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4/17/2024, 1:08:07 PM

桜散る

 「ねぇ、私と付き合って。」
彼女には1週間でやりたい事があるそうだ。なぜ、1週間なのかはわからない。詳しく聞こうとすると、はぐらかされる。だけど、彼女は僕にこう言った。
「私と付き合うっていうのは、あくまでやりたいことを一緒にする人って事。だから、何があっても私のことを好きにならないでね。これだけは、絶対。」約束は守るし、君のことを絶対に好きにならない…そう思っていた。
1日目
「男の子と遊園地デート!」パシャッ
2日目
「図書館で勉強会…とデート!」パシャッ
3日目
「公園でピクニック!あっ!あとフリスビーで遊ぶ!」パシャッ
4日目
「熱が出たっていう設定で、私が君を看護する!」
「どんな設定だよ…」パシャッ
5日目
「映画館で2本映画を連続で見て、その後ゲームセンターデート!」
6日目
「お家デート!」パシャッ
7日目
「今日までの事をお互いに手紙を書く!中身は、今見ちゃダメッ!」パシャッ
…この7日間ずっと彼女がやりたいことを僕と一緒にやってきた。デートばっかだったけど、常に笑顔だったから彼女の写真を撮っておいた。久しぶりに、こんなにも楽しかったな。と手紙を書いた帰りに思い出を振り返っていた。来週も、なんかやらないかな?次は自分のやりたいことを一緒にやろうって誘おうかな?
僕は、いつの間にか君の虜になっていた…
8日目
プルプルプル…プルプ…ガチャ
「はい。はい。そうですけど…何かありましたか?えっ?…し、失礼します。」ガチャ
電話がかかってきた。病院からだった。"彼女が今日の朝亡くなったと"いう知らせだった。
彼女は、病気だったらしい。僕と付き合う3日前に、もう残り時間は少ないと伝えたら「まずは、1週間やりたいことをやりたい。」と言っていたそうだ。僕は「じゃあ、寿命だったんですね…」と言ったら、「そうじゃないんだ、屋上から飛び降りたんだよ…」と医師は言った。僕は「は?どういうことですか?」と聞くと、「彼女の机にメモがあってね、そこには"これ以上あの人と一緒に居たら死にたくなくなっちゃう。だから、楽しい記憶だけのときに…」と言った。僕は、現実が受け止められなかった。とりあえず、彼女のお通夜に行く準備をする…
お通夜に行った帰り、彼女がくれた手紙を思い出して開けてみた。僕は、ハッとして息を呑んだ。そこには
"大好き。好きにならないでって言ったのに、自分が好きになっちゃった。楽しかった。ありがとう。"
短い文章ではあったが僕は、嗚咽と涙が止まらなかった。
「僕も、君のことが大好きだ…」と言いながら僕は、その場に膝をついた。
桜散る夜にもう会えない彼女を思い、涙が止まるのを待っていた。

4/16/2024, 1:19:29 PM

夢見る心

 「昨夜、男性が女性を刃物で殺した事件がありました。警察によると…」

ある日、彼から相談があった。
「最近、誰かにつけられてる気がする。」と
「そうなの?女の人?男の人?」と私が質問すると
「女の人だったんだけど、めっちゃ怖かった。」
「スートーカーなんじゃない?」というと
「そうかもしれない。」と真剣そうな顔で言ってきた。
そんなに、怖いなら殺してしまえばいいのに。と心の中で呟いた。私だったら…と考えていると彼が
「明日、帰ってくるの遅いかも。なんか、部長がさぁ…」と仕事が長引く用事ができてしまったらしい。彼は、誰もが知っている会社で働いているらしい。常に忙しいのだ。それなら、そんな彼をつけているストーカーを探したいと思った。
それから、毎日私は一晩中彼のあとをつけた。でも、特に怪しい人はいなかった。逆に、私が誰かにつけられてる気がした…
彼を付け回してから3週間後の日
その日も、いつものように彼を付け回していたすると急に彼が振り返ったのだ。私は、電柱に急いで隠れた。でも、バレてしまったらしい。
「出てこい。」私は、降参し電柱から姿を現した。すると
「やっぱり、君だったんでしょ?僕のストーカー。」と言った。どういうことか、彼がストーカーに追われているというので彼を付け回していたのに。この人は彼じゃなかった。この人は何を言っているんだろうか。
「そんな、不思議な顔しなくてもわかってるでしょ?僕と付き合う前も、僕のストーカーしてたよね?」とニヤッとしながら彼は言うので
「なんで、?」と聞くと
「君はいつでも、僕のことを1番に考えてくれるから。僕が相談すればついてくるかなと思って…あっそういえば、お前も出てこいよ!」と彼は言うと、私の後ろな彼がいた。私は、道路で彼と彼じゃない誰かにはさみうちされていた。よく見れば、二人とも顔が似ていた。
「嘘…」
「嘘じゃないよ。"双子"なんだよ僕たち。気づかなかったの?」
「ごめんなさい。」怯えながら私は言った。そうだ。忘れてた。彼は、嫉妬ぶかかった。
「なんで、僕が今の彼氏だってわからなかったの?なんで?なんで?」そんな彼の手には刃物があった。どうしようそんなことを考えていたら遅かった。私のお腹に、刺さっていた。私は意識をなくした。でも、彼らはニヤニヤとしていた。
…「昨夜、男性が女性を刃物で殺した事件がありました。警察によると…お互いがストーカーだった。そう、…」

