ストック

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7/25/2023, 11:53:45 AM

子どもの頃は、籠の中の小鳥がなんだかかわいそうだと思ってた。
空はこんなにも広く、大地は何処までも続いている。
その翼があれば何処にでも行けるだろうに、鳥かごの世界しか知らないで終わってしまうなんてって。

でも、その考えは変わっていった。
外の世界は確かに限りなく続いているが、過酷な世界だ。
食べ物を得ることも大変だし、敵に襲われてしまうかもしれない。
だったら、鳥かごが彼/彼女にとって世界の全てだったらどうだろう。
食べ物を探す必要もないし、暖かい寝床もある。傷つけられる心配もない。
何より、飼い主の愛情を生涯に渡って一身にに受けることができる。
彼/彼女にとっては、鳥かごで生きることが幸せなのではないかなって。

え?
それじゃあ、外の世界をもう知っているならどうなんだって?
意味のないことを聞くんだね。
外の世界のことなんて、忘れてしまえばいいじゃないか。
大丈夫。ここは、キミのために用意した鳥かごなんだから。
美味しい食事もふかふかのベッドもあるし、キミのことを傷つける者もいない。
何より、僕の愛情をキミにぜんぶ捧げるよ。
外の世界のことなんて、すぐに忘れてしまうさ。

必ず幸せにしてあげるからね。僕の愛しい小鳥さん。

7/24/2023, 2:23:04 PM

友情が別の感情に変わるきっかけは、大抵ほんの些細なこと。
時にはきっかけにさえ気づけずに、変わってしまっていることさえある。

いつからだろう。
貴方のことをずっと目で追うようになったのは。
貴方の誕生日プレゼントを探すのにこんな真剣になったのは。
貴方の笑顔が他の人に向けられていると辛く感じるようになったのは。

「ずっと友達でいようね」

幼い日の約束。
そのときは永遠にこの関係が続くことを願っていたけれど、今はその約束を後悔している。
私は、友情のその先に進みたいと願ってしまった。

どうしたらいいんだろう。
この想いを告げてしまったら、貴方は私から遠ざかっていってしまうかもしれない。
だったら、このままずっと友達でいた方がいいんじゃないかとも思う。
でも、貴方が他の人に取られちゃうかもしれない。

「○○ちゃん、おはよう!」
屈託のない貴女の笑顔。眩しくもあり、とても遠いものにも感じた。

7/23/2023, 11:01:42 AM

一面に咲いた深紅の花。
花にそこまで興味はないけれど、美しいのにどこか不気味な花だ。
ざあっと紅い花弁が舞い上がり、『神』が降りてくる。

だけど、不思議と怖くはない。
彼女が傍に居てくれるから。

約束したんだ、彼女と。
全部消して、全部終わらせるって。
この深紅の花もひとひらも残らず消してやる。

たった一晩だけ咲き、朝日を待たずに散ってしまう紅い花。
なのに、ずっと咲き続けていた紅い花。
この日、ようやく、散る時を迎えた。

~ Imaging "SIREN" ~

7/23/2023, 6:09:14 AM

もしもタイムマシンがあったなら、貴方との関係は今と違うものにできるのだろうか。
それなら、どこまで遡ればいいんだろう。

貴方との決裂が決定的になったとき?
貴方と私の信念の違いにお互いが気づいてしまったとき?
私が貴方にほんの少し違和感を抱いたとき?
私が貴方を信頼できたとき?
貴方が私の前に現れたとき?

どこまで遡っても、結局は同じことになってしまいそうな気がする。
なら、いっそ出会わなければよかったのだろうか?

貴方が遠くへいってしまってから、私は毎日そればかり考えている。

7/22/2023, 6:07:32 AM

「今、一番ほしいものは何?」

キミは上目遣いに僕を見上げる。そして考え込むように俯いている。
「何でも言って。遠慮しなくていいよ」

キミは俯いたまま小さく言った
「自由がほしい」
目線の先は、手錠で繋がれた手首がある。

ごめんね。
大好きなキミのお願いでも、それはあげられない。

だって、それをあげてしまったら、
僕の一番ほしかったものがなくなってしまうから。

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