テーマ 通り雨
「ねぇ知ってる?」
どこからか声がした。その声には憎しみや悲しみが混じってるように感じた。
「君の隣にある学校では人が五十人死んじゃったんだって〜」
そう言われ、気になった僕は隣を向いた。
「....は」
隣の学校のひび割れた窓から見える景色は目を疑った。
首吊りをクラスの人たち全員がやっていたのだ。その中の少しの人達は足をジタバタさせている。
急いで行ったらまだ助かるかも。と思い、その教室へ向かって走った。
「..ぁ」
まだかろうじて生きていた人たちも、教室へ着いたときには息を引き取って死んでいた。
「あ、嘘ついた」
「え?」
「この学校にはまだ四十九人しか死んでないんだった」
「...誰なんだお前」
全方向から聞こえる謎の声。
「まぁいいや、君を殺せば五十人になるから!」
高笑いが聞こえた。僕は逃げた。学校を飛び出し、田舎の田んぼを通り過ぎながら走った。
「ザーーーーッ」
雨が降ってきた。地面がだんだんと濡れて滑りやすくなる。まだ来てるのか、来てないのかはわからないが逃げた。
「ドテッ」
と音がして、僕は倒れた。
「やーーっと追いついた」
ここからの記憶は思い出したくない。
気がついたら、雨の降ってない田舎の田んぼの近くに佇んでいた。
おわり
9/28/2024, 2:41:25 AM