…「嫌なニュースばかりだな〜」と私は病室でテレビを。見ていた。なぜか知らないけど、私は昨夜お腹に刃物が刺さっていたらしい。それを、近くに住んでいる人が発見して搬送してくれたらしい。私は、記憶も曖昧になってしまった。この夢見る心は真なのか嘘なのかこのニュースを見ると、頭が痛くなる…

4/15/2024, 1:35:14 PM

届かぬ想い
 
 「どうして?…」と言いながら僕は、気を失った。
僕には彼女がいる。とても優しい。その彼女と付き合って10年が経とうとしている。もう少ししたら、彼女の誕生日だ。僕は、花屋に行って花を選んでいた。まだ、数週間早いけどまぁいっかという気持ちで花を選び購入した。そして、彼女の家に泊まったとき指を内緒で測って婚約指輪を作った。僕は、彼女にプロポーズをしようと思う。でも、今日は早めに花束だけを渡そうと決めた。彼女の家に向かった。
ピンポーン…ガチャ
「は〜い。あれっ?どうしたの?」と聞く彼女の目の前に僕は花束を差し出す。
「ちょっと早めの誕生日プレゼント!花束!」と僕。
「わぁ!綺麗!誕生日当日まで枯らさないようにしなくちゃっ!」というので、僕は嬉しかったし早く彼女の誕生日が来てほしいも思った。
「部屋上がってく?」というので、
「じゃあ少しだけお邪魔しようかな。」と言うと、
「ちょっと、待っててね!部屋片付けるから!」と言って部屋の中に姿を消した。15分程度待っていたら、
「おまたせ!」と彼女が言うので、僕は部屋の中に入った。
彼女の部屋に入ったのは久しぶりだった。ここ最近は、断られてばかりだったから。それから何時間かしたあとに、僕は彼女の部屋を出て家に帰った。
誕生日当日、僕は指輪を準備した。今日僕はプロポーズをしようと思う。この10年間彼女に尽くしてきた。だから、断られるはずがない。彼女の家につく。
ピンポーン…ガチャ
「いらっしゃい〜。」と彼女が言って、中に上がらせてくれた。
「お邪魔しまーす!」と僕が靴置き場の靴を整頓していると、明らかに僕ではない知らない男性の靴が一足あった。僕は、彼女のお父さんのかと思いそのときは気にとめなかった。だが、誕生日会が進むにつれて彼女の部屋に違和感を感じた。まず、エプロンが前は一個だったのに2個になってること。洗面台の歯ブラシが2個になっていること。さまざまな場所で僕ではない誰かを家に上げた形跡が残されていた。そんなことを考えながら彼女を見るとケータイばっか見ていた。家に来てからずっとケータイで何かやり取りしている。もしかして…そんなことを思いながら、彼女と何か話すきっかけを作ろうも思い
「ねぇねぇ!僕がプレゼントした花束って…」そこまで言うと彼女は、
「あぁ〜、枯れちゃった。だけど、ドライフラワーにして、飾ってあるよ。」と彼女が指を差した方を見ると飾られてた。嬉しかった。でも、嬉しい時間はつかの間だったドライフラワーを見に行こうと彼女に背を向けた瞬間。ドンッ!と鈍い音が鳴り、後ろを向くと知らない男がいた。彼が持っているバッドの先には血が付いてる。僕の頭から、温かいものが垂れる。血だった。
「どうして?…なんで?誰その人、せ…説明してよ。」と彼女に言うと、彼女は冷めた目をして、
「うるせぇんだよ。私はずっと我慢してきたの。好きでもない人から金だけとるために一緒にいたの気づかなかったの?ハハハッ。あなたに最初から好意なんてなかったのよ。」と言った。すると、僕のズボンの左ポケットから何かが出てきた。あぁ、そうだった。彼女にプロポーズをする予定だったんだ。
僕は、男性に首を縛られてる。彼女と目が合う。笑ってる。僕は、息ができなくてもがく。すると、上からドライフラワーが落ちてきた。
ドライフラワーのように色褪せた僕の届かぬ想いは、彼女に伝えられなかった。

