テーマ 星座
「星が僕らを見ている」
何いってんだこいつ。
「でも、僕たちも星を見てる」
そう言い空に手をかざしていた。
「意味深にかっこつけるな」
「いてっ」
ふざけたことをぬかしたこいつは昔からの幼馴染。
こいつは、
「ねね、すっごい言葉ができたんだけど」
「ん?」
「星は結晶、月はそれを照らす光」
「「どやぁ」」
...期待した僕が馬鹿だった。
こんなこととか、
「ねね」
「何?」
「人は死んだら天国と地獄どっちかに行くって言ってるけど」
「うん、そうだね」
「実際に体験してないのによく知ってると思ってさ。体験談だったら死者だー(笑)」
「...お前このこと小さい子供が聞いてたら泣いてたぞ」
「涙もろっ」
「感動とかそっちじゃねぇよ!!!」
とか意味深なことをぬかす。
「あ、冬の大三角形」
「..わからん」
どこにあるのかがさっぱりわからない。暗くて見えないのか視力が悪いのとかが原因なんだろうけど。
「あの星綺麗..」
あいつが指を指していたのは綺麗に輝く一等星。
「一等星はきれいだよな」
「取れるかなー」
軽い気持ちで思いっきり手を伸ばすあいつ。
「ズルッ」
手を伸ばしていたせいで、足元をみていなかったあいつは深く落ちていった。
「お前..!!」
深く落ちているせいで姿が見れない。
次の日、あいつは死体で発見された。
「即死でした」
あの時、僕が止めていたら..!!
僕は僕が憎くなって、今もその気持ちを持ちながら生きている。
おわり
テーマ 踊りませんか?
いっしょに踊ろう歓喜のワルツを奏でて、
一緒に踊ろう罪人貴族も巻き添えに、
最後には皆が倒れる。
「人間誰しも死と隣り合わせなんだよ〜」
僕達が満月の下で踊っていた時、物陰から聞こえた。
「そう、でもいい、僕は今が大切なのだから、昔のこととかは忘れてる。」
「...そっか〜」
「そういう子、僕は嫌い」
物陰から飛び出して、殺しにかかってくる人。涙を流しながら、手を震わせながら、殺しに来ている。
「あなたは人を殺さないでしょう?」
「...は?」
僕はそう言い、満月の下、高い高い城の上、最後の踊りを君に披露した。
「グシャ」
「僕の大切な人を奪ったのに...!奪ったのに...!まだ償いもさせてない!」
嘆く、ただの屍に。嘆く、屍の罪を。
「僕が...僕がいけないのか?そんなはずじゃ..!本当は...ホントは...」
思い詰めた少年は綺麗に、華麗に、光に照らされていた。
おわり
テーマ 巡り逢えたら
「寒っ」
段々と季節が変わり、気温が低くなってきた。夏にきれいに花を咲かせていた花壇も、雪をかぶっていた。
「おはよ〜」
元気に話しかけてくるあいつ。長袖だけど上着を着ていない、寒くないのかな。
「おはよ。」
「いや〜冬だね〜」
「冬になったけど、上着来なくていいのか?」
「大丈夫!今日はそんなこと気にしなくていいから!」
どういうことだろ。この時は深く考えなかった。
「キキーッ」
いきなり、視界が真っ赤に染まった。
「...もう時間だったか」
弱々しく話しているあいつ。あいつを轢いた車は急いでエンジンをかけて走っていった。
「おい...!」
あいつから血が溢れてく。
「..また次の世界でね」
ひまわりのように笑った後、あいつはゆっくり目を閉じた。
「おい...!おい..!起きろ...」
声がかれるまで呼び続ける。
「...」
もう声が出ない。
「気づけなくてごめん。」
綺麗に眠っているあいつに言った。
もし、僕が死んだら、
次の世界で会えるかな
なんて淡い期待は空に飛んでいった。
「ずーっと待ってるよ」
おわり
テーマ きっと明日も
「..まぶし」
毎日同じ時間に起きて、
「お昼ご飯なに食べよ..」
毎日同じ時間に悩んで、
「寝ないと..」
毎日同じ時間に寝る。
「つまんなーい」
誰かの声が聞こえる。その声は僕の所から。
「おんなじ生活してたのしいー?」
同じ生活なんてない。けど、似たような生活はある。
「毎日似た生活は楽しいけど退屈だよ」
「へぇー、ニンゲンもそうなのかな?」
「それはわからないや」
天国と地獄の狭間を行き来する者たち。
悪魔は地獄で働き、天使は天国で働く。
ニンゲンの世界の一年間を過ごしてる時、僕達上のものはその一年間の9割ずーっと働いている。
ちなみに地獄というにはニンゲンのいう現実。
天国というのはニンゲンのいう空の世界。
「なんかおもしろいことおきないかなー?」
なんて淡い期待がある僕はまた似たような毎日を過ごしてく。
「今日で死ぬことになってるからばいばーい」
「...ん?」
「ドシャ」
悪魔は現実でまた働く。終わりが来るまで。
「ニンゲンは減らしていかなきゃね」
「このセカイが壊れちゃう」
「その前に」
「その前に」
「「「「僕達がやらなくちゃ」」」」
セカイが終わる、その日まで。
おわり
テーマ 別れ際に
「あ、流れ星」
天気の良い時の夜、大きい丘の上で星空を眺めていた。ざっと一時間眺めて、丘の上から降りようとし
た。
「...ん?」
丘を降りようとした時、丘の下で何かが光っていた。
「手伸ばせば届くかな」
と思い、思いっきり手を伸ばした。
「あっ」
手を思いっきり伸ばしたせいで、まぁまぁ高い丘から落ちてしまった。
ひどい激痛で足が痺れる。足が取れそうなくらい痛い。そう思っていたら、急に体が軽くなり、痛みが引いた。なんなんだろ。今はそんなことは気にしなかった。
「ありゃとれないな」
僕が5人いて届くか届かないかくらいの高さに光っているものがあった。
「帰るか」
歩いて僕の家まで帰る。
「お〜い」
「久しぶりだな」
全然会えなかった友達。
「まったく〜会うの早すぎる」
「そうか?」
あいつとあってなかった時間は....二年。
「二年って長くない?」
「いや全然みっっじかすぎる」
「..そうなんだな」
「じゃあ」
「あっ、そ~いや天界に行ってきな〜」
「.....ん?」
"天界"?。
僕はまだ人間で
人間で
ん?
ニンゲン?
ふと下を見た。僕の足が透けてる。
「そうだ、あいつと会えなかったのは」
あいつがあの丘で事故死したからだ。
じゃあ僕はあの丘で、
死んでいたのか?
「ㇷㇷ」
あの丘から声が聞こえた。
おわり