テーマ 目が覚めるまでに
「おぉぉ!」
夏祭りで綺麗な花火を見ていた。きれいな花火は夜空に咲く花そのものだった。
「速報です。このあたりでまた殺人が起きました。凶器は細長い刃物だそうです。容疑者は逃走中で...」
あたりがざわつき始めた。
「....ん?」
帰る途中、暗い夜の中でフードを被ってる人を見た。
「手に持っているのは..ぁ」
手に持っているのは血で汚れている細長い刃物だった。
でも違うかも知れない。まぁ、カエルだけだし大丈夫か。
「ドッッ」
「カハッッ」
ふと下を見た。細長い刃物が僕の腹を貫通していた。
「なんd」
お腹が裂けていて痛い。だんだんと視界が暗くなっていった。手遅れ...手遅れだなぁ。
僕はもう、報われないな。
「また一人。」
僕の存在を見せるために人を殺した。殺した。コロした。コロシタ。
「「なんで」」
「「おかしいだろ」」
「「化け物」」
コロシタヒトカラノコエガキコエル。ドコノダレカモシラナイヒトヲコロシタ。
アア、ナンデナンデナンデナンデナンデ
「こんなことしてたんだろ(笑)」
思い返したら馬鹿馬鹿しいことをしていた。許されないことをしていたのは分かっている。
もう、モう、モウ
遅い。
おわり
テーマ 明日、もし晴れたら
「今日なんで雨なの〜」
昼、暇だったので友だちと遊んでいた。ふと上を見ると雨が降っていた。
「..延期か」
夏祭りが今日と明日にこの学校であったはず。今日の夏祭りは多分中止だから明後日に祭りがずれるだろう。
「明後日なら祭り周れないや」
「おっけー」
いつものような会話。これがずっと続いて欲しかっ
た。
ー 次の日 ー
「ねね」
「ん?」
「あいつって持病持ってるらしいぜ」
そう言って昨日遊んでた仲の良いアイツを指さした。
「へぇ。」
僕には教えてもらえなかったこと。
「あいつと話すと病気が移るわ〜w」
「...」
「じゃあな」
さっき話してたあいつ、嫌いだな。
ー 次の日 ー
「ピンポーン」
「はい。あ、あの子の友達!」
気になったからあいつの家を訪れた。
「あいつの今いる場所ってわかりますか?」
「ん〜とね『学校に行ってくる』って言ってた」
祭りが始まるのは午後からだ。午前から行くなんておかしい。あとあいつは僕の誘いを断っている。
なんで学校に行くんだ?
「..見つけた。」
「来ちゃったの?」
生気が無いあいつが喋る。
「..どうしたんだよ」
「もう終わりにしたいんだ」
「...は?」
「さよーなラ」
あいつの体が宙に浮く。
今日も午後には雨が降った。
それは僕の心を表しているようだった。
おわり
テーマ 澄んだ瞳
「おぉ!」
僕達は夜景を見ていた。親には秘密で。
「大きな声出して親にバレないようにね」
「..はーい」
丘の上は涼しく、ただただ綺麗な黒に染まった都会の夜景を見ていた。
「...こんな時間か」
ふと腕時計を見たら時計の針が9に向いていた。
「..さっっむ」
薄着で来ているからだよ。
「どうやって親に説明したら良いんだ..」
時間的に手遅れな気がする。
「...ねぇ」
「ん?」
「.....これ見て。」
スマホに出ていた画面では「夫婦火事で"死亡"」
怖いと思っていたらその家の場所が僕の家だった。
「....ぇ」
丘から景色を見た。一つの家から煙が立っていた。
「お前はこれからどうする?」
これからの人生に希望が見えない僕はあいつの綺麗な瞳すら曇って見えた。
おわり
テーマ お祭り
「おまつり...?」
「は!?お前知らんの?」
昔居た小学校でお祭りをするから一緒に回ろうかと仲の良いあいつに話しかけたけど...このざまだ。
「おまつりって?」
「...本当に知らないのか?」
嘘ついてるかもとよぎったから聞いてみた。
「...そんなわけないじゃ〜ん知ってるよ〜」
おい。ざけんな。
「..はぁ心配した僕が馬鹿だったよ」
「ごめんごめんって〜」
「で、お祭りは明後日ね」
「は〜い」
「やっぱり賑わってるね〜」
「そうだな」
小学校だからか子供が多い感じがする。
「じゃあ周るか」
「おっけ〜」
「疲れた〜」
「あ、最後に花火あるぞ」
「帰りながら見よう〜」
「..まぁいいよ」
家から学校は案外遠い。もう帰り始めないと空が真っ暗になっていただろう。
「「「「ドーン」」」」
一つ。
「「「「「ドーン」」」」」
二つ。
「綺麗だ〜((おっと」
「...そうだな」
アイス食いながら喋るから。
「「「キキーッ」」」
三つ?。
裏山に来た。あいつと仲良く遊んでいた場所。思い出の詰まった場所。
「..夏だね」
微かにあいつの声が聞こえた。
「.....そうだな」
もう届かないのに僕は応える。
あいつは一昨日死んだと言うのに僕は応える。
あいつの亡霊に。
おわり
テーマ 神様が舞い降りてきて、こう言った
「今日はこれで終わりかな〜」
「そうですね。」
昔居た相棒。でも、
「今日もこれでおしまいっと」
「「お前も道連れだ」」
「!」
「「「バンッ」」」
あいつの後頭部を撃ち抜く殺したはずのターゲット。詰めが甘かったようだ。でも今はそんなことを思っている暇はない。急いで、急いで、
「...ごめんね」
「おい!おい!おい!」
声をかけても返事が無く、呼吸をしなくなっていた。
ある日、屋上でニンゲンではない生物を見た。羽の生えた生物。ニンゲン達が例えるなら神様と言いそうだ。
「可哀想」
「...は?」
後ろを向いて僕の方に視線をあわせながらそう言った。お前ごときに、オマエごときにナニが分かる。
相棒を失った悔しさも、このセカイでずっと生きていく絶望も、全部、ゼンブ
「「「「オマエにナニが分かるんだよ」」」」
おわり