4/14/2024, 1:01:14 PM

神様へ

 「神様へ
私は、思い出しました。父と母。そして、お兄さんを…」
朝、私が目を覚ますとそこは病院でした。周りには何もなく、私とベッドだけの部屋…私は、なぜ病院にいるのかわかりませんでした。病院に来る前の最後の記憶は私は"笑っていた"。ただ、それだけでした。
私がぼーっとしていると部屋に白衣を着た男の先生。そして、看護師さん。が並んで入ってきました。
「どうだい?体の調子は。何か、変なところはないかい?」と先生が言いました。私は
「大丈夫です。」そう一言だけ言いました。すると先生は真剣な顔をして私に
「ここに来る前の記憶はあるかい?」そう聞きました。なので、私は
「はい。あります。"笑っていました"。」と答えました。すると近くにいた看護師さんが顔を強張らせながら、
「"笑っていた?"」と。声を震わせながら言いました。
私は「はい。」笑顔で答えると、手で口を押さえ部屋を急いで出ていきました。どうしてだろう?そんなことを思っていると先生が「すまないね。緊張しているみたいだ。」そう言って、看護師さんのあとを追おうとしていたので急いで私は、
「先生っ!私の家族はどこですか?」そう言うと頭が少しだけズキッとし、こめかみを抑えていると先生はこちらに振り向きながら
「大丈夫。無理に思い出そうとしなくて。ゆっくりと思い出していこう。そうすれば、家族のことも思い出せるよ。」そう言って、去っていきました。

…私が廊下に出ると、少し遠くの方の椅子に看護師が顔を青ざめながら座っていた。
「大丈夫かい?」そう聞くと、
「大丈夫なわけないじゃないですか。聞きましたか?あの子…ここに来る前の記憶が"笑っていた"って。気持ちが悪いです。あんなの人間じゃない!自分の家族をみんな殺して、ついでにバラバラにして…警察が行ったときには、"笑いながら"お父さんの顔面をぐちゃぐちゃに…」そこまで言うと彼女は口元をまた押さえ逆流してくる胃物を我慢していた。私は
「あの子にも、心が壊れてしまう理由があったんだよ。あの子の体を見ただろう?傷だらけだったじゃないか。聞いただろう?警察から。家族から虐待されてたと…」苦しまぎれにそう言った。


…私に何があったんだろう。なぜ、家族が居なくなったんだろう?ゆっくりと思い出していたときに私はハッと息を呑んだ。そうだ。
「…私が殺したんだ。」
家族のあの怯え方、悲鳴、何もかもが私にとっての快感だった。そして、あのとき私はとても…
「楽しかった。」
気づけば私の口角は上がっていた。

4/13/2024, 1:24:28 PM

快晴

 パシャッ…パシャッ。シャッターの気持ちのいい音が屋上に広がる。
「今日も綺麗だな〜。」そんなことを呟きながら、僕は空の写真を撮る。シャッターを切るのに夢中になっていたら、同じクラスの女の子が泣きながら屋上に入ってきた。僕はびっくりしたがその顔に馴染みがあった。僕は、その子に近寄り
「だっ…大丈夫?なんかあったの?」とハンカチを差し出しながら聞いた。すると女の子は、驚きながらも僕のハンカチを受け取り涙を拭いながら
「大丈夫…大丈夫。ごめん。ありがとう。」と素っ気ない返事ではあったが、僕にお礼を言って去っていった。僕は気がつくと、何か彼女にあったのではないかと心配になった。だって彼女はいつも、笑顔で明るい人だから。
次の日
僕が学校に登校し、教室に入ると彼女は教室の窓側の席隅っこで俯いていた。僕は、不思議に思った。あれ?いつも一緒にいる子達がいない。なぜだろうと教室を見渡すと、廊下側の机に固まって彼女の悪口を言っていた。何かあったんだな…そう思った。
授業が終わり、僕はいつもの屋上に行った。屋上に着くと、カメラを準備し空を撮り始める。僕にとってこの時間は癒やしの時間でもあり、学校生活で唯一上を向ける時間だから僕はこの時間が大好きだ。今日も空に夢中になっていると、彼女が来た。服が汚れていた。僕は、彼女に駆け寄り
「ど…どうしたの?服が汚れてるよ?何かあったの?」そう聞くと、彼女は俯きながら泣き出した。僕はどうしていいかわからず、とりあえず彼女を抱きしめ
「ここは僕しかいないから、たくさん泣いていいよ。」そう言うと、彼女は僕の背中を掴みより一層大声で泣き出した。彼女が泣き止むと、ぽつりぽつりと僕に話だした。
「あの子達にいじめられてるんだ。いつも、私はあの子達に合わせてた。私、友達がいなかったから…」と彼女は、あの子達と今日に至るまでの話をしてくれた。しばらくして僕は、うつむいている彼女に話始めた。
「僕も中学生の時クラスの子からいじめられてたんだ。。だけど…ある女の子が僕をいじめるやつに仕返しをしてくれて、それから常に僕の側にいてくれるようになってね。ある日その子が"ねぇ!空をみて!綺麗だよ!"って言って僕も見上げたときの空に感動したんだ。雲一つない快晴の空がオレンジ色にグラデーションされていて。それが印象的でずっと、上を向いてあの子と見た空をもう一度見れるように、毎日、上を向いてシャッターを切ってるんだ…」そこまで言うと彼女は僕の方を見て目を丸くしていた。
「あのときのお返しだね。次は、僕が君を守るよ。」
そう言うと、彼女の表情は緩み微笑んでいた。
「ねぇ、空をみて!綺麗だよ。」と僕が言うと、彼女は上を向き
「私の真似しないでよ。」と笑いながら言ってきた。その時の彼女の表情と雲一つない快晴の空にオレンジ色にグラデーションされていて…
僕は思わずシャッターを切っていた。

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