テーマ 巡り逢えたら
「寒っ」
段々と季節が変わり、気温が低くなってきた。夏にきれいに花を咲かせていた花壇も、雪をかぶっていた。
「おはよ〜」
元気に話しかけてくるあいつ。長袖だけど上着を着ていない、寒くないのかな。
「おはよ。」
「いや〜冬だね〜」
「冬になったけど、上着来なくていいのか?」
「大丈夫!今日はそんなこと気にしなくていいから!」
どういうことだろ。この時は深く考えなかった。
「キキーッ」
いきなり、視界が真っ赤に染まった。
「...もう時間だったか」
弱々しく話しているあいつ。あいつを轢いた車は急いでエンジンをかけて走っていった。
「おい...!」
あいつから血が溢れてく。
「..また次の世界でね」
ひまわりのように笑った後、あいつはゆっくり目を閉じた。
「おい...!おい..!起きろ...」
声がかれるまで呼び続ける。
「...」
もう声が出ない。
「気づけなくてごめん。」
綺麗に眠っているあいつに言った。
もし、僕が死んだら、
次の世界で会えるかな
なんて淡い期待は空に飛んでいった。
「ずーっと待ってるよ」
おわり
10/3/2024, 10:58:18 PM