#42 『美しい』
美しきもの。
私たちは、何に「美しい」と感じるのだろうか。
朝焼けの空、広がる海、静かな森。
自然の壮大さに息をのむ時、心は震え、希望が湧く。
けれど、美しさはそれだけじゃない。
雨上がりの街の光、小さな花の精一杯の輝き、子どもの笑顔、
誰かの優しい手。日々のささやかな瞬間にも、
美しさは確かに宿っている。
完璧でなくても、不完全さの中にこそ、
真の美しさがあることだってある。
美しいものに触れる時、私たちは心で感じ、
内なる感情が呼び覚まされる。
喜びも安らぎも、切なさも、痛みも。
それらすべてが混じり合い、深く心に刻まれる。
「美しい」という言葉は、きっと、魂が共鳴し、
最も純粋な感情が呼び覚まされる瞬間に贈られる最高の賛辞だ。
そして、その感動こそが私たちを人間たらしめている、
かけがえのない宝物なのだ。
#41 『どうしてこの世界は』
幼い頃、私たちは無限の可能性を信じていた。
しかし、成長するにつれて、社会のルール、周囲からの期待、
そして自分自身の限界に直面する。
理想と現実の間に生じるこのギャップは、
時に私たちを深く傷つけ、無力感に苛むことがある。
SNSなどで他者の輝かしい生活を垣間見るたびに、
自分の現状との比較に苦しむこともあるだろう。
#40 『君と歩いた道』
雪が溶け、春が来る。
季節の移ろいとともに、僕たちの足跡も消え去っていく。
残るのは、胸の奥に深く刻まれた、許されない罪の記憶だけ。
それでも、僕は後悔しない。
君と歩いた道は、たとえそれが罪の道だとしても、
僕の人生で最も美しい時間だったから。
そして、きっと君も同じだろう。
この罪は、僕たちだけの秘密。
誰にも理解されなくても、僕たちだけが知る真実だ。
---許されない罪---
#39 『さあ行こう』
どんなに深くても、夜明けは必ず来る。
もう一度立ち上がろう。
失ったものより、得た経験を胸に。
さあ行こう、ここからが本当の勝負だ。
#38 『水たまりに映る空』
私は息をのんだ。水たまりの中から現れたもう一人の私が、
私に向かって、ゆっくりと顔を上げた。
その目は私を深く見つめ、そして、にやりと笑った。
私の足が水たまりの中に引きずり込まれていく。
抵抗しようにも、体が思うように動かない。
視界が水面の揺らぎとともに歪み、やがて、私の視界を埋め尽くしたのはあの水たまりに映っていた不自然なほど濃い夕焼け空だった。私はあの水たまりの「向こう側」に閉じ込められてしまったのだ。
最後に聞こえたのは、、、
どこか遠くで楽しげな笑い声がするような気がした。
あの水たまりは今もそこにあり、次の「私」を映し出しているのかもしれない。
---閉じ込められた世界---