水面に鏡のように映った自分の姿、相対する2人の私。
片方の私は誰にでも愛想良く振る舞って、
もう片方の私は他人にとんでもなく悪いことを言ってしまう。
優しい私と悪い私、一体どちらが本当の私?
水面の底からあぶくが立って、ざぶりと女神様が姿を現した。
「貴方が落としたのはどちらの貴方?」
女神様の横で優しい私と悪い私が私を見つめていた。
私がどちらかの私を選び、私が選んだ私が本当の私となるのだろう。
私は少しの間沈黙し、そして答えた。
「どちらも本当の私です」
女神様はニッコリと微笑んだ。
「正直者の貴方には、この金の貴方を授けましょう」
この日から私の体は金色になった。
後日、私の体から出る汗などの黄金の排泄物を巡って世界中を巻き込んだ大戦が起こるのだった。
8/19/2023, 1:43:14 PM