは思わなかった。
適当に発言しただけなのにこんなに真に受けられると逆にこっちが戸惑ってしまう。
「ただの求愛行動ですが…」
「冗談はいいから本当のこと言え」
「いやだから…」
「なにか言いづらい事なのか?」
「だからね…」
何でこいつは普通はしっかりしてて器量もいいのにたまにこう的外れな方向に走っていくんだ。
特に俺の告白は全然こいつに響かない!!
「おれに出来ることなら協力するし…」
なんてなおも的外れな事を言い続けている。
「もういい。お前は何もしなくていいから黙っててくれ」
ちょっと気持ちを立て直すから待ってくれ。
俺のことを考えてくれて力を貸そうとしてくれるのは嬉しいしありがたい。
でもそんなものはいらないんだよ。
俺が欲しいのはそんなんじゃないんだ。
わざとやってるなら勘弁してくれ。



                (何もいらない)

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