もう夜も更けたというのに、
アイツの空模様はまるで快晴だった。
「よし、次はあそこ行ってみようぜ」
街のネオンに誘われてふらふらと歩く様子は、街頭に集まる蛾のそれだ。
さっきから石油王もドン引きしそうな額の領収を何度も切っているのだが、本当に大丈夫なのだろうか。
「心配すんなって」
不安になる私をよそに、アイツは次の店に吸い込まれていく。
このまま先に帰ろうかとも考えたが、流石に置いていくのはバツが悪く、渋々後を追う。
『いらっしゃいませ!』
店に入ると、煌びやかな格好をした女性たちが笑顔で迎え入れてくれ、全員がテレビにも滅多に見たことのないくらい美しかった。
俺はあまりにも突然の出来事に空いた口が塞がらなかった。
何故ならその女性たちの中に紛れて、際どい格好のアイツが出迎えてくれていたからだ。
『お誕生日、おめでとうございます!!』
灰色だった俺の空模様は、一気に快晴となった。
水面に鏡のように映った自分の姿、相対する2人の私。
片方の私は誰にでも愛想良く振る舞って、
もう片方の私は他人にとんでもなく悪いことを言ってしまう。
優しい私と悪い私、一体どちらが本当の私?
水面の底からあぶくが立って、ざぶりと女神様が姿を現した。
「貴方が落としたのはどちらの貴方?」
女神様の横で優しい私と悪い私が私を見つめていた。
私がどちらかの私を選び、私が選んだ私が本当の私となるのだろう。
私は少しの間沈黙し、そして答えた。
「どちらも本当の私です」
女神様はニッコリと微笑んだ。
「正直者の貴方には、この金の貴方を授けましょう」
この日から私の体は金色になった。
後日、私の体から出る汗などの黄金の排泄物を巡って世界中を巻き込んだ大戦が起こるのだった。
いつまでも捨てられないもの。
他人をうまく褒められない。
素直に謝れない。
自分が正しいと思い込んでしまう。
そんな私のしょうもないプライドだ。
自転車に乗って、君の元へ行くよ。
日照りの中、嵐の中、どこへだって行くよ。
大きな湖をぐるりと一周。
達成感はあったけど、それだけだ。
蛇行運転、お巡りさんに止められて持ち物検査。
悪い事は良くない。それだけだ。
心の健康法
やたら精神が不安定な時がある。
そういう時は無理に何かしようとするのではなく、とりあえず早寝早起きをしてみると、
次の日は気分が良かったり、何かいいことを思いついたりする。
案外、不健康な生活が1番、不安定な精神を生み出していたりするのかもしれない。