街灯の灯りに集まる虫の羽音、月あかりの下に咲く黒百合。真夜中のバス停は闇に包まれていた。私の他に誰もいない、暗く、大きく、恐ろしい孤独感が、とても心地良く感じた。今日は彼らもこの人生の仕事があって、誰も、私を咎めることをしない。この世のものではない、ぼんやりとしたものだけが、そろそろと恐れるようにこちらを覗っていた。なーんにも楽しくないなんて、そんなことはないけれど、なにかが楽しいことも、きっとないのだと思う。
5/18/2024, 3:03:40 AM