漣 蓮斗

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1/13/2025, 10:00:49 AM

テーマ あの夢の続きを

「今日はテストをするぞー」
才能がなかったわけじゃない。
「また78点...」
高得点が取れてるわけでも、かと言って低得点でもない。こういうのを普通って言うと思う。だから僕は普通の人。
「勉強めんどくさいけどしなきゃな」
努力をしている人でもない。しなさすぎてる人でもない。あぁ、僕はやっぱり普通の人なんだな。

ある日、僕は静かな外で歌を歌った。いつものように普通に。その時、
「凄いね!凄いよ!才能があるね!」
一人の人に賞賛された。あぁ、気を使ってくれたんだな。こんな僕は普通なんだから嘘に決まってる。
「うーん、でももっと自信を持って歌ったほうが良いかな」
どうせ才能も努力も無いから意味がない。
「じゃあね〜」
そう言い、手を振って去っていった。今思うとあの時、言われて少しだけ自分を認められて嬉しかったと思う。

次の週、ニュースであの人が死んだ事を知った。事故死だって。
「なぁんだ、君は僕を捨てたんだね」

おわり

1/6/2025, 10:03:13 AM

テーマ 君と一緒に

一つの山に一つのお人形。いつものように楽しくおままごとをしていたの。親にはここにおいてかれたの。でも大丈夫!お人形が助けてくれたの!
「こんなところで何をしてるの?」
誰かが来たよ。おままごとの邪魔になっちゃうねー。
「じゃま、かえって」
「まぁまぁそんなこと言わず...に」
誰かはお人形をみて固まっちゃった。可愛いから気に入っちゃったのかな。あげないけど。
「ねぇ、早く去らないとどうなるか分かるよね?」
「...っ帰らないと..!!」
急いで帰ろうとした誰か。あぁもう手遅れだね。
「ごぉー」
足音がよく聞こえる。
「よぉーん」
ズルっとコケた誰か。
「さぁーん」
立ち上がる誰か。あぁもう無理なのに。
「にぃー」
あ、たどり着いちゃうかも。
「いーち」
でも残念、出口は上だよ。ここの山は普通じゃないから。お人形が守ってくれてるの。
「ぜぇーろ」

さようなら。
少女は眼も手も全てが散り散りになった人形とは言い難い物持っていた。

おわり

12/29/2024, 9:24:16 AM

テーマ 冬休み

「これで終業式を終わります。礼。」
終業式の終わりの言葉が体育館に響き渡った。
「やーっと冬休みだー!!」
下校の時間になった瞬間、あいつが大声で叫んだ。
「はしゃぎすぎ」
「あいてっ」
「じゃあ冬休みにな!」
元気にあいつがそう言うと、僕らは家の前で別れた。家は近いとは言い難いがすぐに行ける距離ではある。

ー 12月??日 ー

遅く起きたな。まぁ冬休みだから大丈夫なんだけど。
「母さん出張か」
机に置かれていたコンビニ弁当を見て察した。これにも慣れてきたな。
「ピーポーピーポー」
救急車の音が聞こえた。
「なんかあったのかな」
自分の部屋のカーテンを開けて救急車の場所を探す。
「...ん?」
停まっていた場所はあいつの家。まさか。まさか。ないだろ(笑)。
「見に行こう」
ろくな支度もしないで、スマホ一つで家を飛び出た。
『お前んち行くね』
ラインで打ってたくさん走った。


「冗談キツイって...」
そこには横たわっているあいつが居た。
そして僕はここから記憶がない。


そうだ。あれは夢だ。ただの夢だ。そうだ!そうだ!嘘なんだ!そうさ、あんな事があるはずない!あんな事...あるはずないだろう?





