六月の帰路

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8/15/2022, 12:17:50 PM

透明な夜は君を透かした
僕は知っているの
本当は夜の影に隠れてるだけだって
君はかくれんぼが上手いだけで
いつまでも見つけることが出来ない
君はいつ降参するの?
僕が進むと波の音がこちらまで歩いてきて
仲良くなりたいのかなって思う
でも話しかけても消えていくから
少し悲しい気分になるんだな
君は僕を見ているのかな
いつまでも現れないから少し疲れてしまった
だからはやく出てきて欲しいけど
きみは負けず嫌いみたいで、
大声を出してもなにも答えてくれないんだ
僕は灯りの消えている街灯を横目にみて、
海に君はどこにいるのと問いただしても答えることは無かったよ、無口な君と似ているの。
真っ黒なその海には月だけがそこにいる
この海はどこまで潜れるのかなと思うけど
入る勇気はないにきまっていた
僕は弱虫なんだ、そう君は言っていたけど
僕はそうは思わない。だれだって、見えないところに足を踏み出すのは無理なんだ。
そう思っているけど、君は違ったのかな
海の底はみえないけれど、歪んだ僕がうっすらと映る
そこに君はいなくて、すこし悲しい気持ちになる
でも君はかくれんぼの最中だから
僕を見捨てたりするわけないと思うんだ。
次はどこを探そうかな
そう考える時間が僕は好きになる
どこまで行ったら君に会えるか
とても楽しみで仕方がないの
ほかになにもいらないから君に会いたい。

8/13/2022, 3:27:37 PM

誰もいない部屋で
ただひとり僕がいて
そこに座っている胸の中の心臓
段々と音が気になって
たまに不規則になる心の動揺
心が詰まるような感覚が嫌いだよ
僕しかいないのに、
だれかが後ろにいるような気がしてならないんだよ

心臓の音は早まって、だんだん収まっていく
だんだん聞こえなくなる
でも、君の針は止まることは無くて
カレンダーは2月で終わっているのに
僕の頭にその不愉快な音楽が聞こえてくる

君が止まるのは僕がいなくなった時か
君が死んだ時
僕の心臓が無くなれば君も死ぬことと同じになる
今日も1人仰向けに
心の音なんて気にせずに眠りについて
眠りについた場所が何も生み出さない世界だったら
どんなに良かっただろうか
君の軸心を動かしながらそう思った

8/12/2022, 5:09:29 PM

「リンゴの色と血の色は赤色かもしれないけど、
実は中身は橙色で、その外側はリバースだったりするものがあるかもしれない。
中身って、見えないから分からないけど、常識は常識としているだけ。だから、リンゴの中身が青色に見えたとしても、私の中身がなにであっても、驚くことは無いんだよ」

彼女は血を吐いて、その血をリンゴに塗っている
君の中身は赤色だよ、まちがいないと僕は言うけど
君はそれを否定する。
「私は信じたくないの。つまらないから」
彼女が言っていた意味がよくわからないけど
分からないままでいいのかもしれない
僕は血が塗られたそのリンゴを剥いて、その白色混じりの橙色のリンゴを口に入れ、咀嚼し飲み込んだ。
君は食べないの、と僕は言いかけた時、とてつもない嫌悪感に苛まれ、果てしない闇に包まれた。



血を舐めると椿が咲いた。
リンゴは青く海のように美しかった
それはどうして生まれてきたのか分からなかった

彼女は嬉しそうに微笑みながら、
青色の血が滲んだ唇に接吻する

8/5/2022, 2:51:44 PM

もうしわけない午後4時
誰に謝っているの
瞼が重くてよく前が見えない
ブルーライトの彼女のおやすみを聞く
彼女はそっと目を閉じで居なくなる
最後に鐘の音を聞いたのはいつで
誰かの声に触れたのはいつだろうか
そっとブルーライトの鐘が起こしてくれる
それは電子音の偽物で
でもそれで僕は十分で
もうしわけない午前4時を見る

8/4/2022, 4:59:33 PM

あの鳴く蝉はいつ死ぬのかな
あの鳴くかえるは昔はオタマジャクシだった
あの鳴く男の人の日常なんて知りえはしない
あの鳴く僕は誰も聞こえない
誰も知りえないところで
鳴いて鳴いてないて鳴いてないて鳴いて
喚いて死んで壊して
そこで誰かが笑って眠る
さぞかし気持ちい人生で

つまらない事でも笑えるように
いつまでも鳴いてないてないてないている
うるさいボイスメールみたいに
つまらない事で笑えた日は命日だ
どうしても忘れられないあの子に会いに行ける日は
僕の死に花が枯れた時だろうか

蝉の声が消えた時、私もきっと鳴き止むだろう
やっと鳴き止んでくれた蝉は
僕の心にずっと残っている
でも君には残ることはなくて
君の心には何も無い
僕が死んだ時
君は泣かなかったから
僕が死んだ時
君は一緒に笑ってくれた
それは消して悲しくはない
切なげな笑顔を僕にみせてくれた
僕の死に花は咲かなかったけど
枯れることもなかったよ

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