テーマ 不完全な僕
「今日どっか行こーぜー」
「いいよ〜」
「じゃあーーーーーーー」
「ーーーーwーーー?ーーw」
偽りの笑顔を自分に貼り付けて、
「w」
笑って、
「あぁ」
悲しんで、
「おぉ!」
驚いて、
ナニがしたいの?
「君に言ってるの。」
僕?
「そう。君。」
「僕のようなレプリカには君の気持ちなんて分からない。けど、ずっと仮面を被って生活していたら息苦しんだよ!!!!」
残念だが僕には君の気持ちが分からない。
「ああ。そうだろうよ。この僕の気持ちなんて君は分からない。レプリカで、人形で、操られているやつの気持ちなんて分かるわけないよな」
そうかもね。
「だから、もう僕は消える」
は?
「偽りを持って生きている僕は捨てる。」
「さよなら。偽りの仮面を被った僕。」
心の何処かが消えた気がした。
おわり
テーマ 香水
「「「あの人が来るよ」」」
「髪飾りを揺らして遊んで」
「小さいバックを持っていて」
「変な匂いの」
「「 香好永さん 」」
「わっ!」
突然僕の後ろから出てきた少女。普通の可愛い少女に見えるけど幽霊になっている香好永さん。
「また幽霊の子たちに避けられたよ〜」
僕が幽霊が見えるのを良いことにずっと僕に話しかけてくる。
「知らない。帰って」
「悲しいよ〜」
あたりからツンとする臭いがあった。
「香好永さん。早く帰って」
帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ。それしか願わない。この匂いがあるとき、吸ってしまったら死を招く。
「は〜い」
香好永さんが帰った。僕はいつの間にか透明になり、足が宙に浮いていた。
おわり
テーマ 突然の君の訪問。
「お!」
玄関の方から音がなって扉を開けようとした。けれど僕はすぐに扉を閉めた。
「なんでだよ〜」
元気な声で玄関の扉を挟んで喋ってる子。
「...また」
「ん?」
「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」
「殺したのにコロしたのに、」
「?」
「イキテルノ?」
あの子は毎回うっとうしかった。
「ありがと〜!」
僕の方が手助けをしても、ちょっとしか手助けしてないあいつだけにお礼が言われている。
「ズッ友!」
そんな言葉、呪いみたい。僕も呪いにかかりたいや。けどその言葉は君にしか似合わないんだよね。
憎かった。僕は苦しかった。君だけにスポットライトが当たって、一生僕は脇役なんだって。焦ったの。ねぇ本当に。本当に。嘘じゃないんだって。こんなの嘘でしょwって笑い話にされるのも疲れてきたの。
「憎かった。焦ったの。」
だからあいつは死んだ。
僕のせいじゃ僕のせいじゃ僕のせいじゃ僕のせいじゃ僕のせいじゃ僕のせいじゃ
ない。
おわり
テーマ 私の日記帳
一つのページに線が引かれた。その線はまっすぐに引かれた。
「お泊りだぁ!」
「はしゃぎ過ぎんなよ〜」
あいつと泊まりで遊んだとき。
「バトンを絶対に繋げよ!」
「うん!」
アイツと運動会で一緒に走ったとき。
「卒業だぁ」
「楽しかったな」
「そうだね!」
桜の舞い散ったあの卒業式のとき。
「暇だから話そ!」
「いいよ」
「前ねーーーーーーーー」
あいつと久しぶりに電話をしたとき。
「...は」
あいつが居なくなったとき。
スベテが僕という人間に記憶が残っている。消そうと思っても消しゴムなんか役に立たない。
この記憶を持っている僕はこのまま、生きるしかないんだ。
僕こそが、僕の日記だ。
おわり
ー 作者から ー
昨日言いました、欲しいと思うので解説します。僕は欲しいです。
ー 解説 ー
「一つのページに線が引かれた。その線はまっすぐに引かれた。」
という最初の文の"線"は生命線的なので、このストーリーに出てくる少年少女が生きてきた記憶です。
で、「◯◯のとき」みたいに描かれている部分はその時系列の思い出です。
で、「スベテが僕という人間に記憶が残っている。消そうと思っても消しゴムなんか役に立たない。」
という所で、「消しゴムなんか役に立たない」という部分は僕の記憶から消そうと思ってもあいつとの記憶がたくさんあり、忘れることができない様子が描かれています。
「僕こそが、僕の日記だ。」
というのはさっき言った記憶が僕の頭に残っているから僕自身が日記みたい。っていう言葉のあやですね。
ここまで見てくれてありがとうね。
テーマ 海へ
青い夏。青い海。青い空。青い世界好きだった。
「でももうそのセカイは無いんだ」
真っ赤な夏。真っ赤な海。真っ赤な空。真っ赤なセカイで染まっていた。
「海を見に行こう!」
そう病室で元気に言っていた。
「..そうだね」
君は海まで歩けるかな。
「ありがとね」
手紙に書かれた一言の文字。
「..海に行けなかったね」
ある日、海に行ってみた。真っ赤な海は海底を隠すように染まっていた。
「海に来れたよ」
君が見てくれると思って喋った。
君の死体を投げた。君は海に沈んだ。何も感情のない人形のように反応もしない君の姿を見ていた。
「セカイは変わってしまったんだ」
生きてるだけで精一杯の生活。もちろん食料を手に入れるだけで一日が終わる。お金なんてこのセカイでは通用しない。
「昔のほうがよかった」
そう誰しも口にすると僕は思う。けれどセカイはそんなに甘くない。セカイを変えるために命をかけてるか?と聞けば、沈黙が返ってくる。少なくとも僕はそうだ。
変えたいけどそこまでして変えたくない。わからない感情が僕を渦巻く。その中で僕達は生きている。
おわり