漣 蓮斗 月一更新かも

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10/28/2024, 10:07:27 AM

テーマ 紅茶の香り

裏道を通って街を抜ける。そして、森の奥深くに僕は入っていく。
「カラン」
「..!おや、来たんだね」
紅茶を飲んでいたあの人が話しかけてきた。もちろんここは知る人ぞ知るカフェ。
「今日は自然を見ていたくて」
素直に思っていたことを言い窓際の席に座る。
「..やっぱ綺麗だなぁ」
窓の外の景色は
綺麗で、
鮮やかで、

まるで綺麗に描かれた絵画のように、

ずっと残しておきたい物だった。


「ねー綺麗でしょ」
「..外の景色をみる限り結構周辺の木を切っているんだね」
「御名答!いやー大変だったよ〜」
ドヤ顔で言うあの人。




あの子みたい。

「褒めてくれてうれし〜!」



そうだ、

あの笑顔、

あの子の笑顔は、

もう、

なくなったんだ。

「?どうした?」

あの子は、

死んだんだった。

自然の家のカフェに涙が零れ落ちた。

おわり

10/25/2024, 10:34:30 AM

テーマ 友達

「..おい起きろよぉ」
「...いーやーだー」
朝から目の前にいたこいつは幼馴染。
「起きないとお出かけ取り消すぞー」
「..まってまっまってまって起きる!起きるからー」
跳び上がるように起きる。
「じゃあ待ってるからなー」
そう言い、僕の部屋から出ていった。
数分後、僕は支度を済ませて一階へ降りていった。
「じゃあ行くかー」
「おっけー」
外に出て、ゆるい会話を挟みながら目的地まで歩いた。

「おっ」
「来たーショッピングモールー」
「で?何買いに行くの?」
「勉強道具、あとはぶらぶらとお店見ていくよ」
「勉強..勉強したくないよぉぉぉぉ」
「おい、今大事な時期なんだから勉強しないと」
「うぅぅ」
ショッピングモールは広く、一日で回りきれないくらい大きかった。

数時間後、絶対買うものは終わったので軽くお店を見ていた。すると、
「あ!あいつじゃーん!」
「おぉーお久ー」
「こんなに大きくなって..」
「お前は僕のかぁちゃんかっつーの」
「w」
くすっとあいつが笑った。
「なー一旦こっち来てくれるー?」
「おっけー、ちょっとまってて」
「はーい」
僕は昔の友達?、まぁあいつが住む場所変わって結構離れてしまっただけだけど、まぁそんな奴に付いていった。少し人の少ない所に来た瞬間、
「ねね!あいつってなんて名前?」
開口一番言われた。
「..誰のこと?」
「ほらあの子!お前の横にいただろ?」
「..あぁあいつか」
そーいや合わせてなかったな。そう思っていた瞬間、
「めっちゃあの子、タイプなの!付き合いたいよー」
「..は?」
突然爆弾を落とされた。僕は少し苛立ちを覚えた。なんでかは分からない。
「だーかーらお願い!友達だろ?」
友達...か。
「..あいつに直接聞きなよ」
「勇気がないから無理!」
「....直接聞け」
そう言い、僕はあいつの所に戻った。

「おー帰ってきたな、なんだったの?」
「ちょーしょうもない話だった」
「ほぉ、じゃあぶらぶらと探索するか」
「おー」
胸のところがモヤモヤしたまま、二人で探索した。
でも、自分自身が気分が悪いことは自分でも分かった。

つづく

まだ続きかけてない

10/22/2024, 10:33:56 AM

テーマ 衣替え

「ハクションッ」
あぁムズムズする。
「お前もう寒いのkハクションッッッ」
「お前のほうが寒さに耐えれてないじゃん」
「なっ」
「www」
他愛もない会話が続いている今日。

「ちょっくら外で服かったりするために行ってくる!」
あいつが僕らの家(シェアハウス)から出ていった。
「..!あいつ..スマホ忘れるなよ..!!」
十分後、あいつのスマホを持って僕は家を出た。


「お〜お前も出たのか〜」
「お前のスマホを渡すためにだよ!!!」
「ありがとな〜」
そう言うと僕たちは解散した。
少し歩いた時、

「「「「ガコンッ」」」」
すごく強い音がした。
「なんでッッ」
弱々しいあいつの声が聞こえた。

...ん?あいつ?

急いで音がしたところに行った。
「...どうして」
どうして、

あいつが潰れているの?

