テーマ さあ行こう
貴族とは、感情をすぐに出さないように、庶民の遊び、底辺の遊びをしないようにと僕のお母様がいつの日か話してくれた。
礼儀を教師に教えられる毎日。廊下を歩いているとき、ふと外が見えた。そういや、あまり庭に出て居なかったなと思い、階段を駆け下り、外に出た。庭の奥に人影が見え、少し気になり、木の陰からのぞいてみた。
「おぉ!みてみてカブトムシだよ!」
あの子は貴族なのにはしゃいでいる。僕だってカブトムシとか捕まえてはしゃいでたいのに。
「『あれは貴族の行動ではない』..ねぇ」
自分の部屋に帰るときふと呟いた。
あの日から僕は、あの庭で遊ぶあの子をよく見に行くようになった。
「ねね、君、一緒に遊ぼ?」
後ろから声が聞こえた。鳥肌が立ち、僕は急いで後ろを向いた。
「ボクのコトいつも見てるでしょ?」
「いえ、ワタシは..」
頭ですぐに言い訳の言葉を出そうと思っても、全然出てこなかった。
「まぁいいや、まぁ一緒に遊ぼうよ!」
「..うん」
少しくらい、いいよね。お母様。
「..おぉ!すご!すぐに見つけられたじゃん!」
「当然です、!」
「..ハァハァ、足速すぎます」
「えへへ、そうかな」
遊んでいるときの時間というのはあっという間だった。『楽しかったよ!ありがとう!』と言葉と一緒にニコニコしてあの子は去っていった。
次の日、
「お母様から呼び出し..ねぇ」
最近は礼儀正しくしていたから大丈夫だと思っていたけど..。
「..貴方あの庭であの底辺貴族の子と遊んでいましたね、」
「..遊んでなんか((貴方にはあんな底辺貴族の子とそんな庶民の遊びをしないと思っていたから!!」
「..あの子を見逃していたのに」
「ごめんなさいお母様!もうしませn(((あぁ!あの子を殺せばいいのね!そうすれば我が子が庶民の遊びをすることはない!」
「..お母様」
「貴方はもうあんなコトはしないように。」
「..」
礼をして、お母様の居る部屋から出た。
それから少し経った日、あのコは死んだ。お母様がすべてを仕込んだ。僕は、屋敷を飛び出してあの庭の奥へ行った。
「母さん..」
いつの間にか涙が流れ出していた。
「あ!居た!もうこんなとこに居て、天界からでも探すの大変なんだからね!」
あぁ怒った怒ったといっているあのコの声がした。
「..あの楽しさが忘れれないよ」
「そっか、」
優しい声で応えてくれる。
「礼儀もずっと強制されるの疲れたよ」
お母様に礼儀を押し付けられるのも疲れたよ。
「..じゃあ!こっちへ来ようよ!」
元気に手を伸ばしてきたあのコ。
「こっちも同じくらい楽しいよ!」
僕はあのコの手を取った。
6/7/2025, 5:02:01 AM