六月の帰路

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9/22/2022, 11:14:30 AM

焼きそばを編み込んでいた
君が作った塩焼きそば
味付けは控えめの、ピーマンの入った。
何度も咀嚼して飲みこむこと
その味はしたたかだけれど
チョコを食べたら台無しになった
不愉快な音が聞こええてさ
忘れていた晴天の色ね
気持ち悪いね、
ほんとにね。

台無しにするのが好きみたいな終生は
過去に戻らなくてもいい
ただ文字盤の1部になっていられたら
また戻ってきてくれることを望んでいられたかな
止まってしまっても
また進むことを許されるのね

甘いチョコを咀嚼して答えを探す
「何も食べなければ良かった」
空腹を満たすだけの道具になり得ないように
しなければならなかった。

「苦い分だけ甘くなる」と君は言う
僕には感じることが出来ない甘みなんだね、僕は言う
それは違う、僕が言う。

甘い欲望に溢れるチョコレート
苦さを求めないチョコレート
ちゃんと味は変わっていたのか
空腹を満たす道具のチョコレート
成りゆく道はどこだと聞いて
消えてしまうのに道は消えないと君は言った













9/20/2022, 3:06:42 PM

ゆりかごの上から話しかけて
血が滴る毎日に、どうして君はそれで終わりにするの
問いかけても答えはなく、君の目は僕を映し出す
その向こうに、エンドロールも流れない映画が広がっていた
幸せだって、ぺトリコールが僕に言う
それってどんな味がするのかって、多分誰も知りえはしないから
勝手に味をつけて楽しんでいるのだろう?。
誰かの一線は人生になるとしたら
何が足りないのかわからないの

絵の具を混ぜた色 君の目の色混ぜた色
どちらもおなじで違う、それは踏み潰したカエル
その曲を聴いたなら、同じ気持ちでいられたのにね
ただ話して欲しくないと
ただ何も言わなくていいと
言ってくれたら良かったのにね

学校の隣の電信柱 そんな所、あったっけ
そうやって笑おうね
遠いレストランでは食べないよ
そこの映画館でポップコーン食べて駄弁りたいな
オープニングを覚えていないほど長くて
つまらないほど気持ち悪い

それでもポップコーンとても幸せ
やまないチャイムを一緒に殺して
エンドロールを覚えていよう


9/11/2022, 4:52:48 PM

六月のままで止まっていたカレンダー
何も知らないままでいたい六月に
血が塗られる六月
それでもいいからと大丈夫だからと
吐息は止まらない

とても素敵な六月のままでいたいのに
どうして君はそんなに慌てているの?
君は慌ただしく、蝉の声を殺している

この部屋は素敵な六月だよ
今日は何日でもない六月に
鳳仙花を描いていよう

進まずに、たくさんの物語を書いていよう
そっちの方がいいよ
世界が滅亡しても
私は滅亡できないの

たまには遊びに行こう
ベランダに出ると紫陽花が咲いているだろう
風邪をひいていたけれど
それはとっても綺麗な紫陽花
強い雨が降り注いで、僕はかえるに鳴る

明日の意味を捨てて
この息だけを飲み込んでいけばいいよ
何も考えなくていいから
少しだけ眠っていよう
周りにだれもいなくなっても
風が落ちても、赤い雨が降っても
ただ目を閉じていてもいい

夢の中の六月
飴色の雨が甘くなって
ソーダ味のわたあめを食べにいこう
止まらないピアノを鳴らして
人間ごっこをする

映画を見ていると
なぜだか君ばかり映っている
どうして君は雨が降っているのに
悲しい顔をしているのだろう
傘を棄てて、君は飴を食べていた
それは息苦しそうに
ずっと心配してしまうよ

六月だけでいいのに
君はカレンダーを捲って
雨になる
六月に流れる雲に乗らないことは
そんなにいけないことなのかな

手紙を雨に流しても
君は何も言わなかった
雨なのに、どうして花は踊らない
僕には分からないままで
ただかえるのままで鳴いていた

素敵な六月にするために、
たくさんの影を消していく
美しさなんていらないと君が言うから
僕は紫陽花を踏み
雨を踏み
六月のカレンダーを踏んでいる

9/8/2022, 10:31:31 AM

手に植えた黒い文字
それは段々と
涙で霞んでいく
終わりの見えない人生みたいに
きえていってしまう思い出みたいに
やがてその黒い文字はみえなくなっただけで
私の黒い心はなにも霞まずにそこにいる
窓の夜空は、私の心に吸い込まれ、真っ黒に塗られたキャンバスが飾られていた。

悲しそうな傷がついた所に
涙を零しても痛いだけで、何も消えてくれなくて
忘れさせてくれない思い出だけが残る
涙なんて流しても
何も意味が無いのに
何をしているの?そう聞いても、
また涙で濡れるだけで
私は何がしたいの、と聞いても
答えてくれないのは分かっていた
あの頃の空を、あの頃の夕暮れは
明日を願うばかりで何も背景がない
空白の中の空
ただ夜に暮れてただ涙に濡れる
手元の月は濡れていて
手垢だらけの月は僕を勇気づけ
僕の目に光をくれる
でもその光はすぐに消えて
私は光ってなんていなかったんだなって
真っ白な単語帳思い浮かべて
そこに色違いの4文字を書いて、ひとつをちぎって捨てている
いっそのこと
あの夜空に吸い込まれて、誰かの黒い文字になりたいなんて口ずさんでいた。


9/5/2022, 3:40:59 PM

僕の頭の上に濁点の血が振っている
汚れてしまった僕の体をみて泣いている
忘れてしまった涙と造られた綺麗事が僕の中で交差して、踊る人形が鮮やかな血を吐いていた
アネモネは消えて散ったようで
汚く笑うその顔は忘れられなかったみたい、殺して欲しいと思った暁が不愉快で仕方がなかったから

誘惑された浴槽に、僕は呪いをかけて溺れて
その感情は吐き出すとネズミ式みたいに増えていく
全部吐き出してしまいたいのに何も出てこなくて
ただ壊したい気持ちが募って終わる
僕の心のひまわりの種が踏み潰されて消えていた
落ちる感覚と共に血の涙が上に昇るけれど
それはバス停みたいにいつまでも待っていられる訳じゃないと言っているみたいだった
僕は今何を待っているのだろう?
なにもない場所で独り、心の隅を何度もグチャグチャに飲み込む
ブラックホールの1部になった僕はひたすらに終わりを願って指を切る

六月の頃雨は降り続けた、まるで永遠に続くなぞられた4文字みたいに
蝉の声は9月になると死んでいた
死んでいた声は僕を殺してくれない、その劣等感のような声をもう一度聞きたかった。
ただ何も待たずに僕は劣等感を持ち続けて鳴いていた

チッタ、チッタ、チッタ、チッタ、チッタ、チッタ。
6時、5時、3時、1時に巻き戻っても何も変わらない
鳴きやむころには肌が汚れてしまう
その顔は口角を上げて僕に時間を教えてくれた
いつまでも寝ていたい日々はだれも口角を下げていた
季節を超えても何も意味が無いのに
どうして生きているのか君に説いても
ただ返事をしている午前10時、おやすみを答えた。

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