「あの子、どこいくんだろう」
小さな子供が喋る。
「大丈夫ですかー?」
この言葉は少年に届かなかった。狂った少年は崖からただ落ち、


ただ一人の友に会いに行き、現実で起きたことを夢にしようとした。まぁ、死んでしまったのだから関係ないのだけれど。

おわり

12/21/2024, 10:59:41 AM

テーマ 大空

人々に幸福をもたらす少女。その姿は綺麗で女神のように慕われていた。
「ねぇ兄様、いつになったら私は外を見れるの?」
幸福な少女は外を見たことが無い。というか見てはいけないと言い聞かされていた。
「うーん、まだまだ先かなぁ」
白衣を纏った兄様と呼ばれる者はそう言った。
「えぇ...」
悲しそうに少女はベッドに顔を埋めた。

ー ? ー
ある夢を見た。
目が覚めるといつもと変わらない室内。白いカーテンはヒラヒラとゆれていて、窓には綺麗な月が室内を照らしていた。
「..早く起きちゃった?」
兄様と呼ばれる者は少女よりもいつも早く起きている。けれどその兄様の足音は一切聞こえてこない。
「ねぇ君、動けないの?」
室内の扉を眺めていたらふと窓の方から声がした。
「ううん、動けるけど『君はここから動いたら駄目だ。絶対に。』って言われたから..って誰?」
窓の方に居たのは一人の少年。少女は目を大きく見開いて少年を見た。
「あぁ、じゃあ自己紹介...と言いたいところなんだが生憎言えない事情があるんでごめんな」
手を合わせて謝る少年。
「はいはい、じゃあ帰ってね〜」
「なんで?僕は連れて行くよ?」
「は?」
少女はこの赤いものが溜まるスタンドが腕の所のどっかについていて動けない状況にある。だから遊べないから帰ってもらおうと思ったのだ。
「行ける行ける〜」
少年は赤いのが溜まるスタンドについてる紐状の物を勢いよく引っこ抜いた。
「痛い..事前に言ってほしいです」
「あぁ、ごめんな。でも言ったら拒否するだろ?」
「うぅ...」
図星を突かれた少女は少し俯く。
そこから2人は室内から飛び出た。長い長い白い廊下を通って、階段と呼ばれる者になれない少女は苦戦しながらも降りていった。

「わぁ...きれい」
夜に星と呼ばれるものを観ることができた。
「だろ?病室から出てきてよかっただろ?」
病室という言葉を知らない少女は首を傾げたが、すぐに考える事を放棄した。理由は簡単、綺麗な星に目を奪われてしまったから。
「君が目が覚めても、眠ったとしても待ってるよ」
そう言い、少年はポピーを少女に渡した。




ーーーー

「また失敗...」
白衣を纏った大人が言う。
「だーかーら言ったじゃんか、もうこのドローンは使えなるって」
怒り顔で大人に言う少年。
「あー、お前の警告を聞くべきだったよ」
「...お前が完成作を作るのは何時になるのやら」
「さぁな」



「ごめんな..次は完璧作を作って救って見せる」
少年はそう言い、341号機を外の庭に埋めた。

おわり

12/8/2024, 10:53:13 AM

テーマ ありがとう、ごめんね

「プー」と音を鳴らして走っている車。そんな光景をぼーっと眺めていたあいつ。
「あ、こんなとこに居た」
今日も学校を休んでいたから...どっかでぼーっと外を見ているんだろうなと思った予想通りだった。
「だって~本当に学校めんどいんだもん」
あいつが学校に来なかったら僕が探すのがいつも。
「こねぇと卒業できないぞ?」
「それはやだな〜、あ!僕の分も授業受けてよ!」
「んなことできないって」
呆れてきた。そうして僕は帰ろうとした。

「ねぇね」
「ん?何?」
あいつに呼びかけられた。
「僕が居なくなったらこんな面倒なことしなくてすむよね?」
「はぁ?」


「今までありがとう、そしてごめんね」
「何いってんだよ...」
「君に祝福が訪れますように!!!!」
そう言い、車の方へ走っていった。


それからの記憶は全くない。ただ、分かったのはあいつはもうこのセカイには居ないことだけ。その事実だけで僕の見るセカイは苦しいものへと変わっていった。

おわり

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