これはなかなかまずいことになった。
私は家で本を読んでいたのだが、彼との約束の時間はもう過ぎていたらしい。彼はなかなか機嫌が直らない。私は本を置いて、彼を眺める。
整った顔立ちは、かなり使えると思うのだけれど、彼は私たち以外には無愛想なのだから台無しだ。
適度に鍛えられた体は私を持ち上げるなんて雑作もないことだろう。君はなにを考えて、なにを思うのか。時々考えている。君は優しいから、きっと私を見捨てられないのだろうけれど。ちゃんと、置いていってね。
狭い部屋の中で、君と二人。
また、仲直りをしたら彼女のバーにでも行って、みんなで飲もう。今回は私の奢りだから、好きなだけ飲んだらいい。
ご機嫌斜めな君も、無愛想な私も、きっと大丈夫。
この人生も悪くないはずだから。
6/4/2024, 8:53:03 PM