テーマ 巡り逢えたら
「寒っ」
段々と季節が変わり、気温が低くなってきた。夏にきれいに花を咲かせていた花壇も、雪をかぶっていた。
「おはよ〜」
元気に話しかけてくるあいつ。長袖だけど上着を着ていない、寒くないのかな。
「おはよ。」
「いや〜冬だね〜」
「冬になったけど、上着来なくていいのか?」
「大丈夫!今日はそんなこと気にしなくていいから!」
どういうことだろ。この時は深く考えなかった。
「キキーッ」
いきなり、視界が真っ赤に染まった。
「...もう時間だったか」
弱々しく話しているあいつ。あいつを轢いた車は急いでエンジンをかけて走っていった。
「おい...!」
あいつから血が溢れてく。
「..また次の世界でね」
ひまわりのように笑った後、あいつはゆっくり目を閉じた。
「おい...!おい..!起きろ...」
声がかれるまで呼び続ける。
「...」
もう声が出ない。
「気づけなくてごめん。」
綺麗に眠っているあいつに言った。
もし、僕が死んだら、
次の世界で会えるかな
なんて淡い期待は空に飛んでいった。
「ずーっと待ってるよ」
おわり
テーマ きっと明日も
「..まぶし」
毎日同じ時間に起きて、
「お昼ご飯なに食べよ..」
毎日同じ時間に悩んで、
「寝ないと..」
毎日同じ時間に寝る。
「つまんなーい」
誰かの声が聞こえる。その声は僕の所から。
「おんなじ生活してたのしいー?」
同じ生活なんてない。けど、似たような生活はある。
「毎日似た生活は楽しいけど退屈だよ」
「へぇー、ニンゲンもそうなのかな?」
「それはわからないや」
天国と地獄の狭間を行き来する者たち。
悪魔は地獄で働き、天使は天国で働く。
ニンゲンの世界の一年間を過ごしてる時、僕達上のものはその一年間の9割ずーっと働いている。
ちなみに地獄というにはニンゲンのいう現実。
天国というのはニンゲンのいう空の世界。
「なんかおもしろいことおきないかなー?」
なんて淡い期待がある僕はまた似たような毎日を過ごしてく。
「今日で死ぬことになってるからばいばーい」
「...ん?」
「ドシャ」
悪魔は現実でまた働く。終わりが来るまで。
「ニンゲンは減らしていかなきゃね」
「このセカイが壊れちゃう」
「その前に」
「その前に」
「「「「僕達がやらなくちゃ」」」」
セカイが終わる、その日まで。
おわり
テーマ 別れ際に
「あ、流れ星」
天気の良い時の夜、大きい丘の上で星空を眺めていた。ざっと一時間眺めて、丘の上から降りようとし
た。
「...ん?」
丘を降りようとした時、丘の下で何かが光っていた。
「手伸ばせば届くかな」
と思い、思いっきり手を伸ばした。
「あっ」
手を思いっきり伸ばしたせいで、まぁまぁ高い丘から落ちてしまった。
ひどい激痛で足が痺れる。足が取れそうなくらい痛い。そう思っていたら、急に体が軽くなり、痛みが引いた。なんなんだろ。今はそんなことは気にしなかった。
「ありゃとれないな」
僕が5人いて届くか届かないかくらいの高さに光っているものがあった。
「帰るか」
歩いて僕の家まで帰る。
「お〜い」
「久しぶりだな」
全然会えなかった友達。
「まったく〜会うの早すぎる」
「そうか?」
あいつとあってなかった時間は....二年。
「二年って長くない?」
「いや全然みっっじかすぎる」
「..そうなんだな」
「じゃあ」
「あっ、そ~いや天界に行ってきな〜」
「.....ん?」
"天界"?。
僕はまだ人間で
人間で
ん?
ニンゲン?
ふと下を見た。僕の足が透けてる。
「そうだ、あいつと会えなかったのは」
あいつがあの丘で事故死したからだ。
じゃあ僕はあの丘で、
死んでいたのか?
「ㇷㇷ」
あの丘から声が聞こえた。
おわり
テーマ 通り雨
「ねぇ知ってる?」
どこからか声がした。その声には憎しみや悲しみが混じってるように感じた。
「君の隣にある学校では人が五十人死んじゃったんだって〜」
そう言われ、気になった僕は隣を向いた。
「....は」
隣の学校のひび割れた窓から見える景色は目を疑った。
首吊りをクラスの人たち全員がやっていたのだ。その中の少しの人達は足をジタバタさせている。
急いで行ったらまだ助かるかも。と思い、その教室へ向かって走った。
「..ぁ」
まだかろうじて生きていた人たちも、教室へ着いたときには息を引き取って死んでいた。
「あ、嘘ついた」
「え?」
「この学校にはまだ四十九人しか死んでないんだった」
「...誰なんだお前」
全方向から聞こえる謎の声。
「まぁいいや、君を殺せば五十人になるから!」
高笑いが聞こえた。僕は逃げた。学校を飛び出し、田舎の田んぼを通り過ぎながら走った。
「ザーーーーッ」
雨が降ってきた。地面がだんだんと濡れて滑りやすくなる。まだ来てるのか、来てないのかはわからないが逃げた。
「ドテッ」
と音がして、僕は倒れた。
「やーーっと追いついた」
ここからの記憶は思い出したくない。
気がついたら、雨の降ってない田舎の田んぼの近くに佇んでいた。
おわり
テーマ 秋🍁
秋、四季の一つ。そして、
「おめでと〜!」
「いや〜年をとっていくな〜」
「失礼すぎだろ」
「あでっ」
僕の誕生日。
年を取るのはこの世を過ごす時間が長くなっていってる証拠だ。けど、この世をずっと過ごしていたいという僕もいる。年を取るとこの世を過ごす時間が削れてっている感じがする。
「なーに暗い顔してんの」
「なんでも」
「それよりケーキたべよーよ」
「食い意地張りすぎだ」
「ぐっ お前のいちごもーらい」
秋、食欲の秋。
あ。そうだ、僕はね
年をとっても、死んでも、生きてても、
僕はこの時間、四季のある、幸せも、不幸も、喜びも、悲しみもある「ここ」、
この僕の、僕達の世界に、
ずっと
ずっと
ずーーっと
居たい。
なんてわがままかな(笑)
おわり
ー 作者(需要はないと思う) ー
作者です。今日、9月26日、僕の誕生日に書きました。
誕生日と秋をイメージで置いといて作りました。
まぁこれは僕の話なんですけど、幸せも、不幸も、僕は一つのストーリーとして心に刻んでいます。おかげでいい作品が作れてます。僕のおかげで僕が助かっている(笑)。
最後に、
みなさんも秋、だけではなく四季という一緒の時を過ごしていきましょう。
あきをたのしもー
作者より