その光景はあまり直視することが難しかった。
あいつが潰れてて悲しい、悔しい、
そんな感情よりも
「僕が救えなかった」
「僕なんてそんな奴だったんだ」
「早く気づけばよかったのに」
僕を軽蔑する感情が溢れていた。

あ、雨が降ってきた。

ただの事故現場には真っ赤に染まったあいつが水に濡れて色が変わっていた。

おわり

10/17/2024, 10:59:28 AM

テーマ 忘れたくても忘れられない

「「「「王様の子だ!王様の子がやってくる!」」」」
「城下町に来てくれるの?」
「ぜひ挨拶してみたいわ」
「しかしなんでわざわざ城下町に来るのでしょうね」
「「ねー」」

城下町の民衆がワイワイと話している。
「どうしたのですか?」
使用人の一人が王様の子供、僕に言う。
「..なんでもないよ」
ニコッと僕は答える。
「...そうですか、何かあったらお申し付けください。」
使用人はパタンと扉を閉めた。

「..用もなく城下町へ行ってはいけないのですか?」
王様の子、その肩書だけで人が集まってくる。
でも、その人達は

僕自身を見てくれない。
ただ、

"王様の子"という所しか見てくれない。

「どうして、どうして、どうして」
頑張っているのは、
「さすが王様の子」
違う、違う、そう言われたいわけじゃない。

「この僕を見てくれよ...」
綺麗な部屋でその声が響いた。


「..君ひとり?」
母上やお父様に隠れて外へ出た。すると少年が話しかけてきた。
「..そうだよ」
「へぇ〜じゃあ一緒に遊ぼ!」
こんな子初めて見た。いつもは、
「何してるの?」
「...王様の子がどうしてこんな城下町に?」
「少しがてら散歩に」
「王様の子は忙しそうなので僕達は去りますね」
「..!」
違う、違う、ただ僕は一緒に遊びたかっただけなのに。

「いいよ。遊ぼ」
そう言い、僕達二人はたくさん遊んだ。
「明日も遊ぼ!」
「..うん!いいよ。」
身分関係なく遊んでくれるのが嬉しかった。


あの子と遊ぶために待っていたある日、
待ち合わせ時間を過ぎてもあの子が来なかった。
「速報だ!子供が死刑だって!」
「何をしたんだ?」
「王関係のことらしい」
「やっぱり王様達こわいな」
「「ねー」」

「..!まさか」
僕は走った。その子供が死んでしまうというところで。

「..なんで」
知りたくなかったが、あの子が立っていた。
「..!あ!来てくれたの!」
元気なあの子、あの子の笑顔の裏には悲しみが入っている気がする。
「..どうして」
「僕のせいだから気にしないでね!」
何故か元気な笑顔であの子は死んだ。


「..あんな子と遊ぶからいけないんですよ」
家来や使用人から声が聞こえた。
「王様の子にはちゃんとしてもらわないと」
うざい、うざい、うざいったらありゃしない。

「もう、王様の子は嫌だ」
部屋にそんな言葉を吐き捨てて、

この国から僕は去った。

おわり

10/16/2024, 10:58:38 AM

テーマ やわらかな光

「...は?」
いつもと同じように扉を開ける。
そしたら、
「あなたは誰?」
幼い幼女だった。
「..僕はねーーーー」
そして僕は説明した。
「へぇくすり?をつくってるんだねぇ」
幼女はゆっくりそう口にした。
「そうそう、危ないから一旦部屋から出よっか」
そう催促し、僕達は部屋を出た。

さてどうしようか。ここは幼女にとっては危険だ。
「ねぇ君、名前は?」
「なまえ..?なまえってなぁに?」
「名前はね、自分のために作られた大切な言葉のこと」
ちょっと違うかもしれないけど説明した。
「ん〜 あ! ひけんたいにじゅうなな って言ってた!」
最悪だ。よりにもよってあいつの実験体だなんて!。
「そっかぁ、じゃあこの人知ってる?」
そう言ってあいつの写真を見せた。
「...このひとやだ」
嫌われてやがる。こりゃまた面倒くさくなった。

「ねぇ私どうなっちゃうの?」
可愛らしく首を傾ける幼女。その少女の目には生気がなく、絶望を表しているようだった。
「わかった、けいさつの人に会いに行こう」
「..うん!」
元気に返事をする幼女。生気は戻らない。この少女、声でしか感情がわからない。


「この子、一人で家の近くに居たんですけど、自分の名前も無く、親もいないんです」
「...はい」
「ねぇねぇ、私名前はあるよ ひけんたいにじゅうなな っていうのが」
「!!!」
周りにいた警官が目を見開いて少女を見た。



「...なんか疲れたな」
あの子を警察の人に引き渡して帰っている最中。
「よぉ〜」
「..お前か、どうしたんだ?」
「まーた被検体いなくなっちゃったよ〜」
「お前の詰めが甘いんだろ」
「あ~あせっかく成功作だと思ったのに」
嫌われてたけどな。あと、お前が人間と似た少女を作っているのにびっくりしたわ。でも、顔の喜怒哀楽が無くてすぐに分かったわ。まーたレプリカだって。
「そうか、じゃあな」
そう言って僕は自分の作業部屋に戻った。

「僕も仕事やりますか」
そう言い、試験管に手を伸ばした。

おわり

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