六月の帰路

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透明な夜は君を透かした
僕は知っているの
本当は夜の影に隠れてるだけだって
君はかくれんぼが上手いだけで
いつまでも見つけることが出来ない
君はいつ降参するの?
僕が進むと波の音がこちらまで歩いてきて
仲良くなりたいのかなって思う
でも話しかけても消えていくから
少し悲しい気分になるんだな
君は僕を見ているのかな
いつまでも現れないから少し疲れてしまった
だからはやく出てきて欲しいけど
きみは負けず嫌いみたいで、
大声を出してもなにも答えてくれないんだ
僕は灯りの消えている街灯を横目にみて、
海に君はどこにいるのと問いただしても答えることは無かったよ、無口な君と似ているの。
真っ黒なその海には月だけがそこにいる
この海はどこまで潜れるのかなと思うけど
入る勇気はないにきまっていた
僕は弱虫なんだ、そう君は言っていたけど
僕はそうは思わない。だれだって、見えないところに足を踏み出すのは無理なんだ。
そう思っているけど、君は違ったのかな
海の底はみえないけれど、歪んだ僕がうっすらと映る
そこに君はいなくて、すこし悲しい気持ちになる
でも君はかくれんぼの最中だから
僕を見捨てたりするわけないと思うんだ。
次はどこを探そうかな
そう考える時間が僕は好きになる
どこまで行ったら君に会えるか
とても楽しみで仕方がないの
ほかになにもいらないから君に会いたい。

8/15/2022, 12:17:50 PM