漣 蓮斗 中間で更新遅め

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テーマ 海へ

青い夏。青い海。青い空。青い世界好きだった。

「でももうそのセカイは無いんだ」

真っ赤な夏。真っ赤な海。真っ赤な空。真っ赤なセカイで染まっていた。

「海を見に行こう!」
そう病室で元気に言っていた。
「..そうだね」
君は海まで歩けるかな。


「ありがとね」
手紙に書かれた一言の文字。

「..海に行けなかったね」

ある日、海に行ってみた。真っ赤な海は海底を隠すように染まっていた。
「海に来れたよ」
君が見てくれると思って喋った。

君の死体を投げた。君は海に沈んだ。何も感情のない人形のように反応もしない君の姿を見ていた。

「セカイは変わってしまったんだ」
生きてるだけで精一杯の生活。もちろん食料を手に入れるだけで一日が終わる。お金なんてこのセカイでは通用しない。

「昔のほうがよかった」
そう誰しも口にすると僕は思う。けれどセカイはそんなに甘くない。セカイを変えるために命をかけてるか?と聞けば、沈黙が返ってくる。少なくとも僕はそうだ。


変えたいけどそこまでして変えたくない。わからない感情が僕を渦巻く。その中で僕達は生きている。

おわり

8/23/2024, 11:06:43 PM