一面に咲いた深紅の花。
花にそこまで興味はないけれど、美しいのにどこか不気味な花だ。
ざあっと紅い花弁が舞い上がり、『神』が降りてくる。
だけど、不思議と怖くはない。
彼女が傍に居てくれるから。
約束したんだ、彼女と。
全部消して、全部終わらせるって。
この深紅の花もひとひらも残らず消してやる。
たった一晩だけ咲き、朝日を待たずに散ってしまう紅い花。
なのに、ずっと咲き続けていた紅い花。
この日、ようやく、散る時を迎えた。
~ Imaging "SIREN" ~
7/23/2023, 11:01:42 AM