夜叉@桜石

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6/6/2024, 9:47:24 AM

酒瓶を片手に眺めた夜は、
 禍々しい光をはなつてゐる。
  なんと美しき世界!
夜風に吹かれて凍えた街は、
 痛々しい歴史を隠している。
  何も輝かぬ未来!

天界の悪魔が降りた君は、
 きつと何時までも笑つていて、
冥界の天使が降りた私は、
 必ず何時までも君を探すのだ。

八つの灯りは私を照らし、
誰にも言えない秘密は語る。
また君たちといられるのなら、
私は何だって差し出そう。

6/4/2024, 8:53:03 PM

これはなかなかまずいことになった。
私は家で本を読んでいたのだが、彼との約束の時間はもう過ぎていたらしい。彼はなかなか機嫌が直らない。私は本を置いて、彼を眺める。
整った顔立ちは、かなり使えると思うのだけれど、彼は私たち以外には無愛想なのだから台無しだ。
適度に鍛えられた体は私を持ち上げるなんて雑作もないことだろう。君はなにを考えて、なにを思うのか。時々考えている。君は優しいから、きっと私を見捨てられないのだろうけれど。ちゃんと、置いていってね。
狭い部屋の中で、君と二人。
また、仲直りをしたら彼女のバーにでも行って、みんなで飲もう。今回は私の奢りだから、好きなだけ飲んだらいい。
ご機嫌斜めな君も、無愛想な私も、きっと大丈夫。
この人生も悪くないはずだから。

5/18/2024, 3:03:40 AM

街灯の灯りに集まる虫の羽音、月あかりの下に咲く黒百合。真夜中のバス停は闇に包まれていた。
私の他に誰もいない、暗く、大きく、恐ろしい孤独感が、とても心地良く感じた。
今日は彼らもこの人生の仕事があって、誰も、私を咎めることをしない。この世のものではない、ぼんやりとしたものだけが、そろそろと恐れるようにこちらを覗っていた。
なーんにも楽しくないなんて、そんなことはないけれど、なにかが楽しいことも、きっとないのだと思う。

5/16/2024, 12:16:05 PM

私はほんとに

愛があれば何でもできる?

君はもう何万年も前から、私を好いてくれているらしい。
私が答えなくても、幸せそうに笑っていて、よく解らない。
無愛想で、無表情で、無感情な、なにもない私をただ、とても愛おしそうに見ている。
答えたいけれど、後少し、待って欲しい。

必ず君は、君たちは幸せになってほしいから。

君たちが望めば、私は、何でもできるから。

それが愛でなくとも。

嗚呼、幸せだ。辛いな。

私はまだ生きている。

5/13/2024, 9:56:31 AM

温かな日差しが届く。
若草の上を走り回る君はとても楽しそうで。
きっと私は追いつけない。
永遠の時はない。
でも、その笑顔は、どうか守っていたい。
君はいつまでも、子供のままで

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