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3/29/2024, 5:49:22 AM

私にとって
見つめられることは警戒すること

人間にとってそれは
普通なことなの?


……たまにご飯くれる人間はいるけど


食べれるとは限らないものもあるし
基本食べないよ

それで私の兄妹が
いなくなったこともある


同種以外の生き物は
ほんとよく分からない


[見つめられると―猫―]

――――――――――――――――――――

色のあるものって不思議


ぱっと見ても
じっと見ても

色んな印象がある

人によっても
印象が違うところも
また面白い

固定概念があっても
そこから生まれる発想を
色んな人に聞いて回るもの楽しい

もし色に
私たち人間のように話せたりするなら
話しながら生活してみたい

もしかしたら

人間に性格があるように
色にも色んな性格があれば
楽しいかな?

赤と言っても落ち着いてるみたいな
真逆な性格とかだったら……

ふふ、妄想でしかないけど
いいかも

[見ること―好奇心―]


―――――――――――――――――――

中学の時

初めて同じクラスになった
女の子がいる

特定の誰かと仲良くするわけでもないけど
それなりにみんなと話している所を見たことがある


でもその子
不思議なところがあった

誰とも話していない時は
ずっと窓の外を見ている

何度かその目線の先を辿っても
何もないし
誰かがいる訳でもない

そしてもう1つ不思議なこと
その子の瞳って
涙の膜があるような
水が表面にあるような…
言葉では表しにくい瞳だったんだ


「何を見てるの?」


なんて、声をかけたかったけど
なぜか不思議という先入観で
恐怖も少しばかりあって
緊張を覚えていたから
結局1度も声をかけられなかった


…………そしてその子は
ある日突然姿を消した


[見つめる先―不可思議―]




3/28/2024, 6:08:12 AM

心のことなんて
特に何も無い日常だと
気にする事はない

体の中に
波打つ感覚
あたたかいような感覚
苦しいような感覚

感じるのは
幸せよりも傷ができた時に
強く感じて、気づくことも多いような気がする

誰かに慰めてくれとか
望まないけど


雨が降っているような
曇っている心には
気分はよくないかな、と思う


[My Heart]

3/24/2024, 3:23:21 PM


誰にも会いたくないなーって
何も予定がない時にそういう気分になる


天気が悪いとか
嫌なことがあったからとかでもない

ただ何となく


曇りでも晴れでも
これはところにより雨


[ところにより雨]

3/24/2024, 5:02:30 AM

次の街に向かっている途中

雨に降られて洞窟へ駆け込み
安全な事を確認し
そこで雨宿りをすることにした老爺と少女

任務の途中
倒した魔物が落として行った一定量のものをしまえる袋から
2人分の毛布出し、焚き火でも温まりながら
ご飯を食べ終え、ゆっくりとした時間を過ごしていた


「……お兄ちゃん、眠くなってきたから先に寝るね」
「ん。今日も疲れたよな、おやすみ」


パチパチと木が燃える音
ポツポツと地面を叩く雨音

ゆっくりと過ぎていく時間に
老爺―少女の兄は眠っている少女へと顔を向ける
静かに眠っている少女に安堵して笑みをこぼす


皺の多い自分の手が目に入る
本来であれば20代の姿であるはず
その手は見る度に胸が締め付けられる


呪いはどうすれば解けるのか―

呪いをかけた魔族が誰なのか
この呪いの影響なのか、精神的ダメージなのか
一部記憶の欠落により情報を集める事もままならない


「……ふぅ」


今悩んで仕方ないと、暖かい飲み物を用意し
深く息を吐き出して目を閉じる

気持ちにわだかまりができた時
父母の笑顔と平穏に過ぎていった日々のこと
もうその時戻ることは出来ない

残された力で守れるのであれば
兄にとって特別な存在は
何を犠牲にしても…なんてことは考えてはならない


これ以上に自分も含め
無くならないように




[特別な存在]―「2人きりの旅」老爺(兄)視点より―

3/22/2024, 4:06:54 PM


老いた姿になった兄は魔物と出会しても
身体能力の衰えを一切見せない

少女も戦えないわけではない
しかし、生まれつき使うことの出来る魔術はまだ未熟

兄の背に守られ
サポートするにしても不発に終わることもあった


「…………」


依頼に出かけた兄の帰りを待っている中
誰の邪魔にならない森の中で
切り株に座り、魔術書を真剣な面持ちでそれを読んでいる


ずっと悩んでいるのだ


1人でも戦えるような、兄をちゃんと守れるような―
そうなりたい。そうならなければ…


幾度となく兄の背を見ている内に
その気持ちはどんどん大きくなっていた


実践もしているが
どうも安定しない


「はぁ…今日はもう止めよう」


地面を見つめて軽く目を伏せる
陽も傾いていたため、今回泊まる宿屋へと戻って行った


―――――


「あぁ、帰ってきたか。おかえり」

「―…ただいま」

依頼から帰ってきていた兄が少女の姿を見て
皺のある目を細めて笑った

依頼達成料として受け取ったお金で調達したのか
ハーブティーを入れている兄

空いている椅子に腰を下ろすと
ほどよく蒸らされた
ハーブティーの入ったカップを差し出してくる


「……ありがと」


普段通りの兄

少女が1人で魔術の特訓をしていることを
きっと知っているはずだ
だが、励ます言葉も心配する言葉も口にしない


―本当にいつも通り―


ハーブティーを口に含むと懐かしく思う
国王であった父とお菓子をいつも焼いてくれた母
2人の笑顔を思い出す


(焦ってたのかな、私…)


鼻の奥がツンとするような感覚を覚え
それを振り払うように一気にハーブティーを流し込み
兄の方に顔を向けて一言告げる



「クッキーもある?あるなら、ちょうだい」


妹の言葉に優しく微笑む

小さな紙の袋を取り出して
台に置き広げれば、2人でクッキーを食べたのだった



[バカみたい] ― 「2人きりの旅」妹視点より―

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